RIPE NCCとは?欧州・中東・中央アジアのインターネット資源を管理するRIRの役割
私たちが日々利用しているインターネットが世界中で正しく動作するためには、ネットワーク上の「住所」にあたるIPアドレスが重複なく適切に割り当てられている必要があります。この重要な管理を地域単位で担っているのがRIR(地域インターネットレジストリ)であり、その中でも欧州、中東、および中央アジアの一部を管轄しているのがRIPE NCC(Réseaux IP Européens Network Coordination Centre)です。
オランダのアムステルダムに本部を置くRIPE NCCは、非営利のメンバーシップ組織として、インターネットの基盤となる番号資源の公平な分配と登録を推進しています。
Key Facts
- 管轄地域: 欧州、中東、中央アジアの一部(120カ国以上のメンバーが在籍)
- 主な役割: IPv4/IPv6アドレスおよびAS番号(自律システム番号)の割り当てと管理
- 組織形態: 非営利のメンバーシップ組織(2024年末時点で約20,000メンバー)
- 設立: 1992年4月(オランダ・アムステルダム)
- IPv4の現状: 2019年11月に利用可能なプールが枯渇し、現在は回収分のみを待機リストに基づき割り当て
インターネット資源の管理とRIPE NCCの機能
インターネット上の通信を正確に行うには、パブリックIPアドレスが世界で唯一無二である必要があります。もし同じアドレスが複数の場所に存在すれば、データは誤った宛先に届いてしまいます。RIPE NCCは、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)から割り当てられたアドレスブロックを、LIR(ローカルインターネットレジストリ:主にISPなど)を通じてエンドユーザーへ適切に配布することで、この重複を防いでいます。
また、ネットワーク間の経路制御に不可欠なAS番号(Autonomous System Number)の管理も行っており、インターネットのルーティングインフラの安定性に寄与しています。

提供している主要な技術サービス
- RIPEデータベース: 誰がどのIPアドレスやAS番号を保持しているかを記録した公開データベース。
- RIPEルーティングレジストリ(RR): RPSL形式でルーティング情報を保持し、インターネットルーティングレジストリの一部として機能。
- K-rootの運用: 世界のルートネームサーバーの一つである「K-root」を運営。
- 統計データの提供: RIPE AtlasやRIPEstatを通じて、インターネットのパフォーマンスやアドレス空間に関する中立的な統計を公開。
組織の構造とコミュニティとの関係
混同されやすい点として、「RIPE」と「RIPE NCC」は異なる組織であることが挙げられます。RIPEは、インターネットの技術的発展に関心を持つあらゆる人が参加できるオープンなフォーラムです。対してRIPE NCCは、そのフォーラムの運営を事務的にサポートし、実際の資源管理を行う執行機関としての役割を担っています。
RIPE NCCのメンバーは、ISPや通信事業者だけでなく、政府機関、教育機関、大企業など多岐にわたります。これらのメンバーは年間の会費を支払うことで、資源の管理や技術的な調整を受けることができます。

IPv4アドレスの枯渇と次世代への移行
長年の課題であったIPv4アドレスの不足は深刻な段階に達しています。RIPE NCCは2019年11月25日、保有していた最後の/22ブロックを割り当てたことで、利用可能なIPv4アドレスプールが完全に枯渇したことを発表しました。
現在は、廃業した組織や不要になったネットワークから返却されたアドレスのみを、待機リストに登録しているメンバーへ割り当てる運用となっています。この状況を受け、RIPE NCCは次世代規格であるIPv6への移行を強く推進しています。
サービス提供地域と連携組織
RIPE NCCの管轄は広大であり、ヨーロッパ全域から中東、カザフスタンやウズベキスタンを含む中央アジアまでをカバーしています。かつてはアフリカ地域も管轄していましたが、現在はAFRINICの設立に伴い移管されています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 本部所在地 | オランダ・アムステルダム(ドバイに支店あり) |
| 管理資源 | IPv4, IPv6, AS番号 |
| 主な連携先 | ICANN, NRO (Number Resource Organization) |
| メンバー数 | 約20,000(2024年末時点) |
| 運営形態 | 非営利メンバーシップ組織 |
Frequently Asked Questions
RIPEとRIPE NCCの違いは何ですか?
RIPEはインターネットの技術開発を議論するオープンなフォーラムであり、RIPE NCCはそのフォーラムを事務的に支援し、実際にIPアドレスなどの番号資源を管理・運用する組織です。
IPv4アドレスが枯渇した今、どうやって新しいアドレスを入手しますか?
新規の大きなプールは存在しませんが、不要になって返却されたアドレスが待機リストに基づいて割り当てられます。そのため、RIPE NCCは恒久的な解決策としてIPv6の導入を推奨しています。
誰でもRIPE NCCのメンバーになれますか?
はい、個人または組織であれば誰でもメンバーになることが可能です。主にISP、通信会社、政府、教育機関などが加入しています。
RIPEデータベースで何を確認できますか?
割り当てられたIPアドレスやAS番号をどの組織や個人が保持しているか、いつ割り当てられたか、およびその連絡先などの登録詳細を確認できます。
RIPE NCCはどのような費用を徴収していますか?
メンバーから年間の会費を徴収しています。2012年以降、この会費は保有している資源の量に関わらず一律となっています。また、プロバイダー独立(Provider Independent)な資源に関連して別途料金が発生する場合があります。
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