A contemporary depiction of Fort Christiansborg
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デンマーク海外植民地の歴史4大陸にまたがる交易と統治の軌跡

🗓 2026年8月7日

16世紀から20世紀半ばにかけて、デンマーク(および1814年までのデンマーク・ノルウェー連合王国)は、世界規模で広範な植民地ネットワークを構築していました。その版図はアフリカ、アジア、ヨーロッパ、北アメリカという4つの大陸に及び、交易拠点や要塞を通じて国際的な商業圏を形成していました。

もともとはノルウェーが保持していた権利を継承した地域も多く、時代とともに統治形態は「植民地」から「自治領」、そして「王国の一部」へと変遷していきました。本記事では、かつてのデンマーク帝国がどのような足跡を世界に残したのかを詳しく解説します。

Key Facts

  • 期間: 1537年から1953年まで、長期にわたり海外領土を保持。
  • 展開地域: アフリカ(ゴールドコースト)、アジア(インド・ニコバル諸島)、北米(西インド諸島・グリーンランド)、欧州(アイスランド・フェロー諸島)。
  • 統治体制: 立憲君主制の下、コペンハーゲンを首都として管理。
  • 主要産業: 西インド諸島では砂糖生産が経済の柱であった。
  • 終焉: 1953年にグリーンランドの植民地体制が終了し、帝国としての形態が完結した。

北米と北欧:北極圏からカリブ海まで

グリーンランドとフェロー諸島

北欧地域の領土は、中世のノルウェーによる支配権を継承したものです。フェロー諸島は1814年のキール条約を経てデンマークに留まり、1851年にはデンマーク憲法の施行により正式に国内の一県として組み込まれました。

一方、グリーンランドでは15世紀に北欧人の定住者が消滅した後、1721年にルター派の牧師ハンス・エゲデがヌーク(当時のゴドホープ)を建設したことで再植民地化が進みました。グリーンランドは1953年まで植民地としての地位にありましたが、その後デンマーク王国の一部となり、段階的に自治権を獲得しました。

Godthåb in Greenland, c. 1878
: Godthåb in Greenland, c. 1878

デンマーク西インド諸島

カリブ海に位置したセント・トーマス島(1671年獲得)、セント・ジョン島(1718年獲得)、セント・クロイ島(1733年フランスから購入)は、砂糖産業を中心とした経済圏を形成していました。しかし、英語圏の住民による不満や暴動が高まったこと、また米国が海軍基地としての利用を希望したことから、1917年に2,500万ドルで米国に売却されました。現在は「アメリカ領ヴァージン諸島」として知られています。

Christiansted in the Danish West Indies, 1831
: Christiansted in the Danish West Indies, 1831

アイスランドの独立への道

アイスランドもまたノルウェーから継承した領土であり、1874年に地方自治権が認められました。1918年にはデンマーク国王を戴く主権国家(個人連合)となり、第二次世界大戦中の1944年、国民投票を経て共和制へと移行し、完全に独立しました。

Reykjavík in 1835
: Reykjavík in 1835

アフリカとアジア:交易拠点と要塞の展開

西アフリカのゴールドコースト

現在のガーナ付近にあたるゴールドコーストでは、複数の交易所と4つの主要な要塞を運用していました。1661年にスウェーデンから購入したクリスチャンズボーグ要塞をはじめ、フレデンスボーグやアウグスタボーグなどの拠点を築きました。これらの多くは現在廃墟となっていますが、オス城(旧クリスチャンズボーグ)はかつてガーナ大統領の官邸として使用されていました。

A contemporary depiction of Fort Christiansborg
: A contemporary depiction of Fort Christiansborg

アジアにおける活動

インドでは、1620年にトランケバールを、1755年にはセランポール(フレデリクスナゴレ)などの拠点を獲得しました。特にセランポールでは1818年にセランポール大学が設立され、現在もその伝統が受け継がれています。これらのインド領は1845年にイギリスへ売却されました。また、ニコバル諸島にも1756年から進出していました。

Map of Danish Settlements in India (1620 - 1845).
: Map of Danish Settlements in India (1620 - 1845).

デンマーク海外領土の概要まとめ

デンマーク海外領土の変遷と特徴
地域 主な拠点・領土 期間 結末・現在の状態
北米(カリブ海) 西インド諸島 1666年 – 1917年 米国へ売却(米領ヴァージン諸島)
北米(北極圏) グリーンランド 1814年 – 1953年 デンマーク王国の一部(自治領)
ヨーロッパ アイスランド 1537年 – 1944年 独立(アイスランド共和国)
ヨーロッパ フェロー諸島 1537年 – 1851年 デンマーク王国の一部(自治領)
アフリカ ゴールドコースト 1658年 – 1850年 撤退(現ガーナ)
アジア トランケバール / セランポール 1620年 – 1845年 イギリスへ売却

Frequently Asked Questions

デンマークの植民地支配はいつまで続いたのですか?

公式な植民地としての体制が最後に終了したのは1953年のグリーンランドです。これにより、数百年にわたる海外植民地の歴史が締めくくられました。

西インド諸島がアメリカに売却された理由は何ですか?

主に2つの理由があります。一つは、英語を話す貧困層の住民による暴動や不安が増大し、統治が困難になったこと。もう一つは、米国が戦略的な海軍基地としてこれらの島々を必要としていたことです。

グリーンランドやフェロー諸島の現在の地位はどうなっていますか?

現在はどちらもデンマーク王国の一部でありながら、高度な自治権を持つ「自治領」となっています。グリーンランドは2009年に自己決定権を含むさらなる自治権を獲得しています。

アジアの植民地で現在も残っている遺産はありますか?

インドのセランポールに1818年に設立されたセランポール大学が、当時の歴史を伝える重要な教育機関として現在も存続しています。

デンマーク・ノルウェー連合王国とはどのような関係でしたか?

1814年までデンマークとノルウェーは一つの王国として統合されており、植民地の多くはこの連合王国として獲得・管理されていました。1814年の分離後、多くの海外領土はデンマーク側に引き継がれました。

References

  1. Prem Poddar, and Lars Jensen, eds., A historical companion to postcolonial literatures: Continental Europe and Its Empires (Edinburgh UP, 2008), "Denmark and its colonies" pp 58-105.
    • Benedikter, Thomas (19 June 2006). "The working autonomies in Europe". . Archived from the original on 9 March 2008. Retrieved 30 August 2019. Denmark has established very specific territorial autonomies with its two island territories
    • Ackrén, Maria (November 2017). "Greenland". Autonomy Arrangements in the World. Archived from the original on 30 August 2019. Retrieved 30 August 2019. Faroese and Greenlandic are seen as official regional languages in the self-governing territories belonging to Denmark.
    • "Greenland". International Cooperation and Development. . 3 June 2013. Retrieved 27 August 2019. Greenland [...] is an autonomous territory within the Kingdom of Denmark
    • "Facts about the Faroe Islands". Nordic cooperation. Archived from the original on 23 April 2018. Retrieved 1 July 2015. The Faroe Islands [...] is one of three autonomous territories in the Nordic Region
  2. Olson, James Stuart; Shadle, Robert, eds. (1991). Historical Dictionary of European Imperialism. Greenwood Publishing Group.  . Retrieved 4 September 2012.

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Reykjavík in 1835
Christiansted in the Danish West Indies, 1831
Godthåb in Greenland, c. 1878