文書の作成過程において、誤字の修正やレイアウトの変更を指示する「校正記号」は不可欠なツールです。世界的に統一された基準として策定されているのが、国際標準化機構(ISO)によるISO 5776です。この規格は、原稿やタイプ原稿、そして印刷前の校正刷り(プリンターズプルーフ)に使用される記号を定義しています。
デジタル編集が普及する以前から存在するこの規格は、言語の壁を越えて正確な修正指示を伝えるための共通言語としての役割を担っています。

Key Facts
- 定義内容:原稿や校正刷りに用いる16種類の校正記号を規定。
- 対応言語:英語、フランス語、ロシア語の3言語で指定。
- 規格の系譜:英国規格(BS 5261)を一部継承しつつ、ドイツ規格(DIN 16511および16549-1)に近い構成。
- 歴史的背景:デスクトップパブリッシング(DTP)普及前の時代に策定。
規格の変遷と歴史
ISO 5776は、時代の変化に合わせて数回の改訂を経て現在の形に至っています。最初に発行されたのは1983年のことでした。その後、2016年に第2版が公開され、初版の内容を完全に置き換える形で更新されました。
さらに直近では2022年に第3改訂版が発行されており、2016年版に代わって最新の基準として運用されています。このように、長年にわたり校正作業の標準化が維持されています。
技術的な背景と影響
この規格の成立には、欧州の各国家規格が深く関わっています。具体的には、イギリスのBS 5261から一部の影響を受けていますが、設計思想としてはドイツのDIN 16511およびDIN 16549-1により近い特性を持っています。
特筆すべきは、これらの規格がすべてDTP(パソコンで完結する出版編集)が一般的になる前の時代に設計された点です。そのため、手書きによる修正指示を前提とした伝統的な校正手法がベースとなっています。
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 規定記号数 | 16種類 |
| 適用対象 | 原稿、タイプ原稿、校正刷り |
| 対応言語 | 英語、フランス語、ロシア語 |
| 最新版発行年 | 2022年(第3改訂版) |
Frequently Asked Questions
ISO 5776では具体的に何が定義されていますか?
原稿や校正刷りの修正に使用する16種類の標準的な校正記号が定義されています。
どの言語で利用可能な規格ですか?
英語、フランス語、およびロシア語の3つの言語で記号が指定されています。
この規格はどのような基準に基づいて作られましたか?
英国のBS 5261を一部に取り入れつつ、ドイツのDIN 16511およびDIN 16549-1に近い形式で策定されました。
最新のバージョンはいつ発行されましたか?
最新の第3改訂版は2022年に発行され、2016年の第2版に代わって適用されています。
DTPの普及後もこの規格は有効ですか?
本規格はDTP普及前の時代に策定されましたが、2022年まで改訂が重ねられており、国際的な標準として定義され続けています。