ストロング・コンコーダンス:聖書研究を深化させる索引と番号体系
聖書の言葉をより深く、正確に理解したいと願う研究者や信徒にとって、ストロング・コンコーダンス(Strong's Concordance)は不可欠なツールです。これは、英語の聖書であるキング・ジェームズ版(KJV)に登場するすべての単語を網羅した索引であり、単なる単語検索を超えて、原典であるヘブライ語やギリシャ語へと橋渡しをする役割を担っています。
この画期的な索引は、アメリカの神学者ジェームズ・ストロングによって編纂され、1890年に初めて出版されました。当時、ドリュー神学校で釈義神学の教授を務めていたストロングは、専門的な言語知識を持たない人々でも原典の意味にアプローチできるよう、この体系を構築しました。

Key Facts
- 目的:KJV聖書の全単語を索引化し、原典(ヘブライ語・ギリシャ語)の語彙と結びつけること。
- 構成:アルファベット順の索引と、巻末に配置された原典辞書で構成される。
- ストロング番号:各ルートワード(語根)に割り当てられた固有の識別番号。
- 収録数:旧約聖書のヘブライ語ルートワード 8,674語、新約聖書のギリシャ語ルートワード 5,624語。
- 利便性:番号体系により、言語を問わず異なる翻訳版の間で単語を照合することが可能。
ストロング番号の仕組みと活用法
ストロング・コンコーダンスの最大の特徴は、ストロング番号と呼ばれる独自のナンバリングシステムにあります。このシステムにより、ユーザーは複雑な原典言語を習得していなくても、効率的に単語の意味を辿ることができます。
索引から辞書への導線
まず、メインの索引部分でKJVの英単語をアルファベット順に探し、その単語が登場する聖句と、その右側に記された「ストロング番号」を確認します。次に、その番号を巻末の辞書で引くことで、対応するヘブライ語またはギリシャ語の原典単語とその意味を知ることができます。
ルートワード(語根)による管理
番号は個別の単語すべてではなく、ルートワード(語根)に対して割り当てられています。例えば、ギリシャ語で異なる活用形を持つ単語であっても、同じ語根を持つ場合は同一の番号(例:agapaōは25番)が割り振られます。なお、ギリシャ語の番号(1〜5624)の中には、編纂過程の変更により割り当てられていない番号(2717番、3203〜3302番)が存在します。

原典辞書の役割と性質
ストロングは索引に加えて、「ヘブライ語・カルデア語辞書」および「新約聖書ギリシャ語辞書」を併設しました。ただし、彼は序文において、これらの辞書はあくまで「簡潔でシンプルな」ものであると明言しています。
これらは、ゲゼニウス(Gesenius)やフュルスト(Fürst)といった、より詳細で膨大な学術的レキシコン(語彙辞典)に取って代わるものではなく、学生や研究者が迅速に大まかな意味を把握するための補助ツールとして設計されました。
ストロング・コンコーダンスの概要まとめ
| 項目 | 旧約聖書(Hebrew) | 新約聖書(Greek) |
|---|---|---|
| ルートワード数 | 8,674語 | 5,624語 |
| 対応言語 | ヘブライ語・カルデア語 | ギリシャ語 |
| 索引の基準 | キング・ジェームズ版 (KJV) | |
| 主な用途 | 単語の出現箇所の特定および原典の意味確認 |
Frequently Asked Questions
ストロング・コンコーダンスを使うと何ができるのですか?
特定の単語が聖書のどこに登場するかを簡単に検索できるほか、同じ英単語が他の箇所でどのように使われているか、あるいは異なる英単語が実は同じ原典の単語から翻訳されているかを確認できます。
ストロング番号はなぜ重要なのでしょうか?
言語の壁を越えて単語を特定できるため、異なる言語のコンコーダンス(索引)を作成する際の基準となります。例えば、英語の索引をベースに、対応する原典番号を介してロシア語訳の索引を作成するといったことが可能です。
この辞書だけで原典研究は十分ですか?
いいえ。編纂者のジェームズ・ストロング自身が述べている通り、この辞書は簡潔な入門用です。より深い学術的な研究には、ゲゼニウスなどのより詳細なレキシコンを併用することが推奨されます。
すべての単語に番号がついているのですか?
いいえ。個別の単語すべてではなく、その基となる「ルートワード(語根)」に番号が割り振られています。そのため、文法的に形が異なる単語でも、同じ語根であれば同じ番号になります。
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