Aneroid barometer for household use from c. 1925
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標準大気圧atmパスカル気圧 単位mmHg

標準大気圧(atm)の定義と単位換算の完全解説

🗓 2026年8月10日

私たちが日常的に意識することはありませんが、地球上のあらゆる場所には空気の重さによる「圧力」が存在しています。科学や工業の分野では、この圧力を正確に測定し、共通の基準で比較することが不可欠です。そこで用いられるのが標準大気圧(Standard Atmosphere)という単位です。

標準大気圧は、記号で「atm」と表記され、地球の海面における平均的な大気圧に基づいた基準値として定義されています。物理的な現象や化学物質の特性を記述する際の重要なリファレンスとなります。

Key Facts

  • 定義値: 1 atmは正確に 101,325 Pa(パスカル)と定義されている。
  • 物理的根拠: 元々は0℃における水銀柱760mmの圧力に基づいている。
  • SI単位への換算: 1 atm = 101.325 kPa。
  • 基準の変遷: 1982年以降、IUPAC(国際純粋・応用化学連合)は標準圧力を100 kPa(1 bar)と推奨している。

標準大気圧の歴史と定義の変遷

かつて標準大気圧は、特定の物質の性質を利用して定義されていました。具体的には、標準重力(9.80665 m/s²)の下、0℃における水銀柱760mmが及ぼす圧力として定められていました。この基準は、摂氏温度計において水の沸点を100℃と設定する際の根拠としても利用されていました。

しかし、物質の特性に依存する定義では、測定精度や環境によって誤差が生じる可能性があります。そのため、1954年に第10回計量一般会議(CGPM)において、1 atmを「1平方センチメートルあたり1,013,250ダイン(101,325 Pa)」と再定義しました。これにより、特定の物質に依存しない絶対的な数値としての基準が確立されました。

Aneroid barometer for household use from c. 1925

なお、化学や産業界では長らく1 atmが標準として使われてきましたが、1982年にIUPACが標準圧力を100 kPa(1 bar)とすることを推奨したため、分野によって参照する基準値が異なる場合があります。

圧力単位の相互換算

圧力の単位は、使用される分野(気象学、工学、医学など)によって多岐にわたります。以下に、1 atmを基準とした主要な単位への換算値を示します。

標準大気圧(1 atm)の主要単位換算表
単位系 単位記号 1 atm あたりの値
SI単位(パスカル) Pa / kPa 101,325 Pa / 101.325 kPa
バール bar 1.01325 bar
水銀柱ミリメートル mmHg / Torr 760 mmHg / 760 Torr
水銀柱インチ inHg 29.9213 inHg
ポンド毎平方インチ psi 14.6959 psi
水柱メートル m H₂O 約 10.33 m H₂O

その他の詳細な換算関係

より専門的な計算では、以下の関係性も用いられます。例えば、1 psiは約6,894.76 Paに相当し、1 mmHg(または1 Torr)は約133.322 Paとなります。また、絶対圧力を示す際に「ata」という表記が使われることがあり、これは標準大気圧(atm)または技術的大気圧(at)のいずれかで測定された絶対的な圧力を指します。

Frequently Asked Questions

1 atmと1 barは何が違うのですか?

1 atmは101,325 Paですが、1 barは正確に100,000 Paです。非常に近い値ですが、厳密には異なります。1982年にIUPACが標準圧力を1 bar(100 kPa)に変更したため、現代の化学分野では1 barが基準として使われることが増えています。

Torr(トール)とmmHgは同じ意味ですか?

実用上の計算においてはほぼ同一として扱われます。1 Torrは 101,325 / 760 Pa と定義されており、これは水銀柱1mmの圧力(1 mmHg)とほぼ等しいためです。

なぜ水銀が圧力の基準に使われていたのですか?

水銀は密度が非常に高く、室温で液体であるため、比較的短い管(760mm)で大気圧を保持することができ、測定器具として扱いやすかったためです。

標準大気圧はどこで定義されていますか?

国際的な計量基準を定める計量一般会議(CGPM)によって定義されています。これにより、世界中の科学者が同一の基準で圧力を測定し、データを共有することが可能になっています。

References

  1. "Water Pressures at Ocean Depths". NOAA Pacific Marine Environmental Laboratory. Retrieved 11 October 2022.
  2. Resnick, Robert; Halliday, David (1960). Physics for Students of Science and Engineering Part 1. New York: Wiley. p. 364.
  3. "BIPM - Resolution 4 of the 10th CGPM". www.bipm.org.
  4. IUPAC.org, Gold Book, Standard Pressure
  5. As a unit of measurement, the conventional metre of water (mH2O) is defined as an ideal column of water with density of 1000 kg/m3 under standard gravity gn of 9.80665 m/s2 i.e. 1 m × 1000 kg/m3 × 9.80665 m/s2 = 9806.65 Pa (though in practice the density of pure water is always less). 1 cmH2O = 0.01 mH2O and 1 inH2O = 0.0254 mH2O. BS 350:Part 1:1974 Conversion factors and tables, Part 1. Basis of tables. Conversion factors. British Standards Institution. 1974. p. 49.
  6. As a unit of measurement, the conventional millimetre of mercury (mmHg) is defined as an ideal column of mercury with density of 13595.1 kg/m3 under standard gravity gn of 9.80665 m/s2 i.e. 0.001 m × 13595.1 kg/m3 × 9.80665 m/s2 ≈ 133.322 Pa. 1 inHg = 25.4 mmHg. BS 350:Part 1:1974 Conversion factors and tables, Part 1. Basis of tables. Conversion factors. British Standards Institution. 1974. p. 49.
  7. "The Difference Between An ATM & An ATA". Scuba Diving & Other Fun Activities. March 2, 2008.
  8. BS 350:Part 1:1974 Conversion factors and tables, Part 1. Basis of tables. Conversion factors. British Standards Institution. 1974. p. 50.