2000年に国際自動車連盟(FIA)によって導入されたGroup N-GT(ナショナルGT、またはシリーズ・グランドツーリングカー)は、市販車ベースの高性能車が競い合うモータースポーツのカテゴリーです。2000年3月1日にポルシェとフェラーリが最初のホモロゲーション(型式認定)を受けたことで幕を開け、その後、多様なメーカーが参戦する競争の激しいクラスへと発展しました。
Key Facts
- 設立年:2000年、FIAによって導入。
- 認定車両:全6メーカー、計8モデルがホモロゲーションを取得。
- エンジン規定:市販車ベースで最大排気量8.0Lまで。
- 主要大会:FIA GT選手権(2000-2004年)などで採用。
- 後継規定:後にGroup GT2規定へと移行。
Group N-GTの技術的定義と車両規定
FIAの国際競技規定(Appendix J 第257条)において、Group N-GT車両は厳格な定義に基づいています。基本的には、サーキットや閉鎖コースでの走行に適応させた車両である必要があり、以下の構造的条件を満たさなければなりません。
- 左右それぞれにドアが1枚以下であること。
- 車両の前後方向の中心線に対して、左右に最低2つの座席が配置されていること。
- これら2つの座席が同一の横断平面上に位置していること。
心臓部となるエンジンは市販車ベースであることが必須で、排気量は最大8.0Lまで認められていました。なお、公平性を保つため、エンジンの排気量と車両重量に応じて、吸気制限装置(リストリクター)のサイズが決定される仕組みとなっていました。
競技シーンにおける展開と変遷
Group N-GTは、主に上位クラスであるGroup GTのセカンダリクラスとして、さまざまなGTレースに導入されました。特に2000年から2004年にかけてのFIA GT選手権では重要な役割を果たし、その後はGroup GT2規定へと引き継がれました。また、イギリスGT選手権やユーロGT選手権においても、Group GT2やGroup GT車両と共に、あるいは単独のクラスとして走行し、レースシーンを盛り上げました。

FIA GT選手権における主要な実績
このカテゴリーでは、特にポルシェとフェラーリによる激しい覇権争いが繰り広げられました。2000年代前半のFIA GT選手権およびスパ24時間レースでは、ポルシェ 996 GT3シリーズが圧倒的な強さを見せ、多くのタイトルを獲得しました。
| 年度 | 大会 | チーム | 使用車両 | 主要ドライバー |
|---|---|---|---|---|
| 2000 | FIA GT | Larbre Compétition Chéreau | ポルシェ 996 GT3-R | C. Bouchut / P. Goueslard |
| 2001 | FIA GT | JMB Competition | フェラーリ 360 Modena | C. Pescatori / D. Terrien |
| 2002 | スパ24h | Freisinger Motorsport | ポルシェ 996 GT3-RS | R. Dumas / S. Ortelli / E. Collard |
| 2003 | FIA GT | Freisinger Motorsport | ポルシェ 996 GT3-RS | S. Ortelli / M. Lieb |
| 2004 | FIA GT | Yukos Freisinger Motorsport | ポルシェ 996 GT3-RSR | L. Luhr / S. Maassen |
ホモロゲーションを取得した認定車両一覧
Group N-GTとしてFIAに認定された車両は、欧州のスーパーカーから日本のスポーツカーまで多岐にわたります。以下に認定された全モデルをまとめます。
- フェラーリ:360 Modena(Michelotto Engineering開発)、360 Challenge Stradale
- ポルシェ:911 GT3 (996.I)、911 GT3 RS (996.II)
- マツダ:MX-5 NB
- 日産:フェアレディZ Z33(RJN Motorsport開発)
- マセラティ:Coupé Trofeo / Trofeo Light(Italtechnica開発)
- モーガン:Aero 8 GTN
Frequently Asked Questions
Group N-GTとはどのようなカテゴリーでしたか?
2000年にFIAが導入した、市販車ベースのGTカー向けレースカテゴリーです。主にFIA GT選手権などで、上位クラスを補完するクラスとして運用されました。
車両の認定にはどのような条件がありましたか?
左右に1枚ずつのドアを持ち、前後方向の中心線に対して左右に2つの座席が配置されていること、そして市販車ベースのエンジン(最大8.0L)を搭載していることが条件でした。
どのようなメーカーの車が参戦していましたか?
ポルシェやフェラーリといった伝統的な強豪に加え、日産(フェアレディZ)やマツダ(MX-5)、マセラティ、モーガンなど、計6メーカーの車両が認定を受けました。
Group N-GTはその後どうなりましたか?
FIA GT選手権においては、2004年以降にGroup GT2規定へと置き換えられ、レースの形式が移行していきました。
エンジンの性能制限はどのように行われていましたか?
車両の重量とエンジンの排気量に基づいて、吸気制限装置(リストリクター)のサイズを規定することで、車両間の性能バランスを調整していました。
References
- "FIA 2001 Appendix J" (PDF). Historic Database FIA. Retrieved 13 September 2017.