Screenshot of the UTC clock from time.gov during the leap second on 31 December 2016
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うるう秒UTC協定世界時原子時計地球の自転

うるう秒とは?地球の自転と原子時計のズレを調整する仕組み

🗓 2026年8月11日

私たちが日常的に利用している時計は、非常に正確に時を刻んでいるように見えます。しかし、世界標準となる時間基準である協定世界時(UTC)には、時折「うるう秒」という1秒の調整が加えられます。これは、極めて精密な原子時計が刻む時間と、地球の自転に基づく天文学的な時間との間に生じるわずかなズレを解消するための措置です。

Key Facts

  • 目的:原子時計による時間(TAI)と地球の自転に基づく時間(UT1)の乖離を補正すること。
  • 運用:1972年に導入され、これまでに27回の正のうるう秒(1秒追加)が実施された。
  • 決定機関:国際地球回転・参照系事業(IERS)が、UTCとUT1の差が±0.9秒を超えないよう調整を決定する。
  • 実施タイミング:主に6月30日または12月31日の末尾に挿入される。
  • 最新の実施:直近では2016年12月31日に適用された。

なぜ「1秒」の調整が必要なのか

現代の時間管理の基礎となっているのは、原子の振動を利用して定義される国際原子時(TAI)です。これは極めて安定しており、誤差がほとんどありません。一方で、私たちが「1日」と感じる時間は地球の自転に基づいた世界時(UT1)によって決まります。

しかし、地球の自転速度は一定ではありません。地質学的な変動や気候の変化などの影響を受け、長期的に見るとわずかに変動しています。もし原子時計のみで時間を管理し続けると、実際の太陽の位置(正午など)と時計の時刻が次第にずれていくことになります。この乖離を防ぐために、必要に応じて1秒を加減するのが「うるう秒」の役割です。

Graph showing the difference between UT1 and UTC. Discontinuities correspond to leap seconds.

自転速度の変動とうるう秒の誤解

よく「地球の自転が遅くなっているからうるう秒が必要だ」と言われますが、これは正確ではありません。うるう秒は自転速度そのものの変化ではなく、原子時と自転時の「累積した差」を示すものです。実際、1972年から2016年にかけての平均的な1日の長さを見ると、むしろ自転速度がわずかに加速していた時期もありました。それでも、1日の平均長がSI秒(標準的な1秒)の86,400秒を上回っていたため、正のうるう秒が挿入されてきたのです。

Deviation of day length from SI day, with shorter days resulting from faster planetary rotation

うるう秒の運用ルールと仕組み

うるう秒の挿入は、IERS(国際地球回転・参照系事業)が決定します。通常、UTCとUT1の差が0.6秒に近づいたタイミングで、約半年前に告知が出されます。これにより、両者の差が0.9秒以内に収まるよう管理されています。

具体的に正のうるう秒が挿入される際は、その日の最後の秒である「23:59:59」と翌日の「00:00:00」の間に、「23:59:60」という特別な1秒が挿入されます。これは世界中で同時に行われるため、タイムゾーンによって挿入される時刻(時間帯)は異なりますが、タイミングは同一です。

Screenshot of the UTC clock from time.gov during the leap second on 31 December 2016

理論上は、自転が速まりすぎた場合に1秒を削る「負のうるう秒」も可能ですが、これまでに実際に実施されたことはありません。

Screenshot of ChronyControl on macOS, showing an insert second announcement by NTP on 30 June 2015

システムへの影響と技術的な課題

人間にとっての1秒はわずかなものですが、コンピュータシステムにとってこの不規則な調整は大きな負荷となります。多くのソフトウェアは「1分は60秒である」ことを前提に設計されているため、予期せぬ「60秒目」の出現によりシステムがクラッシュしたり、動作が不安定になったりする事例が報告されています。

  • 金融市場への影響:2015年6月30日のうるう秒挿入時に、ニューヨーク証券取引所を含む複数の取引所を運営するインターコンチネンタル取引所が、約61分間の運用停止を選択したことがあります。
  • GPSレシーバーのバグ:一部の古いGPS受信機では、256週間うるう秒が設定されなかった場合に日付が1日ずれるというソフトウェアバグが発生した事例(2003年)があります。
  • ITインフラの混乱:クラウドサービスやDNSサーバー、OSのカーネルなどで、うるう秒の処理に起因するCPU負荷の増大や同期エラーが発生したことがあります。

時間基準のまとめ

時間基準とうるう秒の概要
項目 内容 特徴
TAI (国際原子時) 原子時計による計測 極めて正確で一定
UT1 (世界時) 地球の自転による計測 自転速度の変動により不規則
UTC (協定世界時) TAIをベースにUT1に合わせる うるう秒で調整される民生用標準時
うるう秒の回数 計27回 (1972年〜2016年) すべて正のうるう秒(追加)

Frequently Asked Questions

うるう秒とうるう年は何が違うのですか?

うるう年は地球が太陽の周りを回る公転周期(約365.2422日)に合わせて、4年に一度「1日」を追加して暦を調整するものです。一方、うるう秒は地球の「自転」速度の変動に合わせて、「1秒」単位で時間を調整する仕組みであり、発生間隔は不規則です。

なぜうるう秒は6月か12月に挿入されるのですか?

UTCの規格により、各月の末日に挿入することが認められていますが、優先的に6月30日または12月31日が選ばれます。これは、半年に一度の周期で調整を行うことが管理上効率的であるためです。

GPSの時刻もうるう秒でずれるのでしょうか?

いいえ、GPS時間(GPS Time)はうるう秒の影響を受けない連続的な時間軸を採用しています。そのため、GPSを利用したナビゲーションなどのシステム自体は、うるう秒によって位置計算が狂うことはありません。

今後もうるう秒は導入され続けるのでしょうか?

ITシステムへの悪影響が大きいため、国際電気通信連合(ITU)などで廃止に向けた議論が行われてきました。2022年には、2035年までにうるう秒を廃止し、時間を連続的に管理する方向で合意がなされています。

References

  1. Only the 's leap days begin after 28 February. The leap days of other calendars begin at different local times in their own years (, , , etc.).
  2. noted that the proposal was considered by a U.S. official at the time to be a "private matter internal to the ITU."
  3. The FCC has posted its received comments, which can be found using their search engine for proceeding 04–286 and limiting the "received period" to those between 27 January and 18 February 2014, inclusive.
  4. In addition to publishing the video of the special session, the Australian Communications and Media Authority has a transcript of that session and a web page with draft content of the Conference Preparatory Meeting report and solutions for ITU-R WRC-15 Agenda Item 1.14.

📸 フォトギャラリー

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Graph showing the difference between UT1 and UTC. Discontinuities correspond to leap seconds.
Deviation of day length from SI day, with shorter days resulting from faster planetary rotation
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