ジューシーな果肉と鮮やかな色彩が特徴のプラム(すもも)は、古くから人類に親しまれてきた果実の一つです。新鮮なまま食べるだけでなく、乾燥させてプルーンにしたり、ジャムやワイン、ブランデーなどの加工品にしたりと、その用途は多岐にわたります。本記事では、プラムの起源から世界的な生産状況、そして多様な品種について詳しく解説します。
Key Facts
- 起源: 東欧、コーカサス山脈、および中国が原産とされる。
- 主要生産国: 2023年時点で中国が世界生産量の55%を占める。
- 分類: 核果( drupe)に分類され、中心に硬い種子を持つ。
- 注意点: 種子にはアミグダリンという毒性物質が含まれている。
- 主な用途: 生食、乾燥(プルーン)、醸造(ワイン・ブランデー)。
プラムの歴史と名前の由来
プラムは、人類が最初期に栽培化した果物の一つと考えられています。新石器時代の遺跡からは、オリーブやブドウ、イチジクと共にプラムの痕跡が見つかっており、イランが起源であるという説もあります。アジアからイギリスへ伝わり、12世紀にはスペイン南部のアンダルシア地方で栽培されていた記録が残っています。
英語の「plum」という言葉は、古英語の「plūme」に由来し、さらに遡るとラテン語の「prūnum」や古代ギリシャ語の「proûmnon」へと繋がります。18世紀後半には、その味わいの良さから「心地よいもの」や「甘いもの」を指す比喩的な表現としても使われるようになりました。
植物学的特徴と栽培
プラムの木は中型の樹木で、剪定を行うことで通常5〜6メートルほどの高さに維持されます。剪定しない場合は最大12メートルまで成長することがあります。開花時期は地域によって異なり、台湾では1月頃、イギリスでは4月上旬に見られます。

果実は直径2〜7センチメートルほどで、球形から楕円形をしています。表面は滑らかで天然のワックス層に覆われており、内部にはジューシーな果肉と、種子を包む硬い核が存在します。

栽培においては天候が重要です。乾燥しすぎると未熟な状態で落果し、逆に雨が多すぎたり収穫が遅れたりすると、「褐色腐敗病」という菌類による病気が発生し、食用に適さなくなることがあります。
多様な品種と世界的な利用
商業的に重要なプラムは、大きく分けて「日本・中国系」と「ヨーロッパ系」に分類されます。
日本・中国系プラム(Prunus salicinaなど)
果実が大きくジューシーで保存性が高いため、生食市場で主流となっています。主に中国原産の種やその交配種であり、アメリカで開発された品種の多くもこれらに基づいています。

ヨーロッパ系プラム(Prunus domestica)
ヨーロッパで広く栽培されており、用途に応じてデザート用と調理用に分かれます。代表的なものに、酸味のあるダムソン、乾燥させてプルーンにする品種、緑色のグリーゲージ、フランス北東部で盛んなミラベルなどがあります。

その他の地域的な利用
バルカン半島ではプラムから「スリボヴィッツ」というブランデーが造られ、ルーマニアでは生産量の約80%が「ツイカ」という蒸留酒に利用されています。また、アジアでは塩漬けにしたプラムが好まれ、日本では「梅干し」が有名ですが、梅(Ume)は植物学的にはプラムよりもアプリコットに近い種とされています。
栄養成分と生産量
プラムは水分が多く、低カロリーでヘルシーな果実です。特にビタミンCを適度に含んでおり、健康的な食事に取り入れやすい食材です。
| 項目 | 含有量 |
|---|---|
| エネルギー | 46 kcal |
| 炭水化物 | 11.42 g |
| 糖類 | 9.92 g |
| 食物繊維 | 1.4 g |
| タンパク質 | 0.7 g |
| ビタミンC | 9.5 mg (DV 11%) |
| 水分 | 87 g |
世界的な生産量では、中国が圧倒的なシェアを誇っており、次いでルーマニア、チリ、セルビアなどが主要な生産国となっています。
Frequently Asked Questions
プルーンとプラムの違いは何ですか?
プルーンとは、特定のプラムの品種を乾燥させたもののことです。すべてのプラムがプルーンになるわけではなく、主にヨーロッパ系の特定の品種が乾燥に適しています。
プラムの種は食べても大丈夫ですか?
いいえ、避けてください。プラムの種(核)の中にある仁には、アミグダリンというシアン系配糖体が含まれており、これは体内で毒性に変わる可能性があるため危険です。
日本で売られているプラムはどの種類が多いですか?
生食用の市場では、果実が大きくジューシーな日本・中国系プラム(Prunus salicinaなど)が主流となっています。
プラムの保存で注意することはありますか?
熟しすぎたり、収穫後に水分が多すぎたりすると、褐色腐敗病などのカビが発生しやすくなります。早めに消費するか、適切な温度管理で保存することが推奨されます。
プラムからお酒が造られるというのは本当ですか?
はい。プラムを発酵させてワインにしたり、蒸留してブランデーにしたりすることが世界各地で行われています。特に東欧のバルカン半島では伝統的な蒸留酒として親しまれています。
References
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