AD&Dの世界に新たな可能性をもたらした『The Complete Psionics Handbook』は、精神エネルギーを操る専門職サイオニシスト(Psionicist)という新クラスを導入しました。このクラスは、従来の魔法とは異なるアプローチで超常的な力を振るい、戦術的な深みをゲームに提供します。
主要な事実(Key Facts)
- 能力の基盤: 知恵(Wisdom)と耐久力(Constitution)の能力値が重要となる。
- 制限事項: カオス(混沌)属性のキャラクターは、精神集中に必要な規律を欠くとされ、このクラスになれない。
- 能力の分類: 6つの専門分野(ディシプリン)に分かれ、「サイエンス(主要能力)」と「デヴォーション(補助能力)」の2種類が存在する。
- リソース管理: 精神的なエネルギー源としてPSP(サイオニック・ストレングス・ポイント)を消費する。
- 習得スキル: レベル上昇に伴い能力が増えるほか、コストなしで得られる「防御モード」も習得できる。
サイオニシストの特性と能力体系
サイオニシストはあらゆる種族が就けるクラスですが、人間はより高い専門レベルに到達できる特性を持っています。彼らが操る超能力は、その性質に応じて以下の6つの分野に分類されています。
- クレアセンティエンス(透視): 未来予知や遠隔視などの占術的な能力。
- サイコキネシス(念動力): 既存の物体や物理的な力を操作・制御する能力。
- サイコメタボリズム(精神代謝): 自らの肉体を変化・強化させる能力。
- サイコポーテーション(精神転送): テレポートなどの空間移動に関する能力。
- テレパシー(精神感応): 他者との精神的対話や、精神的な攻撃を行う能力。
- メタサイオニクス(超能力強化): 他のサイオニック能力を増幅・強化させる能力。
能力の発動とリソースの仕組み
能力の使用には、第2版ルールで採用された習熟システムを応用した判定が行われます。各能力には特定の属性に基づいた「パワー・スコア」が設定されており、プレイヤーは20面ダイス(1d20)を振り、その出目がパワー・スコア以下であれば成功となります。ただし、出目が「20」だった場合は、能力ごとに定められた特別なペナルティを受けることになります。
また、能力の行使には知恵スコアから算出されるPSP(サイオニック・ストレングス・ポイント)を消費します。まず必要なPSPを支払い、その後に判定を行います。判定に失敗した場合、消費したPSPの半分は失われますが、後で再挑戦することが可能です。成功した後は、追加のPSPを支払うことでその効果を次ラウンド以降も維持させることができます。
失ったPSPの回復は時間経過によって行われます。身体的な活動量が少ないほど回復効率が上がり、歩行中のキャラクターは1時間あたり3PSP、休息中のキャラクターはその2倍の量を回復します。
世界観への影響と拡張コンテンツ
本書では150種類以上の膨大な能力が紹介されているほか、精神世界での攻防を描く「サイキック戦闘」に特化した章が設けられています。また、思考を喰らう「ソート・イーター」や「セレブラル・パラサイト」といった、超能力を持つ特殊なモンスターも登場します。
さらに、超能力者が社会からどのように見なされるかという社会的反応や、TSR社が展開する様々なキャンペーン設定においてサイオニクスがどのような役割を果たすかについても詳しく解説されています。
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 重要能力値 | 知恵(Wisdom)、耐久力(Constitution) |
| 能力の種類 | サイエンス(主要)、デヴォーション(補助) |
| 判定方法 | 1d20 ≦ パワー・スコア(20は失敗・ペナルティ) |
| リソース | PSP(サイオニック・ストレングス・ポイント) |
| 回復条件 | 1時間ごとの休息(活動量に応じて変動) |
Frequently Asked Questions
カオス属性のキャラクターがサイオニシストになれないのはなぜですか?
サイオニクスを習得するには高度な精神集中と規律が必要ですが、カオス(混沌)属性のキャラクターは気質が不安定であり、そのような集中力を維持することが困難であると考えられているためです。
PSPの回復速度を上げる方法はありますか?
身体的な活動を控えることで回復量が増えます。具体的には、歩いている時よりも、完全に休息している時の方が2倍速くPSPを回復させることができます。
「防御モード」とはどのような能力ですか?
サイオニシストがランクを上げることで習得できる特殊なテレパシー能力です。通常の能力習得枠を消費せず、無料で獲得できるのが特徴です。
能力判定に失敗した場合、消費したPSPはどうなりますか?
能力の発動に失敗しても、消費したPSPのすべてを失うわけではありません。半分は失われますが、残りの半分は保持され、後で再び挑戦することが可能です。
サイオニクスにはどのような種類の能力がありますか?
大きく分けて、予知(クレアセンティエンス)、念動力(サイコキネシス)、肉体変化(サイコメタボリズム)、転送(サイコポーテーション)、精神感応(テレパシー)、能力強化(メタサイオニクス)の6つの分野が存在します。