1950年に公開された『Tea for Two』は、華やかな音楽と軽快なストーリーが魅力のアメリカン・ミュージカル・コメディです。デヴィッド・バトラー監督の手により、1920年代の「狂騒の20年代(ロアリング・トゥエンティーズ)」というエネルギッシュな時代背景が見事に再現されています。本作は、当時のファッションや文化へのノスタルジーを誘いながら、愛と勘違いが交錯する愉快な物語を展開します。
Key Facts
- 主演: ドリス・デイとゴードン・マクレーという黄金コンビが共演。
- ベース作品: 1925年の舞台ミュージカル『No, No, Nanette』からインスピレーションを得て制作。
- 音楽的特徴: ヴィンセント・ユーマンズらの名曲に加え、多彩な作曲家の楽曲をミックス。
- 快挙: 主演のドリス・デイが初めて単独トップクレジットを務め、スクリーンでダンスを披露した作品。
- 受賞: ジーン・ネルソンがゴールデングローブ賞の新人男優賞を受賞。
物語のあらすじ:運命を賭けた「NO」の挑戦
物語は現代(1950年当時)から始まります。1920年代の衣装で遊ぶ若者たちに対し、大叔父のマックスが、かつての時代に起きた騒動を語り聞かせます。
舞台は1929年のニューヨーク。社交界の花であるナネット・カーターは、ショービジネスへの憧れを抱いていました。彼女は作曲家のジミー・スミスやダンサーのトミー・トレイナーと共にレッスンに励んでいましたが、ある日、叔父のマックスが投資に失敗し、彼女の財産が世界恐慌で失われていたことが判明します。しかし、ナネット本人はその事実に気づいていません。
そんな中、プロデューサーのラリーが、ジミーとトミーを主役に据えたブロードウェイ・ショーへの出資をナネットに迫ります。ナネットは叔父に資金を求めますが、拒否された彼女は、ある大胆な賭けを提案します。それは「今後48時間、あらゆる問いかけに『NO』と答え続ける」というものでした。もし成功すれば、叔父から2万5000ドルを得てショーに出資するという条件です。

この奇妙なルールに従うため、ナネットは愛するジミーからの求婚や、自身の情熱さえも否定せざるを得なくなります。誤解と混乱が重なる中、物語は最終的に、自力で資金を集めて成功させたショー『No, No, Nanette』の快挙と、ナネットとジミーの結ばれるハッピーエンドへと向かいます。
作品の制作背景と評価
本作はワーナー・ブラザースによって製作され、110万ドルの予算で制作されました。興行収入では米国で約232万ドル、世界的に約133万ドルを記録し、商業的な成功を収めています。
批評面では、ニューヨーク・タイムズ紙のボスリー・クラウザーが、ドリス・デイとゴードン・マクレーの相性を「ピーナッツバターとジェリーのように完璧」と絶賛しました。また、タイム誌は、禁酒法時代やプラス・フォア(ニッカボッカーズ)などのファッション、そして株価大暴落といった時代のディテールを鮮やかに描き出した点が高く評価されています。
主要キャストとスタッフ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 監督 | デヴィッド・バトラー |
| 主演 | ドリス・デイ、ゴードン・マクレー |
| 脚本 | ハリー・クラーク |
| 音楽監督 | レイ・ハインドルフ |
| 上映時間 | 98分 |
| 公開日 | 1950年9月2日 |
劇中を彩る名曲たち
本作の最大の魅力は、耳に残る楽曲の数々です。特にタイトル曲である「Tea for Two」や、「I Want to Be Happy」、「Charleston」などの名曲が、物語のテンポを加速させ、観客を陽気な気分にさせます。これらの楽曲は、当時の大衆文化を象徴するサウンドとして、映画に彩りを添えています。
Frequently Asked Questions
この映画は実話に基づいていますか?
いいえ、フィクションです。1925年の舞台ミュージカル『No, No, Nanette』から着想を得ていますが、ストーリー構成は大幅に変更されています。
ドリス・デイにとってこの作品はどのような意味がありましたか?
彼女が初めて単独でトップクレジット(主演)を務めた作品であり、またスクリーン上で初めてダンスを披露した記念すべき作品です。
物語の舞台となっている「ロアリング・トゥエンティーズ」とは何ですか?
1920年代のアメリカを指し、経済的な繁栄と文化的な開放感に満ちていた時代のことです。ジャズの流行や女性の社会進出などが特徴ですが、1929年の株価大暴落で幕を閉じました。
映画の中でナネットが賭けをした理由は?
叔父のマックスから出資を拒否されたため、彼に2万5000ドルを勝ち取り、それをジミーとトミーが出演するブロードウェイ・ショーの資金に充てるためです。
References
- Warner Bros financial information in The William Schaefer Ledger. See Appendix 1, Historical Journal of Film, Radio and Television, (1995) 15:sup1, 1-31 p 31 DOI: 10.1080/01439689508604551
- "The Top Box Office Hits of 1950". . January 3, 1951.
- "Tea for Two". Turner Classic Movies. Archived from the original on July 28, 2011.
- Crowther, Bosley (September 2, 1950). "THE SCREEN IN REVIEW; 'The Black Rose,' Based on the Novel by Thomas Costain, Opens of Roxy Theatre". .
- "The New Pictures, Sep. 11, 1950". . September 11, 1950. Archived from the original on January 31, 2011.