USS L. Y. Spear (AS-36):米海軍潜水艦支援艦の歴史と役割

米海軍の運用において、潜水艦の能力を最大限に引き出すためには、高度な整備と補給を担う「支援艦」の存在が不可欠です。USS L. Y. Spear (AS-36)は、まさにその中核を担った潜水艦支援艦(Submarine Tender)の先駆的な艦艇でした。1970年から1996年まで、核攻撃潜水艦の運用を支える「動く基地」として、大西洋の海域で重要な役割を果たしました。

Key Facts

  • 艦種: L. Y. Spear級潜水艦支援艦のネームシップ(先導艦)
  • 主要任務: 核攻撃潜水艦への技術的・兵站的サポートの提供
  • 運用能力: 最大12隻の潜水艦を支援し、同時に4隻を接岸させて整備可能
  • 運用期間: 1970年2月28日の就役から1996年9月6日の退役まで
  • 最終運命: 2010年に解体業者へ売却され、2011年に完全に解体

艦名の由来と誕生

本艦の名前は、ローレンス・ヨーク・スピアにちなんで命名されました。彼は元海軍中尉であり、第二次世界大戦前後において、名門エレクトリック・ボート社で潜水艦の設計に深く関わった人物です。潜水艦の発展に寄与した彼の功績が、この支援艦の名に刻まれました。

建造はマサチューセッツ州クインシーにあるジェネラル・ダイナミクス社クインシー造船部門が担当しました。1966年5月5日に起工し、1967年9月7日に進水。その後、1970年2月28日に正式に就役し、米海軍の艦隊に加わりました。

運用実績と技術的スペック

USS L. Y. Spearは、主に核攻撃潜水艦のメンテナンスと補給を目的として設計されました。バージニア州ノーフォークを母港とする第6潜水艦戦隊に配属され、広範な支援能力を備えていました。最大で12隻の潜水艦をサポートでき、同時に4隻を横付けして整備を行うことが可能な高効率な設計となっていました。

船体は全長約196メートル、排水量は22,640トンに及び、蒸気タービンエンジンと1基のプロペラによって最大20ノットの速度で航行しました。乗員数は1,338名という大規模な体制で、高度な技術支援を提供していました。

USS L. Y. Spear (AS-36) 主要諸元
項目 詳細
排水量 22,640トン
全長 196 m (644 ft)
全幅 8.8 m (29 ft)
喫水 17 m (57 ft)
最大速度 20ノット
乗員数 1,338名
武装 12.7mm機銃×4、20mm機関砲×4

栄誉と文化的な側面

その長年の功績により、本艦は数多くの賞を受賞しました。海軍功労ユニット表彰を4回、海軍Eリボンを6回受賞したほか、1991年の湾岸戦争時には南西アジアサービスメダルを授与されています。また、1974年にはエドワード・F・ネイ記念賞を受賞するなど、運用の卓越性が高く評価されていました。

また、軍事的な役割以外にも、1979年の映画『The Death of Ocean View Park』のメスデッキ(食事処)のシーンが本艦内で撮影されるなど、映画の舞台としても利用されたエピソードがあります。

退役から解体まで

1996年9月6日に退役し、1999年3月3日に海軍名簿から抹消されました。その後、2010年までバージニア州ポーツマスのノーフォーク海軍造船所に係留されていました。2010年7月9日にテキサス州ブラウンズビルのESCOマリン社に解体目的で売却され、同年8月末に造船所を離れ、2011年7月14日までに完全に解体されました。

Frequently Asked Questions

USS L. Y. Spearの主な役割は何でしたか?

主に核攻撃潜水艦への兵站(ロジスティクス)および技術的なサポートを提供することでした。最大12隻の潜水艦を支援し、同時に4隻を接岸させて整備できる能力を持っていました。

艦名の由来となった人物は誰ですか?

ローレンス・ヨーク・スピア元海軍中尉です。彼は第二次世界大戦前後にエレクトリック・ボート社で潜水艦の設計において重要な役割を果たしました。

この艦はどのような賞を受賞しましたか?

海軍功労ユニット表彰や海軍Eリボンのほか、湾岸戦争への貢献による南西アジアサービスメダル、そしてエドワード・F・ネイ記念賞などを受賞しています。

最終的にこの艦はどうなったのでしょうか?

1996年に退役し、2010年にテキサス州のESCOマリン社に売却されました。その後、2011年7月までにすべて解体されました。

映画の撮影に使用されたことはありますか?

はい。1979年の映画『The Death of Ocean View Park』において、艦内のメスデッキ(食事処)のシーンが撮影されました。