日常生活や工業分野で耳にする「bar(バール)」という単位。タイヤの空気圧やダイビングのタンク、気象予報などで頻繁に使用されていますが、正確な定義や他の単位との関係を把握している方は少ないかもしれません。本記事では、この便利な圧力単位の正体と、実務で役立つ変換方法について詳しく解説します。
Key Facts
- 定義: 1 barは100,000パスカル(100 kPa)に相当します。
- 気圧との関係: 地表の平均気圧(約1.013 bar)よりわずかに低い値です。
- 由来: ギリシャ語で「重さ」を意味する「baros」から来ています。
- 位置づけ: メートル法に基づいた単位ですが、厳密なSI単位(国際単位系)ではありません。
- 実用例: 海水深10メートルごとの圧力上昇は約1 barに相当します。
barの基礎知識と定義
barは、100,000 Pa(パスカル)として定義される圧力の単位です。SI単位系(国際単位系)の正式な単位ではありませんが、数値が扱いやすいため、世界中で広く利用されています。特に欧州連合(EU)諸国では2004年より法的に認められています。
この単位は、近代気象学の父とされるノルウェーの気象学者ヴィルヘルム・ビェルクネスによって導入されました。もともとは1平方センチメートルあたり1メガダインという定義で始まりました。
気象学の分野では、さらに小さい単位であるミリバール(mbar)が多用されます。これは1 barの1,000分の1に相当し、数値的にヘクトパスカル(hPa)と等しいため、航空業界や気象予報で標準的に使われています。

多様な分野での活用シーン
barは、パスカル(Pa)を用いると桁数が大きくなりすぎるため、エンジニアリングの現場で重宝されています。以下に代表的な活用例を挙げます。
産業・自動車分野
自動車のタイヤ空気圧や、ターボチャージャーのブースト圧の表記に用いられます。また、油圧機械の定格圧力(例:産業用固定機械で300 barなど)や、船舶の冷却水配管システムの圧力測定にも不可欠な単位です。

海洋・ダイビング分野
海洋学では、水深の変化と圧力の変化がほぼ比例することを利用し、デシバール(dbar)が使われます。また、スキューバダイビングでは、標準的なタンクの満タン状態を200 barと表記したり、水深10メートルごとに約1 barの圧力が加算される計算で利用したりします。
科学・地質学分野
真空工学では、残留圧力をミリバールで表記することが一般的です。また、地質学や実験岩石学といった極限状態を扱う分野では、100 MPaに相当するキロバール(kbar)という大きな単位が使用されます。
圧力単位の変換一覧
barを基準とした主要な圧力単位への変換値をまとめました。計算の際の目安として活用してください。
| 変換先単位 | 換算値(1 barあたり) | 備考 |
|---|---|---|
| パスカル (Pa) | 100,000 Pa | SI導出単位 |
| キロパスカル (kPa) | 100 kPa | - |
| 標準大気圧 (atm) | 約 0.9869 atm | 1 atm ≒ 1.01325 bar |
| ポンド・平方インチ (psi) | 約 14.5038 psi | 米国などで一般的 |
| 水銀柱ミリメートル (mmHg/Torr) | 約 750.062 mmHg | - |
| 水柱センチメートル (cmH₂O) | 約 1,019.716 cmH₂O | 水深約10mに相当 |
絶対圧とゲージ圧の注意点
実務上の表記として、絶対圧(absolute pressure)とゲージ圧(gauge pressure)を区別する必要があります。絶対圧は完全な真空をゼロとした圧力で「bar(a)」や「bara」と表記され、ゲージ圧は周囲の大気圧をゼロとした相対的な圧力で「bar(g)」や「barg」と表記されます。
大気圧は場所や天候によって変動するため、これら2つは単純に互換させることができません。誤解を避けるため、「2-bar gauge(2バールのゲージ圧)」のように明確な記述が推奨されています。
Frequently Asked Questions
1 barは標準大気圧と同じですか?
厳密には異なります。標準大気圧(1 atm)は1.01325 barであり、1 barはそれよりもわずかに低い圧力です。1 barは、気温15℃において海抜約111メートルの地点における大気圧にほぼ相当します。
ミリバール(mbar)とヘクトパスカル(hPa)の違いは何ですか?
数値上の違いはありません。1 mbar = 1 hPa です。ミリバールは伝統的に気象学で使われてきた単位であり、ヘクトパスカルはSI単位系に基づいた表記です。現在は航空業界などでhPaが標準的に使われています。
なぜパスカルではなくbarが使われるのですか?
パスカル(Pa)は非常に小さい単位であるため、工業的な高圧環境を扱う際に数値が膨大になりすぎるからです。例えば「100 bar」をパスカルで表記すると「10,000,000 Pa」となり、視認性や管理上の利便性が低下するため、barが好まれます。
水深とbarの関係はどうなっていますか?
真水の場合、水深が約1.02メートル深くなるごとに圧力が1デシバール(0.1 bar)上昇します。概算として、水深10メートルごとに約1 barの圧力が加わると考えるのが一般的です。
References
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bar.... Some writers have used bar as equivalent to barye (1 dyne per square centimeter). ... barye.... Sometimes called bar or microbar.... microbar (abbr μb).... In British literature the term barye has been used.... Unfortunately, the bar was once used in acoustics to mean 1 dyne per square centimeter, but this is no longer correct.
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