"Audubon House", the former headquarters of the National Audubon Society at 700 Broadway in Manhattan, New York City
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ナショナル・オーデュボン協会北米の鳥類保護と環境保全の歩み

🗓 2026年8月14日

北米における野生動物保護の象徴ともいえるナショナル・オーデュボン協会は、1905年の設立以来、鳥類をはじめとする多様な生物と健全な生態系の維持に尽力してきた非営利団体です。単なる愛鳥家の集まりから始まり、今では気候変動や化学物質による環境汚染といった地球規模の課題に取り組む強力な環境保護組織へと進化を遂げました。

Key Facts

  • 設立: 1905年1月5日(120年以上の歴史を持つ)
  • 目的: 鳥類、野生動物、および健全な生態系の保全
  • 主要活動: 自然保護区の管理、環境法案へのロビー活動、教育的なフィールドガイドの出版
  • 影響力: DDTの禁止や、渡り鳥条約などの重要な環境法制化に寄与
  • 現状: 全米に約500の支部と41のネイチャーセンターを展開

鳥類保護の原点と組織の形成

オーデュボン協会のルーツは、19世紀末の鳥類保護への切実な願いにあります。1890年にシカゴで始まった初期の試みや、ジョージ・グリネルによる活動を経て、1895年にはマサチューセッツ州で現代に続く組織の基礎が築かれました。特に、当時のファッション業界で流行していた鳥の羽飾り(プルーム)を求める乱獲に対し、ハリエット・ヘメンウェイやミナ・B・ホールら女性たちが主導したボイコット運動は、社会的な意識改革を促す大きな転換点となりました。

こうした草の根の動きは、1902年の全国委員会組織化を経て、1905年に「野生鳥類および動物保護のためのナショナル・オーデュボン協会」として正式に結成されました。初期の活動は、市場での鳥の販売禁止や、ゲームウォーデン(狩猟監視員)の配置といった法的な保護体制の構築に重点が置かれました。

"Audubon House", the former headquarters of the National Audubon Society at 700 Broadway in Manhattan, New York City

自然保護区の拡大と教育への取り組み

協会は法整備だけでなく、物理的な生息地の確保にも注力しました。1920年代には、米国政府に対し「国立野生生物保護区システム」への重要地域の組み込みを働きかけ、自らも土地の購入や寄付を通じて保護区を拡大しました。例えば、ニューヨーク州のセオドア・ルーズベルト聖域や、ルイジアナ州のポール・J・レイニー野生生物保護区(約26,000エーカーに及ぶ最大規模の保護区)などがその成果です。

Theodore Roosevelt Sanctuary and Audubon Center, Oyster Bay, New York

また、一般市民の自然への関心を高めるため、1934年からは写真を用いた詳細なフィールドガイド(野外観察図鑑)の出版を開始しました。このシリーズは累計1,800万部を突破する大ベストセラーとなり、現在はスマートフォンアプリとしても展開され、鳥類のみならず植物や鉱物など幅広い自然科学の普及に貢献しています。

Los Angeles Audubon Society members studying the marsh wren in the Dominguez Slough, 1918

環境問題への挑戦:DDTから気候変動まで

第二次世界大戦後、協会は化学物質による環境汚染という新たな脅威に直面しました。特に殺虫剤DDTによる被害に対し、会員であったレイチェル・カーソンが著書『沈黙の春』で警鐘を鳴らしたことで、全米規模の反対運動が激化しました。協会は法的闘争のための基金を設立し、結果としてDDTの規制や、大気浄化法、水質浄化法、絶滅危惧種法などの重要な環境法の成立を後押ししました。

Audubon Center at Bent of the River, Southbury, Connecticut

活動の幅は地球規模へも広がり、1980年代には国際捕鯨委員会への働きかけを通じて、世界的な商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)の実現に寄与しました。現代では、2014年に発表した報告書で、気候変動により北米の鳥類588種のうち314種が、今世紀中に生息域の半分を失う可能性があると警告するなど、地球温暖化対策を最優先課題の一つに掲げています。

組織の現代的課題と名称を巡る議論

近年、協会は組織内部の文化改善や、多様性と包摂性の向上という課題に取り組んでいます。また、創設に関わった人物の過去の奴隷所有歴を巡り、名称の妥当性についての議論が起こりました。本部は名称を維持することを決定しましたが、シアトルやニューヨークなど多くの地方支部が、より包括的な名称(例:「Bird Alliance」など)への変更を選択しています。

Audubon front lobby at its present headquarters in New York City, which earned a LEED Platinum designation for its green features

現在のリーダーシップの下、協会はメキシコ湾油流出事故後の野生鳥類救助活動や、オフィスへの太陽光パネル導入といった環境負荷低減策を推進し、持続可能な未来を目指しています。

オーデュボン協会の概要まとめ

ナショナル・オーデュボン協会の基本情報
項目 詳細
組織形態 非営利団体 (Nonprofit Organization)
主要拠点 米国ニューヨーク市(LEEDプラチナ認証本社)
代表者 エリザベス・グレイ (CEO)
ネットワーク 約500の地方支部、23の州プログラム、41のネイチャーセンター
主な功績 渡り鳥条約の推進、DDT規制、世界的な捕鯨禁止への寄与

Frequently Asked Questions

オーデュボン協会はどのようにして始まったのですか?

19世紀末、ファッション用の羽飾りを求める乱獲に反対した女性たちのボイコット運動や、各地の愛鳥家による小規模な保護団体の設立がきっかけとなり、1905年に全米規模の組織として統合されました。

フィールドガイドにはどのような特徴がありますか?

1934年から出版されており、多くの図鑑がイラストを用いるのに対し、写真を採用している点が特徴です。現在はデジタル化され、アプリを通じて誰でも簡単に自然観察ができるようになっています。

DDTの禁止にどのように関わったのですか?

会員のレイチェル・カーソンによる『沈黙の春』の出版を機に、持続性農薬の危険性を広く周知させ、法的な闘争のための基金を設立して政府に規制を働きかけました。

なぜ一部の支部が「オーデュボン」という名前を捨てたのですか?

名称の由来となった人物の奴隷所有という歴史的背景が、現代の多様性と包摂性の価値観にそぐわないと考えたためです。より多くの人々が参加しやすい、包括的な名称への変更が進んでいます。

気候変動が鳥類に与える影響について、どのような報告をしていますか?

2014年の報告書にて、北米の多くの鳥類が気候変動によって生息に適した環境を失い、21世紀中に多くの種がその分布域の最大半分を喪失するリスクがあると指摘しています。

References

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  2. Catalog Record: Ornithological biography; or An account of... | HathiTrust Digital Library. vol. I. A. Black; vol. 2–5, A. & C. Black. Retrieved October 31, 2016 – via Catalog.hathitrust.org.
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  9. "Audubon Pennsylvania History". Audubon Pennsylvania. March 23, 2016.
  10. "St. Louis Audubon Society". October 13, 2009. Archived from the original on October 13, 2009.

📸 フォトギャラリー

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