Interpreter誌:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する学術的擁護と研究
宗教的な信仰と学術的な検証をどのように両立させるか。この問いに対する一つの答えとして誕生したのが、Interpreter: A Journal of Latter-day Saint Faith and Scholarship(旧称:Interpreter: A Journal of Mormon Scripture)です。本誌は、末日聖徒イエス・キリスト教会の聖典や教義を専門的に扱い、信仰に基づいた学術的アプローチを追求する非営利の査読付き学術誌です。
Key Facts
- 設立:2012年7月、Interpreter Foundationによって創刊。
- 目的:末日聖徒の聖典・宗教への理解を深め、学術的な視点から信仰を擁護すること。
- 編集責任者:創刊編集長はダニエル・C・ピーターソン。
- 公開形態:オープンアクセス形式で提供されており、誰でも閲覧可能。
- 主な内容:歴史的調査、批判への回答、書評、個人的エッセイなどの学術論文。
創刊の背景と哲学的な対立
本誌の誕生には、モルモン研究における「アポロジェティクス(信仰擁護論)」のあり方を巡る議論が深く関わっています。創刊者のダニエル・C・ピーターソン氏は、以前に『Mormon Studies Review (MSR)』の編集に携わっていましたが、その運営方針を巡ってMaxwell Instituteの編集陣と意見が分かれました。
具体的には、学術誌において「直接的な信仰の擁護(アポロジェティクス)」を目的として含めるべきか否かという点です。ピーターソン氏は、信仰を擁護する視点は学術的な出版物にとって不可欠な要素であると確信していました。この哲学的な相違が、信仰擁護の姿勢を明確に維持する「Interpreter Foundation」の設立と、本誌の創刊へと繋がりました。
主な活動と学術的貢献
Interpreter誌は、単なる論文掲載にとどまらず、多角的なアプローチで宗教研究を推進しています。特に、科学とモルモン教の関係性に焦点を当てたシンポジウムを2回開催するなど、現代的な視点からの議論を促進しています。
掲載されるコンテンツは多岐にわたり、聖典の歴史的な分析から、外部からの批判に対する論理的な反論、さらには専門的な書評までが含まれます。これらの活動を通じて、信仰を持つ人々が知的な根拠を持って自らの信念を理解し、説明できる環境を整えています。
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Interpreter: A Journal of Latter-day Saint Faith and Scholarship |
| 発行元 | The Interpreter Foundation(米国) |
| 言語 | 英語 |
| ISSN | 2372-1227 (印刷版) / 2372-126X (ウェブ版) |
| 主な分野 | モルモン研究、LDSアポロジェティクス、聖典研究 |
学術コミュニティにおける議論と論争
本誌は、その「信仰擁護」という性質上、時に学術コミュニティ内で激しい議論を巻き起こしてきました。象徴的な出来事が2013年に起きた「デリン事件(Dehlin affair)」と呼ばれる論争です。
これは、グレゴリー・L・スミス氏がポッドキャスト『Mormon Stories』を批判的にレビューした論文を本誌が掲載したことに端を発します。このレビューの中で、対象者が教会の基礎的な信念に敵対的な見解を促進していると指摘したことで、モルモン研究における「信仰に基づいた研究」と「信仰に基づかない客観的な研究」の役割分担について、研究者の間で大きな議論が巻き起こりました。
Frequently Asked Questions
Interpreter誌とはどのような雑誌ですか?
末日聖徒イエス・キリスト教会の聖典や教義を研究し、学術的な視点から信仰を擁護することを目的とした、査読付きの非営利学術誌です。
「アポロジェティクス」とは何を指しますか?
宗教的な信念や教義に対して、論理的な根拠や証拠を用いて正当性を説明し、擁護する学問的なアプローチのことを指します。
誰がこの雑誌を創刊したのですか?
ダニエル・C・ピーターソン氏が創刊編集長を務め、Interpreter Foundationによって設立されました。
論文は無料で読むことができますか?
はい、本誌はオープンアクセスを採用しているため、オンラインアーカイブを通じて誰でも無料で閲覧することが可能です。
どのような内容の論文が掲載されていますか?
聖典の歴史的調査、批判的な意見への回答、書籍のレビュー、信仰に関する個人的なエッセイなど、学術的な形式で書かれた多様な文献が掲載されています。