A thin section of a volcanic sand grain seen under the microscope, with plane-polarized light in the upper picture, and cross-polarized light in the lower picture. Scale box is 0.25 mm.
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岩石学の基礎地球を構成する物質の成り立ちと分類

🗓 2026年8月9日

私たちが足元にしている地面や、そびえ立つ山々を形作る「岩石」。それらがどのように生まれ、どのような成分で構成され、どのような環境で変化したのかを科学的に解明するのが岩石学(Petrology)です。岩石学は地質学の主要な一分野であり、単に岩石の種類を分けるだけでなく、その内部構造や化学組成を通じて、地球内部で起きたダイナミックな現象を読み解く学問です。

Key Facts

  • 岩石学は、岩石の鉱物組成、組織、構造、および生成条件を研究する地質学の分野である。
  • 主な分類として、火成岩堆積岩、変成岩の3つの専門領域に分かれている。
  • 肉眼的な観察を行う「岩相学」と、顕微鏡レベルで詳細に分析する「岩石記載学」がある。
  • 実験岩石学を用いることで、地表では採取困難な下部地殻やマントルの状態を再現・研究できる。

岩石学のアプローチと手法

岩石の正体を突き止めるために、岩石学では複数の科学的アプローチを組み合わせて使用します。まず、鉱物学や岩石記載学(Petrography)を用いて、岩石を構成する鉱物の種類や、それらがどのように組み合わさっているかという「組織」を分析します。特に光学鉱物学に基づいた顕微鏡観察は、岩石の履歴を知る上で不可欠な手法です。

A thin section of a volcanic sand grain seen under the microscope, with plane-polarized light in the upper picture, and cross-polarized light in the lower picture. Scale box is 0.25 mm.

さらに、地球化学的なトレンドやサイクルを解析する地球化学や、熱力学的なデータを用いる地球物理学の知見も取り入れられます。これにより、岩石がどのような温度・圧力条件下で形成されたのかという起源を論理的に導き出すことが可能になります。

また、歴史的に「岩相学(Lithology)」と「岩石記載学」は似た意味で使われてきましたが、現代では明確に使い分けられています。岩相学が露頭やハンドサンプルなどのマクロな視点での記述に重点を置くのに対し、岩石記載学は顕微鏡を用いたミクロな詳細分析を専門とします。

Ljudmila Dolar Mantuani (1906–1988), first female professor of petrography in Yugoslavia

岩石学の主要な3つの分類

岩石学は、対象となる岩石の生成プロセスに応じて、大きく3つの分野に分かれています。

火成岩岩石学

マグマや溶岩などの溶融した岩石が冷却・固化してできる火成岩を研究します。地表付近で急冷された火山岩や、地下深くでゆっくりと冷え固まった深成岩(花崗岩や玄武岩など)が含まれます。この分野では、化学組成や相図(物質の状態変化を示す図)を用いた分析が重視されます。

堆積岩岩石学

既存の岩石が風化・浸食されてできた粒子や、生物遺骸、化学的な沈殿物が積み重なって形成される堆積岩を扱います。砂岩、頁岩、石灰岩などが代表例です。堆積岩の研究は、地層の重なりを研究する層序学と密接に関連しており、堆積プロセスや当時の環境を復元することに主眼が置かれます。

変成岩岩石学

既存の岩石(原岩)が、地殻変動などによる激しい熱や圧力にさらされ、化学的・鉱物学的な変化を起こして別の岩石に変わる変成作用を研究します。粘板岩、大理石、片麻岩、結晶片岩などがこれに当たり、どのような条件下で変成したかを探ります。

極限状態を再現する実験岩石学

自然界では直接観察することが難しい地球深部の状況を解明するため、「実験岩石学」という手法が用いられます。これは、高温高圧装置を用いて人工的に極限環境を作り出し、天然または合成試料の相関係や地球化学的挙動を調査するものです。

特に、地表まで運ばれる間に変質してしまうことが多い下部地殻や上部マントルの岩石、さらには地球の下部マントルや月、他の地球型惑星の内部構造を理解する上で、この実験的アプローチは現代の岩石学における不可欠な基盤となっています。

岩石学の概要まとめ

岩石学の主要分野と特徴
分野 対象となる岩石 主な生成要因 関連する学問・手法
火成岩岩石学 火山岩、深成岩 マグマの冷却・結晶化 化学分析、相図
堆積岩岩石学 砂岩、石灰岩、頁岩 堆積、固結(続成作用) 層序学、化学分析
変成岩岩石学 大理石、片麻岩、結晶片岩 高温・高圧による変質 熱力学、鉱物学
実験岩石学 全般(特に深部岩石) 人工的な高温高圧環境 地球物理学、地球化学

Frequently Asked Questions

岩石学と岩相学の違いは何ですか?

岩相学(Lithology)は、主に肉眼で観察できる露頭やサンプルの特徴を記述するマクロな視点の研究です。一方、岩石記載学(Petrography)は、顕微鏡を用いて鉱物の配列や組織などのミクロな詳細を分析する専門分野を指します。

なぜ火成岩と変成岩は一緒に学ばれることが多いのですか?

どちらの分野も、岩石の生成過程を理解するために化学的な分析手法や、温度・圧力による物質の状態変化を示す「相図」を多用するため、学習内容に共通点が多いからです。

泥ロギング(Mud Logging)とは何ですか?

石油産業などで用いられる手法で、掘削中に地表に回収される岩屑(カッティングス)を顕微鏡で観察し、化学テストを行うことで、掘削している地層の岩相をグラフィカルに記録することを指します。

実験岩石学はどのように役立つのですか?

地球の深い場所にある岩石は、地表に届くまでに元の状態を失うことが多いため、直接観察が困難です。実験室で高温高圧を再現することで、マントルや他惑星の内部で何が起きているかを科学的に推測できるようになります。

原岩(Protolith)とは何のことですか?

変成岩になる前の、もともとの岩石のことです。火成岩、堆積岩、あるいは別の変成岩など、あらゆる種類の岩石が原岩となり得ます。

References

  1. The 22nd edition of the Manual of mineral science. Buch. New York: Wiley. 2002. p. 1.  .
  2. Blatt, Harvey; Tracy, Robert J.; Owens, Brent E. (2006). Petrology: igneous, sedimentary and metamorphic (3rd ed.). New York: Freeman.  .
  3. Frost, B. R.; Frost, C. D. (2014). Essentials of Igneous and Metamorphic Petrology. .
  4. Winter, John D. (2010). Principles of igneous and metamorphic petrology (2nd ed.). New York: Prentice Hall. pp. 467–468.  .

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A thin section of a volcanic sand grain seen under the microscope, with plane-polarized light in the upper picture, and cross-polarized light in the lower picture. Scale box is 0.25 mm.
Ljudmila Dolar Mantuani (1906–1988), first female professor of petrography in Yugoslavia