Classification diagram for peridotite and pyroxenite, based on proportions of olivine and pyroxene. The pale green area encompasses the most common compositions of peridotite in the upper part of the Earth's mantle (partly adapted from Bodinier and Godard (2004)).
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かんらん岩超塩基性岩マントルかんらん石輝石

かんらん岩:地球のマントルを構成する超塩基性岩の特性と分類

🗓 2026年8月10日

地球の内部構造において、地殻の下に広がるマントルの大部分を占めているのが「かんらん岩(Peridotite)」です。この岩石は、シリカ(二酸化ケイ素)の含有量が45%未満である超塩基性岩に分類され、主にマグネシウムと鉄に富んだ鉱物で構成されています。地表で直接観察することは困難ですが、特定の火山活動や地殻変動によって地表に現れ、地球内部の進化を解き明かす重要な手がかりとなります。

Key Facts

  • 主成分:かんらん石と輝石を主とする粗粒の火成岩。
  • 化学的特徴:シリカ含有量が極めて低く(45%未満)、マグネシウムに富む。
  • 分布:地下約400kmまでの上部マントルの主要構成岩石。
  • 希少価値:ダイヤモンドを含むキम्बरライトや、深部からのゼノリス(捕獲岩)として採取される。
  • 産業利用:ニッケル鉱床の母岩となるほか、CO2回収・貯留への活用が期待されている。

かんらん岩の組成と鉱物学的特徴

かんらん岩の最大の特徴は、その鉱物組成にあります。最も不可欠な成分はかんらん石であり、これは鉄とマグネシウムを含む正珪酸塩鉱物です。典型的にはオリーブグリーン色を呈し、岩石全体に強い緑色の色彩を与えます。

次いで重要なのが輝石(チェーン珪酸塩)です。輝石は結晶構造の違いにより、斜方晶系の「直輝石」と単斜晶系の「単斜輝石」に分けられます。また、水を含む流体による変質が起こると、角閃石(ホルンブレンド)が含まれることがあります。さらに、スピネル、ガーネット、クロマイトなどの副成分鉱物が含まれ、これらの種類や比率は、その岩石が形成された深さを推定する指標となります。

Typical peridotite sample (dunite, left) and large olivine crystal (right)

例えば、アルミニウムを含む鉱物の形態に注目すると、深さ20km未満では斜長石、20〜60kmではスピネル、60km以深ではガーネットとして存在します。このように、鉱物組成を分析することで、地下深くの環境を再現することが可能です。

Olivine in a peridotite weathering to iddingsite within a mantle xenolith

詳細な分類体系

かんらん岩は、含有する鉱物の比率によって細かく分類されます。特に、かんらん石が全体の40%以上を占める粗粒の超塩基性岩として定義されます。

主要な分類

  • ダナイト(Dunite):かんらん石が90%以上を占める岩石。オフィオライトの脈状部分や、マグマ溜まりの底に堆積した累積岩として見られます。
  • 輝石かんらん岩(Pyroxene peridotite):かんらん石が40〜90%で、角閃石が5%未満のもの。さらに以下の2つに分かれます。
    • ハルツバージャイト(Harzburgite):単斜輝石が5%未満。玄武岩質マグマが抽出された後の「枯渇したマントル」と考えられており、大陸地殻下のリソスフェアの主成分とされます。
    • ウェーライト(Wehrlite):直輝石が5%未満。オフィオライトのガブロ層との境界付近に見られます。
  • キम्बरライト(Kimberlite):かんらん石を35%以上含み、火山管内で形成される破砕度の高い岩石。ダイヤモンドの母岩として世界的に有名です。
  • 角閃石かんらん岩(Hornblende peridotite):輝石が5%未満で角閃石を多く含む。沈み込み帯における流体による変質の証拠となります。
Classification diagram for peridotite and pyroxenite, based on proportions of olivine and pyroxene. The pale green area encompasses the most common compositions of peridotite in the upper part of the Earth's mantle (partly adapted from Bodinier and Godard (2004)).

分布と地質学的メカニズム

かんらん岩は通常、地下深くにあるため、地表で観察できるケースは限られています。主な出現形態は以下の通りです。

オフィオライトとオブダクション

海洋プレートは薄い地殻の下に厚いかんらん岩層を持っています。通常は沈み込み帯でマントルへ戻りますが、プレートの衝突などの際に、一部が大陸地殻の上に乗り上げるオブダクションという現象が起こります。こうして地表に現れた海洋地殻と上部マントルの断片をオフィオライトと呼びます。

Alpine peridotite from the Ivrea zone in the Alps of Italy (dunite from Finero)

ゼノリス(捕獲岩)

玄武岩やキम्बरライトなどのマグマが上昇する際、周囲のマントル岩を破片として巻き込むことがあります。これをゼノリスと呼びます。これらは地下30kmから200km以上の深部から運ばれてくるため、地球形成初期の同位体比を保持しており、古地質学的に極めて重要な資料となります。

Peridotite xenoliths in phonotephrite, from Arizona

外観・組織と成因

多くのかんらん岩は、かんらん石の影響で緑色から黒緑色を呈しますが、風化すると地表では茶色の皮殻を形成し、海底では深いオレンジ色に変化します。

組織面では、ゆっくりと冷却された際に形成される累積組織(粗大な結晶が組み合わさった構造)や、再結晶化によって粒界が120度で交わる安定した組織が見られます。また、地殻変動に伴う強い変形を受けた場合は、破砕されたカタクラス組織を示します。

Serpentinized and carbonated peridotite[25]

経済的価値と環境への応用

かんらん岩は、資源採掘および環境対策の両面で注目されています。

かんらん岩の経済的・環境的活用
活用分野 メカニズム・特徴 得られる成果
ニッケル資源 熱帯地方での激しい化学的風化(ラテライト化) 高濃度のニッケル・コバルト鉱床
CO2回収・貯留 二酸化炭素と反応して安定した炭酸塩鉱物を形成 大気中CO2の恒久的な固定化
工業鉱物 低温での水和作用(蛇紋岩化) クリソタイル(石綿)やタルクの生成

Frequently Asked Questions

かんらん岩と輝石岩の違いは何ですか?

どちらも超塩基性岩に分類されますが、主成分となる鉱物の比率が異なります。かんらん石が40%以上含まれるものが「かんらん岩」であり、輝石の割合が60%を超えるものは「輝石岩(Pyroxenite)」として区別されます。

なぜかんらん岩からダイヤモンドが見つかるのですか?

ダイヤモンドは極めて高い圧力と温度条件下にあるマントル深部で形成されます。キम्बरライトのような特殊なマグマが、これらのダイヤモンドを保持したまま高速で地表まで運ぶため、かんらん岩の一種であるキम्बरライトから採取することが可能です。

「蛇紋岩」とはかんらん岩とどう関係していますか?

蛇紋岩は、かんらん岩が低温で水と反応(水和作用)して変質した岩石です。このプロセスを蛇紋岩化と呼び、元の岩石(原岩)としてかんらん岩が機能しています。

かんらん岩は地球以外の場所にも存在しますか?

はい。地球だけでなく、月の破片(月岩)の中からも少量のかんらん岩が発見されており、他の天体においても同様の分化プロセスが存在したことが示唆されています。

References

  1. Collins Australian Dictionary, 7th edition
  2. Downes, Hilary, ed. (2021). Encyclopedia of Geology (Second ed.). Alexandria, Virginia: American Geological Institute.  .
  3. Philpotts, Anthony R.; Ague, Jay J. (2009). Principles of igneous and metamorphic petrology (2nd ed.). Cambridge, UK: Cambridge University Press. pp. 137–142.  .
  4. "Rock Classification Scheme - Vol 1 - Igneous" (PDF). British Geological Survey: Rock Classification Scheme. 1: 1–52. 1999.
  5. , p. 142.
  6. , pp. 43–44, 372–373.
  7. , p. 385.
  8. , "dunite". sfn error: no target: CITEREFJackson1997 ()
  9. "Peridotite: Igneous Rock - Pictures, Definition & More". geology.com. Retrieved 2022-07-13.
  10. "kimberlite | rock | Britannica". www.britannica.com. Retrieved 2022-07-13.

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Serpentinized and carbonated peridotite[25]
Alpine peridotite from the Ivrea zone in the Alps of Italy (dunite from Finero)
Peridotite xenoliths in phonotephrite, from Arizona