Flight profile of Venera 15
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ベネラ15号金星の地表を可視化したソ連のレーダー探査機

🗓 2026年8月11日

金星は厚い雲に覆われており、光学カメラではその地表を捉えることができません。この困難な課題に挑んだのが、旧ソビエト連邦が打ち上げた無人探査機ベネラ15号です。本機は高度なレーダー技術を搭載し、未知なる金星の地形を詳細にマッピングすることを目的として設計されました。

ベネラ15号は、同時期に運用されたベネラ16号とほぼ同一の設計を持つ双子の探査機であり、従来のベネラ計画で培われた技術を改良して構築されました。特筆すべきは、従来の着陸機を搭載せず、軌道上からの観測に特化した構成へと転換した点にあります。

Key Facts

  • ミッション目的:高解像度イメージングシステムによる金星表面のマッピング。
  • 主要技術:厚い雲を透過して地表を観測できる合成開口レーダー(SAR)を搭載。
  • 観測範囲:北極から北緯30度まで、金星表面の約25%をカバー。
  • 運用期間:1983年6月に打ち上げられ、金星周回軌道で約9ヶ月間活動。
  • 機体構成:全長5mの円筒形機体に、通信用および観測用のパラボラアンテナを装備。

ミッションの軌道と運用プロセス

ベネラ15号は1983年6月2日にプロトンKロケットによってバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。その後、太陽を中心とするヘリオセントリック軌道を経て、同年10月10日に金星軌道への投入に成功しました。

運用面での工夫として、ベネラ16号と1日ずらして軌道投入を行い、軌道面を約4度ずらして設定しました。これにより、必要に応じて同一エリアを異なる角度から再撮影することが可能となり、データの精度と信頼性を高めていました。

探査機はほぼ極軌道を周回し、近点(ペリサイテリオン)は約1,000km、遠点(アポサイテリオン)は約65,000kmという楕円軌道を描きました。周期は約24時間で、北極から北緯30度までの広範囲な地表データを収集しました。

Flight profile of Venera 15

機体構造と搭載インストゥルメント

機体はNPOラヴォチキン社によって製造され、乾燥重量4,000kgの円筒形構造を採用しています。電力供給のため、機体側面からは2枚の正方形ソーラーパネルが翼のように展開されていました。

最大の特長は、合成開口レーダーSARの搭載です。SARとは、電波を照射しその反射波を解析することで、雲の下にある地表の形状を高解像度で描き出す技術です。このレーダーを制御するため、機体には画像データを一時的に保存するオンボードコンピュータが搭載されていました。

観測時の動作として、無線高度計のアンテナを惑星の中心(局所垂直方向)に向け、SARアンテナをそこから10度傾けて側方を見ることで、効率的なスキャンを実現していました。

搭載された主要機器一覧

  • Polyus-V:合成開口レーダー(SAR)
  • Omega:レーダー高度計
  • 赤外線フーリエ分光計:大気成分などの分析に使用
  • 宇宙線検出器:6つのセンサーで放射線環境を測定
  • 太陽プラズマ検出器:太陽風などのプラズマ観測

ミッション概要まとめ

ベネラ15号の技術的スペックと運用実績を以下の表にまとめます。

ベネラ15号 ミッション仕様表
項目 詳細内容
打ち上げ日 1983年6月2日
打ち上げ質量 5,250 kg
運用期間(金星周回) 約9ヶ月
軌道傾斜角 92.5度
周回回数 260回
最終通信日 1985年1月5日

Frequently Asked Questions

なぜ光学カメラではなくレーダーを使用したのですか?

金星は非常に濃い硫酸の雲に覆われており、可視光線が地表まで届かず、反射して戻ってくることがないためです。電波を用いるレーダーであれば、これらの雲を透過して地表の地形を直接観測することが可能です。

ベネラ16号との違いは何でしたか?

機体構造や搭載機器はほぼ同一でしたが、軌道投入のタイミングを1日ずらし、軌道面を約4度傾けて運用しました。これにより、観測エリアの重複撮影が可能になり、データの検証精度を向上させました。

このミッションで得られた最大の成果は何ですか?

金星の北極から北緯30度までという、表面積の約25%に相当する領域の高解像度な地形マップを作成したことです。これにより、金星の地質構造への理解が大きく前進しました。

ベネラ15号はその後どうなったのでしょうか?

1985年1月5日に地球との最終的な通信が途絶えました。ミッション期間を通じて、計画されていたマッピング操作を完遂し、貴重なデータを地球に送信しました。

References

  1. "Venera 15". NASA Space Science Data Coordinated Archive. Archived from the original on April 17, 2021. Retrieved November 5, 2019.
  2. "Venera 15". N2YO.com. Retrieved November 6, 2019.
  3. Siddiqi, Asif A. (2018). Beyond Earth: A Chronicle of Deep Space Exploration, 1958–2016 (PDF). The NASA history series (second ed.). Washington, DC: NASA History Program Office. p. 159.  .  2017059404. SP2018-4041.
  4. "Venera 15 Launch and Orbital Information". NASA Space Science Data Coordinated Archive. Archived from the original on March 25, 2021. Retrieved November 5, 2019.
  5. "Missions to Venus and Mercury". The Planetary Society. Retrieved November 6, 2019.