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NESIS北東部降雪影響尺度降雪量気象指標米国北東部

NESIS(北東部降雪影響尺度)とは?米国の豪雪被害を数値化する指標

🗓 2026年8月9日

ハリケーンの強度を測るサフィア・シンプソン尺度や、竜巻の被害を分類する拡張富士川尺度のように、米国の北東部における雪嵐の衝撃を客観的に評価するシステムがあります。それがNESIS(Northeast Snowfall Impact Scale:北東部降雪影響尺度)です。この尺度は、単なる積雪量だけでなく、人口密集地への影響を重視して設計されているのが特徴です。

Key Facts

  • 開発者:ウェザーチャンネルのポール・コシン氏と国立気象局のルイス・ウッチェリーニ氏によって考案されました。
  • 評価基準:降雪量、影響範囲、およびその地域に居住する人口の3つの変数を用いて算出されます。
  • 目的:経済的損失や交通網への影響を測定し、過去の嵐の再評価や空港の遅延回復時間の予測に活用されます。
  • 最高ランク:カテゴリー5(極端な嵐)に分類されるのは、歴史上わずか3例のみです。

NESISの仕組みとカテゴリー分類

NESISは、降雪の規模と人口密度を掛け合わせることで、その嵐が社会に与えた「衝撃」を数値化します。米国北東部は人口が非常に多いため、他の地域では軽微とされる降雪量であっても、都市部を直撃すれば甚大な影響が出ます。そのため、人口統計が計算の重要な要素となっています。

算出された数値に基づき、嵐は以下の5つのカテゴリーに分類されます。

NESISカテゴリーと定義
カテゴリー NESIS値 呼称(日本語訳)
1 1.0 ~ 2.499 Notable(注目すべき)
2 2.5 ~ 3.99 Significant(重要な)
3 4.0 ~ 5.99 Major(主要な)
4 6.0 ~ 9.99 Crippling(壊滅的な)
5 10.0 以上 Extreme(極端な)

この指標において最高値となるのは、広大なエリアにわたって大雪が降り、かつ大都市圏を巻き込んだ場合です。具体的にカテゴリー5に認定されたのは、「1993年の世紀の嵐」、「1996年の北米ブリザード」、「2016年1月の米国ブリザード」の3回だけです。

A series of charts, accompanied by a map, used to describe an equation

具体例で見る影響度の違い

ワシントンD.C.からボストンまでのエリアを例に挙げると、カテゴリー1(注目すべき)の場合は4〜10インチ程度の降雪となります。一方、カテゴリー2になると、中大西洋沿岸で10インチを超える雪が降り、より多くの人々が影響を受けます。さらにカテゴリー3に達すると、10〜20インチの降雪が数百万人の生活に影響を及ぼす規模となります。

NESISがカバーしていない限界点

NESISは非常に有用な指標ですが、あくまで「積雪量」と「人口」に特化した尺度であるため、冬の嵐に伴うあらゆる危険性を網羅しているわけではありません。以下の要素は計算に含まれていません。

  • 視界不良:猛吹雪(ブリザード)による視界の悪化や雪煙。
  • 強風と低温:暴風による設備破壊や、危険な風冷指数による凍傷のリスク。
  • 雨氷とみぞれ:路面を氷で覆うフリージングレインや、除去が困難で路面を滑りやすくさせるみぞれ(スリート)。
  • 雷雪:雷を伴う降雪(サンダースノー)による小粒の雹や、激しい突風。
  • 高潮:強風によって引き起こされる沿岸部や湖畔での波浪および高潮被害。

例えば、積雪量と人口だけを見ればカテゴリー2であっても、時速70マイル(約112km/h)を超える暴風が吹き荒れ、数メートルの吹きだまりが発生すれば、地域は数日間にわたって麻痺します。また、NESISは地域全体の総体的な影響を測るため、特定の局所的な状況を説明するのには向いていません。

Frequently Asked Questions

NESISは天気予報として使われるのですか?

いいえ。ハリケーンの予測とは異なり、NESISは主に発生した嵐を事後的に再評価し、その影響力を測定するために使用されます。

なぜ人口が計算に入れられているのですか?

米国北東部は人口密度が非常に高いため、同じ降雪量であっても、人口が少ない地域より交通や経済への打撃が格段に大きくなるからです。

カテゴリー5に分類される嵐はどのくらい珍しいですか?

極めて稀です。記録に残っている中で、NESIS値が10を超えてカテゴリー5となったのは、1993年、1996年、2016年の3回のみです。

みぞれ(スリート)はNESISでどう評価されますか?

NESISは純粋な積雪量に基づいているため、みぞれによる路面の滑りやすさや除雪の困難さといった物理的な危険性は数値に反映されません。

この尺度は米国の全地域で使われていますか?

いいえ。名称の通り、人口密度の高い米国北東部という特定の地域における影響を測定するために開発されたシステムです。

References

  1. Kocin, Jaul J.; Uccellini, Louis W. (2004). "A snowfall impact scale derived from Northeast storm snowfall distributions". Bulletin of the American Meteorological Society. 85 (2): 177–194. :10.1175/BAMS-85-2-Kocin.
  2. "The Northeast Snowfall Impact Scale (NESIS)". Archived from the original on 2009-12-10. Retrieved 2010-05-01.
  3. http://www.ncdc.noaa.gov/snow-and-ice/nesis.phpref []