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アメリカ考古学会(SAA)の活動と役割米州の歴史を紐解く専門家集団

🗓 2026年8月8日

アメリカ大陸の過去を科学的に解明し、その価値を次世代に伝えるために活動しているのがアメリカ考古学会(Society for American Archaeology, SAA)です。ワシントンD.C.に本部を置くこの組織は、考古学の専門家たちが集い、研究成果の共有や倫理的な資源管理を推進する重要なプラットフォームとなっています。

SAAの根幹にあるのは、体系的な調査を通じて人類の歩みを深く理解し、その知見を社会に還元するという使命感です。単なる研究者の集まりにとどまらず、教育の普及や考古学的資源の適切な管理(スチュワードシップ)など、公共の利益に資する活動を幅広く展開しています。

Key Facts

  • 設立:1932年1月1日(1934年に正式に組織化)
  • 拠点:アメリカ合衆国 ワシントンD.C.
  • 会員数:約7,500名(2019年時点)
  • 主要出版物:『American Antiquity』などの学術誌
  • 活動内容:年次大会の開催、学術誌の発行、専門教育の推進

学術的貢献と情報発信

SAAは、考古学における最新の知見を世界に発信するため、複数の権威ある学術誌を運営しています。代表的な『American Antiquity』をはじめ、『Latin American Antiquity』や『Advances in Archaeological Practice』を通じて、厳格な査読を経た研究論文を公開しています。

また、より幅広い層に向けた情報提供として、かつては『Bulletin of the Society for American Archaeology』や『SAA Bulletin』として知られていた雑誌『SAA Archaeological Record』を発行し、学会の動向や業界のニュースを伝えています。

伝統ある年次大会の歩み

1935年にマサチューセッツ州アンドーバーで開催された第1回大会以来、SAAは毎年、研究者が集う大規模な学術会議を主催しています。この大会は、北米のみならず中南米を含む広範な地域の研究成果が発表される重要な場です。

歴史の中で唯一、1943年の第8回大会だけは物理的な開催が見送られました。当時の戦時下における移動制限などの困難により、異例の「郵送形式」で運営されたことが記録に残っています。

2000年以降も、フィラデルフィア、ニューオーリンズ、デンバー、さらにはカナダのモントリオールやバンクーバー、プエルトリコのサンフアンなど、北米・中米の多様な都市で大会が開催されてきました。

2000年以降の主な年次大会開催地(一部抜粋)
回数 開催都市 開催時期
第65回 フィラデルフィア(ペンシルベニア州) 2000年4月
第69回 モントリオール(ケベック州) 2004年3-4月
第71回 サンフアン(プエルトリコ) 2006年4月
第73回 バンクーバー(ブリティッシュコロンビア州) 2008年3月
第78回 ホノルル(ハワイ州) 2013年4月

組織運営と直面した課題

SAAはクリストファー・ドール現会長をはじめ、ディーン・R・スノーのような著名な学者が歴代会長を務め、組織を牽引してきました。しかし、その運営において困難な局面もありました。

2019年4月にニューメキシコ州アルバカーキで開催された第84回年次大会では、深刻な論争が巻き起こりました。アラスカ大学アンカレッジ校(UAA)による調査で数十年にわたるセクシュアルハラスメントが認定され、大学から出入り禁止処分を受けていた元教授の出席が許されたためです。これにより、被害者が大会を早退せざるを得ない状況となりました。

また、この問題について問いかけた科学ジャーナリストのマイケル・バルター氏が主催者側から排除されたことも波紋を呼びました。この対応に対し、約2,000人の考古学者が抗議の公開書簡を送付し、メディア関係委員会の委員長であったクリスティーナ・キルグローブ氏が辞任する事態に発展しました。学会側は後に謝罪し、苦情を受けてから数時間以内に対応したと説明しています。

Frequently Asked Questions

SAAとはどのような組織ですか?

アメリカ大陸の考古学を専門とするプロフェッショナルな協会です。研究の促進、文化遺産の保護、教育の普及、そして知識の共有を通じて、人類の過去への理解を深めることを目的としています。

どのような出版物を発行していますか?

主要な学術誌として『American Antiquity』『Latin American Antiquity』『Advances in Archaeological Practice』を発行しているほか、会報誌である『SAA Archaeological Record』を出版しています。

年次大会は毎年開催されていますか?

はい、1935年の第1回以来、ほぼ毎年開催されています。唯一の例外は1943年で、第二次世界大戦による制限のため、郵送による形式で実施されました。

学会の会員数はどのくらいですか?

2019年のデータによれば、約7,500人の会員が在籍しています。

本部はどこにありますか?

アメリカ合衆国の首都であるワシントンD.C.に本部が置かれています。

References

  1. "About SAA". Society for American Archaeology. Retrieved April 15, 2019.
  2. "Board of Directors 2024". Society for American Archaeology. Retrieved January 12, 2025.
  3. "Dean Snow, Professor Emeritus of Anthropology". Penn States College of the Liberal Arts. Retrieved June 26, 2023.
  4. "Mission & Goals". Society for American Archaeology. Retrieved April 15, 2019.
  5. Society for American Archaeology (2008)
  6. "Program Archives". Society for American Archaeology. Retrieved January 12, 2025.
  7. "Annual Meeting". Society for American Archaeology. Retrieved April 15, 2019.
  8. Flaherty, Colleen (April 15, 2019). "Archaeology group faces backlash over how it handled known harasser's attendance at meeting". Inside Higher Ed. Retrieved April 15, 2019.
  9. Grens, Kerry (April 12, 2019). "An Archaeology Meeting Finds Itself in the Middle of #MeTooSTEM". The Scientist. Retrieved April 15, 2019.
  10. "Academics outraged by presence of ex-UAA anthropology professor at conference". KTVA. Retrieved April 15, 2019.