国家インターネットレジストリ(NIR)の役割と現状
インターネットの基盤を支えるIPアドレスなどのリソース管理は、世界規模で厳格に運用されています。その仕組みの中で、特定の国や経済圏においてリソースの割り当てを調整する役割を担うのが国家インターネットレジストリ(NIR: National Internet Registry)です。NIRは、より広範な地域を管轄する地域インターネットレジストリ(RIR: Regional Internet Registry)の傘下で活動し、国内レベルでの効率的な管理を実現しています。
Key Facts
- NIRはRIRの下位組織として、国単位でIPアドレスなどのインターネットリソースを管理する。
- アジア太平洋地域(APNIC管轄)に多くのNIRが存在し、日本(JPNIC)もその一つである。
- 2013年にインドで設立されたNIRが、世界で最後となった。
- APNICは2024年に、新規のNIR設立を永久に認めない方針を決定した。
地域別のNIR運用状況
アジア太平洋地域(APNIC)
1993年にAPNICが設立された際、すでに一部のNIRが存在していたか、設立準備が進んでいました。1996年にはNIRが正式にAPNICのメンバーシップ構造に組み込まれ、新たなNIRの設立も認められるようになりました。一方で、AUNICやNZNICといった組織は活動を停止し、管理リソースをAPNICへ移管しています。
NIRの設立基準については、2002年12月1日にAPNICが新たな基準を提示しましたが、その後方針が転換されました。2012年2月12日に執行評議会(EC)によって新規申請の停止(モラトリアム)が決定され、さらに2024年2月にはこの停止措置を恒久的なものとすることが決まりました。これにより、今後新しいNIRが誕生することはありませんが、既存のNIRは引き続き運用が認められています。
ラテンアメリカ地域(LACNIC)
1999年にLACNICが発足する前から、NIC MexicoとNIC.brという2つのNIRが存在していました。これら2組織はLACNICの設立においても重要な役割を果たしましたが、その後LACNICによって新たにNIRが設立されることはありませんでした。
その他の地域
世界的に見て、アクティブなNIR構造を運用していたのはAPNICが唯一のRIRでした。
現在の主要なNIR一覧
現在、APNIC管轄地域で活動しているNIRは以下の通りです。
| 組織名(略称) | 正式名称・管轄 |
|---|---|
| JPNIC | 日本ネットワークインフォメーションセンター(日本) |
| CNNIC | 中国インターネットネットワーク情報センター(中国) |
| IRINN | インド・インターネット名番号レジストリ(インド) |
| KISA | 韓国インターネット・セキュリティ庁(韓国) |
| TWNIC | 台湾ネットワークインフォメーションセンター(台湾) |
| VNNIC | ベトナムインターネットネットワーク情報センター(ベトナム) |
| APJII | インドネシアネットワーク情報センター(インドネシア) |
Frequently Asked Questions
NIRとは具体的にどのような組織ですか?
地域インターネットレジストリ(RIR)の管轄下で、特定の国や経済単位においてIPアドレスなどのインターネットリソースの割り当てと管理を調整する組織です。
新しくNIRを設立することは可能ですか?
現在は不可能です。APNICは2012年に新規申請の停止を決定し、2024年にはその措置を恒久化しました。そのため、新たなNIRの設立は認められていません。
日本におけるNIRはどこが担当していますか?
日本ではJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)がその役割を担っています。
世界で最後に設立されたNIRはどこですか?
2013年にインドで設立されたIRINN(Indian Registry for Internet Names and Numbers)が最後となります。
ラテンアメリカ地域にはNIRが存在しますか?
はい。LACNIC発足前から存在していたNIC MexicoとNIC.brの2組織が活動しています。