レッドブル・エアレース世界選手権2015:ポール・ボノムが3度目の頂点へ
空のF1とも称されるレッドブル・エアレース世界選手権。その第10回大会となる2015年シーズンは、2月から10月にかけて世界7カ国・計8イベントで展開されました。超高速でエアゲートを潜り抜けるパイロットたちの極限の技と精神力がぶつかり合った、エキサイティングな一年を振り返ります。
主要ハイライト(Key Facts)
- 世界王者:イギリスのポール・ボノムが通算3度目のワールドタイトルを獲得。
- 激戦の展開:ボノムとマット・ホールの2名がシーズンを通して激しく競り合い、他を圧倒。
- 開催規模:世界7カ国で全8レースを実施。
- 若手の登竜門:次世代パイロットを育成する「チャレンジャーカップ」を継続的に実施。
- 機材の主流:マスタークラスではZivko Edge 540が圧倒的なシェアを占めた。
マスタークラス:頂点を争った宿命のライバル
2015年シーズンの主役は、なんといってもポール・ボノムとマット・ホールでした。ボノムは開幕戦のアブダビと、日本の千葉で開催された第2戦を連勝し、幸先の良いスタートを切りました。しかし、クロアチアのロヴィニではシーズンワーストの8位に沈み、ここでマット・ホールにポイントを追いつかれる展開となります。
その後、ハンネス・アーチがロヴィニとブダペストで連勝し、一時は波乱の展開となりましたが、最終的にはボノムとホールが勝利を分け合う形となりました。ボノムはアスコットとフォートワースで、ホールはレッドブル・リングとラスベガスでそれぞれ優勝。最終的にボノムがわずか5ポイント差でホールを抑え、3度目の世界王者に輝きました。3位には、ボノムに42ポイント差をつけられたハンネス・アーチがランクインしています。
マスタークラスの機材と参戦パイロット
多くのパイロットがZivko Edge 540(アクロバット飛行に特化した高性能機)を採用しましたが、マット・ホールやナイジェル・ラムはMX Aircraft MXSを駆使して挑みました。また、前年のチャレンジャークラスから昇格したフランソワ・ル・ヴォとフアン・ベラルデが、最高峰のマスタークラスに新たな風を吹き込みました。
| 項目 | マスタークラス優勝者 | チャレンジャーカップ優勝者 |
|---|---|---|
| パイロット名 | ポール・ボノム(英) | ミカエル・ブラジョ(仏) |
| 使用機材 | Zivko Edge 540 | Extra 330LX |
| 決定打 | 全8戦中4勝を記録 | ラスベガス決勝で0.035秒差の勝利 |
チャレンジャーカップ:次世代の育成
若手パイロットのスキルアップを目的としたチャレンジャーカップでは、公平性を期すため全パイロットが同一機材のExtra 330LXを使用しました。規定により、各パイロットはランキングポイントを蓄積するために最低5レースに出場することが求められました。
シーズン終盤のフォートワース戦までに上位6名に絞り込まれたパイロットたちは、ラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された「勝者独占」のファイナルレースへ招待されました。激戦の結果、ランキング首位だったフランスのミカエル・ブラジョが、ペーター・ポドルヌシェクにわずか0.035秒の差をつけて優勝し、タイトルを手にしました。
2015年レースカレンダーと結果
当初の計画から一部変更があり、ロシアのソチ戦が除外され、代わりにクロアチアのロヴィニ戦が復活しました。日本での開催地となった千葉・幕張では、ポール・ボノムが勝利を収めています。
- アブダビ(UAE):優勝 ポール・ボノム
- 千葉(日本):優勝 ポール・ボノム
- ロヴィニ(クロアチア):優勝 ハンネス・アーチ
- ブダペスト(ハンガリー):優勝 ハンネス・アーチ
- アスコット(イギリス):優勝 ポール・ボノム
- シュピールベルク(オーストリア):優勝 マット・ホール
- フォートワース(アメリカ):優勝 ポール・ボノム
- ラスベガス(アメリカ):優勝 マット・ホール
Frequently Asked Questions
2015年の世界チャンピオンは誰ですか?
イギリスのポール・ボノム選手です。全8戦のうち4つのレースで優勝し、マット・ホール選手に5ポイント差をつけて3度目の世界タイトルを獲得しました。
チャレンジャーカップとはどのような仕組みですか?
若手パイロットの育成を目的としたクラスです。全員が同じ機材(Extra 330LX)を使用し、シーズン中の成績上位6名がラスベガスでの最終決戦に進み、そこでの結果で優勝者が決定します。
日本でのレースはどこで開催されましたか?
千葉県の幕張で開催されました。このレースではポール・ボノム選手が優勝しています。
マスタークラスで使用されていた主な機体は何ですか?
多くのパイロットが「Zivko Edge 540」を使用していましたが、一部のパイロット(マット・ホールやナイジェル・ラムなど)は「MX Aircraft MXS」を使用して参戦していました。
チャレンジャーカップの優勝者は誰ですか?
フランスのミカエル・ブラジョ選手です。ラスベガスのファイナルレースで、2位のペーター・ポドルヌシェク選手に0.035秒差をつけて勝利しました。