夜空に輝く惑星を望遠鏡で観察すると、月のように形が変化して見えることがあります。この現象を惑星の位相と呼びます。位相とは、ある観測地点から見たときに、太陽光を反射して光って見える惑星の表面部分のこと、およびその状態が続く期間を指します。
この見え方を決定づけるのが「位相角」です。位相角とは、太陽、観測者(地球)、そして対象となる惑星の3点がなす角度のことを言います。この角度によって、私たちに届く反射光の範囲が変わり、満ち欠けが生じます。
Key Facts
- 惑星の位相は、太陽・地球・惑星の相対的な位置関係(位相角)で決まる。
- 水星や金星などの内惑星は、月と同様に「新」から「満」まであらゆる位相を示す。
- 火星や木星などの外惑星は、位相角が小さいため、ほぼ常に満に近い状態で観測される。
- 内惑星が太陽と地球の間を通過する際、太陽面を横切る「太陽面通過(トランジット)」が起こることがある。
内惑星に見られるダイナミックな変化
地球よりも内側を公転している内惑星(水星と金星)は、観測位置によってその姿を劇的に変えます。これらは月と同じように、三日月形から満月形まで、あらゆる段階の位相を辿ります。
内惑星が太陽の向こう側にある「上合(じょうごう)」の状態では、地球から見て太陽光を正面に受けるため、満の状態になります。内惑星の公転面は地球の公転面と完全に一致していないため、太陽のわずかに上か下を通ることが多く、理論上は観測可能です。ただし、地球の大気による太陽光の散乱があるため、地上からの観測は困難であり、宇宙空間で直射日光を遮った状態で見るのが最も容易です。
一方で、惑星が太陽と地球の間に入り込む「下合(かごう)」の状態になると、太陽の裏側が地球を向くため、位相は「新」となります。この際、惑星が太陽の円盤を横切る現象が発生することがあり、これをトランジットと呼びます。また、これらの極端な位置の間では、三日月形や凸形(ギブス)など、多様な形状で観測されます。

外惑星の位相とその制限
地球の外側を公転する外惑星の場合、内惑星のような劇的な満ち欠けは見られません。これは、地球から見たときの最大位相角が90度よりも小さいためです。
例えば火星は、最大で45度の位相角を持つため、時折はっきりとした凸形に見えることがあります。しかし、さらに遠方の木星(最大11.1度)や土星(最大6度)になると、位相角が極めて小さくなるため、地球からはほぼ常に満の状態に見えます。
惑星の位相まとめ
| 惑星の分類 | 該当惑星 | 位相の変化範囲 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 内惑星 | 水星、金星 | 全範囲(新〜満) | 月のように劇的に変化し、トランジットも発生する |
| 外惑星(近接) | 火星 | 限定的(ほぼ満〜凸形) | 最大位相角が45度であり、凸形が顕著に現れる |
| 外惑星(遠方) | 木星、土星 | 極めて限定的(ほぼ満) | 位相角が非常に小さく、常に満に近い |
Frequently Asked Questions
なぜ外惑星は「新」にならないのですか?
外惑星は地球よりも外側を公転しているため、太陽と地球の間に位置することがありません。そのため、太陽の光を受けていない面が地球を向く「新」の状態になることは物理的に不可能です。
内惑星が「満」のとき、太陽に隠れて見えないのでは?
内惑星の公転軌道は地球の軌道面からわずかに傾いています。そのため、太陽の真後ろではなく、少し上下にずれて位置することが多く、条件が揃えば観測することが可能です。
「トランジット」とはどのような現象ですか?
内惑星が太陽と地球のちょうど中間を通過し、地球から見て太陽の円盤を黒い点として横切る現象のことです。
位相角とは具体的に何を指しますか?
太陽、観測している惑星、そして地球の3つの天体が形成する角度のことです。この角度によって、惑星のどの部分が照らされ、どの部分が影になるかが決まります。
References
- Talcott, Richard. "Do the Outer Planets have Phases". astronomy.com. Retrieved 17 October 2023.