鮮やかな赤色と甘酸っぱい味わいで人気のサクランボは、バラ科サクラ属(Prunus)に分類される植物の果実です。植物学的には「核果(かくか)」と呼ばれる、中心に硬い種を持つ果実の一種です。食用として親しまれているだけでなく、観賞用の花や高級家具に用いられる木材としても高い価値を持っています。

Key Facts
- 主要な2系統: 甘みの強い「スイートチェリー」と、酸味のある「サワーチェリー」に大別される。
- 世界的な生産: トルコが世界最大の生産量を誇り、次いで米国やチリなどが主要な産地となっている。
- 栄養の特徴: ビタミンCやカリウムを含み、特にサワーチェリーはビタミンAが豊富。
- 注意点: 種の中にはアミグダリンという成分が含まれており、大量に摂取すると有害なシアン化水素を放出する。
サクランボの植物学的分類
サクランボとして呼ばれる植物は多岐にわたり、大きく分けて「真のサクランボ」「低木性のサクランボ」「鳥桜(とりざくら)や月桂桜(げっけいざくら)などの総状花序を持つ種」に分類されます。
真のサクランボと低木種
商業的に最も重要なのは、スイートチェリー(Prunus avium)とサワーチェリー(Prunus cerasus)です。また、日本のソメイヨシノ(Prunus yedoensis)やヤマザクラ(Prunus jamasakura)などもこの属に含まれます。一方で、ナンキンチェリー(Prunus tomentosa)のように、葉腋に3つの冬芽を持つ低木状の種も存在します。



その他の近縁種
Prunus subg. Padusに属するグループには、黒チェリー(Prunus serotina)や、常緑の月桂桜(Prunus laurocerasus)などが含まれます。これらは花が総状に咲くのが特徴です。


歴史と語源
「チェリー(Cherry)」という言葉は、ラテン語の「cerasum」に由来し、さらに遡るとトルコ・ギレスン近郊の古代ギリシャの地域「ケラソウス(Kerasous)」の名から来ていると言われています。ここからヨーロッパへ輸出されたことが始まりと考えられています。

歴史を辿ると、紀元前72年にはルキウス・リキニウス・ルクルスによってアナトリア北東部からローマへ持ち込まれた記録があります。北米への伝播は1606年頃、現在のノバスコシア州にあるニューフランス植民地ポートロイヤルを通じて行われたとされています。

栽培と生産のメカニズム
サクランボの栽培には、適切な台木の選択が重要です。MazzardやMahalebのほか、樹高を2.5〜3メートルに抑える矮性台木のGiselaシリーズなどが利用されます。植樹から初収穫まで3〜4年、完全に成熟するまでには約7年を要します。

気候条件と収穫期
温帯地域で広く栽培されますが、多くの品種は休眠打破のために「低温要求時間」を必要とします。例えば、多くの品種は7℃以下で800時間以上の低温にさらされる必要がありますが、米国南部などの温暖な地域向けに、300時間以下で済む「低低温要求品種(Minnie Royalなど)」も開発されています。
収穫は北半球では主に夏季に行われます。北米や南欧では6月、イギリスでは7月中旬、カナダのブリティッシュコロンビア州では6月から8月中旬までと地域によって異なります。



病害虫のリスク
栽培上の課題として、アブラムシ(Myzus cerasi)による葉の巻き上がりや、サクランボミバエによる果実への産卵が挙げられます。また、細菌性潰瘍病や褐変病、根腐れなどの病気にも注意が必要です。

世界的な生産状況
2020年の統計によると、スイートチェリーの世界生産量は約261万トンで、トルコが全体の28%を占める最大生産国です。サワーチェリーは約148万トン生産されており、ロシア、トルコ、ウクライナ、セルビアが主要な産地となっています。
| チェリーの種類 | 1位 | 2位 | 3位 | 世界総生産量 |
|---|---|---|---|---|
| スイートチェリー | トルコ | 米国 | チリ | 約261万トン |
| サワーチェリー | ロシア | トルコ | ウクライナ | 約148万トン |


栄養価と健康への影響
サクランボの主成分は約82〜86%が水分で、残りの多くを炭水化物が占めています。スイートチェリーとサワーチェリーでは栄養組成に若干の違いがあります。
- スイートチェリー: ビタミンCや食物繊維を適度に含みます。
- サワーチェリー: スイートチェリーと比較して、ビタミンCが約1.5倍、ビタミンA(特にベータカロテン)が約20倍と非常に豊富です。
ただし、種子(核)の摂取には注意が必要です。種の中にあるアミグダリンは、噛み砕いて摂取すると毒性の強いシアン化水素に変化します。種を丸ごと飲み込んだ場合は通常問題ありませんが、砕いて大量に摂取することは危険です。
その他の利用方法
果実以外にも、サクランボの木は産業的に利用されています。特に黒チェリーなどの木材は、色が豊かで木目が真っ直ぐであるため、デスクやテーブル、椅子などの高級家具の材料として高く評価されています。

Frequently Asked Questions
スイートチェリーとサワーチェリーの違いは何ですか?
主な違いは味と栄養価です。スイートチェリーはそのまま食べる生食に適した甘みがありますが、サワーチェリーは強い酸味があり、加工品に向いています。また、サワーチェリーの方がビタミンAやCの含有量が高い傾向にあります。
サクランボの種を食べても大丈夫ですか?
種を丸ごと飲み込んだ場合は、消化されずに排出されるため通常は問題ありません。しかし、種を噛み砕いて食べると、内部のアミグダリンがシアン化水素という毒物質に変わるため、大量に摂取しないよう注意してください。
サクランボの木が実をつけるまでどのくらいかかりますか?
一般的に、果樹園に植えてから最初の収穫までには3〜4年かかります。その後、樹木が完全に成熟し、最大限の収穫量を得られるようになるまでには約7年を要します。
栽培において「低温要求時間」とは何ですか?
多くのサクランボ品種が冬の休眠から目覚め、花を咲かせて実をつけるために必要な、一定温度(通常7℃以下)にさらされる時間のことです。この条件を満たさないと、正常に開花・結実しません。
世界で最もサクランボを生産している国はどこですか?
スイートチェリー、サワーチェリー共にトルコが非常に高い生産量を誇っています。特にスイートチェリーにおいては、世界生産量の約28%をトルコ一国で供給しています。
References
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The curious (1626–1697) noted in his memoranda: Cherries were first brought into Kent tempore H. viii, who being in Flanders, and likeing the Cherries, ordered his Gardener, brought them hence, and propagated them in England.
{{}}: ISBN / Date incompatibility () - "All the cherry gardens and orchards of Kent are said to have been stocked with the Flemish cherry from a plantation of 105 acres in Teynham, made with foreign cherries, pippins [ pippin apples ], and golden rennets [goldreinette apples], done by the of Henry VIII." ("A View of the Parish". Teynham Parish. Archived from the original on 2008-09-22.)
- "Sittingbourne and Milton Urban District Council". Archived from the original on 2015-01-19. with the crest of a "cherry tree fructed proper" and motto "known by their fruits" were only granted on July 28, 1949, however.
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