1964年にリリースされたナンシー・ウィルソンのスタジオアルバム『How Glad I Am』は、彼女のキャリアにおいて最も輝かしい成功を収めた作品の一つです。洗練されたボーカルと多彩なジャンルを横断する楽曲構成により、当時の音楽シーンに大きな衝撃を与えました。
本作はビルボード200チャートで最高4位を記録し、31週間にわたってチャートインし続けるという快挙を成し遂げました。単なるジャズアルバムの枠に留まらず、ポップスやソウルの要素を巧みに取り入れたことで、幅広いリスナーに受け入れられた名盤といえます。
Key Facts
- チャート実績:アルバムはビルボード200で4位、タイトル曲のシングルはホット100で11位を記録。
- 受賞歴:タイトル曲「(You Don't Know) How Glad I Am」でグラミー賞の最優秀R&Bパフォーマンス賞を受賞。
- 音楽的多様性:ボサノヴァ、ブロードウェイ・ミュージカル、ソウルジャズなど多岐にわたるスタイルを収録。
- 制作背景:1964年3月から5月にかけてロサンゼルスでレコーディングされ、キャピトル・レコードより発売。
多彩な音楽性が共存するトラックリスト
本作の最大の魅力は、ナンシー・ウィルソンの表現力の幅広さを証明する楽曲の選定にあります。アントニオ・カルロス・ジョビンによるボサノヴァ(ブラジル発祥のジャズとサンバを融合させた音楽)の名曲や、当時ブロードウェイで話題となっていたミュージカル『ファニー・ガール』からの選曲が盛り込まれています。
また、ウェス・モンゴメリーが作曲したソウルジャズのナンバーや、ハウレット・スミスとスペンス・マクスウェルによる楽曲など、ジャンルに縛られない構成となっています。特にAllMusicのニック・デディナ氏は、タイトル曲を「カントリーの風味を持つ刺激的なソウル・ナンバー」と評し、イギリスのノーザン・ソウル・シーンでも根強い人気があることを指摘しています。また、ハモンドB-3オルガンの音が心地よい「West Coast Blues」をアルバム中の白眉として挙げています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| リリース年 | 1964年8月 |
| 録音場所 | ロサンゼルス |
| プロデューサー | デヴィッド・カヴァノー |
| 総演奏時間 | 25分34秒 |
| レーベル | キャピトル (Capitol) |
収録楽曲の詳細
アルバムは2枚のディスク(サイド1・サイド2)構成となっており、以下の楽曲が収録されています。
- サイド1:「(You Don't Know) How Glad I Am」をはじめ、「The Grass Is Greener」、「The Boy From Ipanema (Garota De Ipanema)」、「The Show Goes On」、「Don't Rain on My Parade」、「Never Less Than Yesterday」を収録。
- サイド2:「I Wanna Be With You」、「It's Time For Me」、「People」、「West Coast Blues」、「Quiet Nights」を収録。
なお、一部のLP盤では「It's Time For Me」が「It's Time To Go」と誤植されていたり、楽曲自体が収録されていないバージョンが存在するなど、プレス盤による差異が見られる点に注意が必要です。
制作を支えたスタッフと体制
本作の洗練されたサウンドは、ボーカルのナンシー・ウィルソンに加え、熟練のスタッフによるサポートによって実現しました。プロデューサーのデヴィッド・カヴァノーが全体を統括し、特定の楽曲(「The Show Goes On」および「West Coast Blues」)ではジェラルド・ウィルソンが編曲を担当し、楽曲に深みを与えています。
Frequently Asked Questions
このアルバムで最も成功した曲は何ですか?
タイトル曲の「(You Don't Know) How Glad I Am」です。ビルボード・ホット100で11位を記録した彼女の最高位シングルであり、グラミー賞の最優秀R&Bパフォーマンス賞を受賞しました。
どのような音楽ジャンルが含まれていますか?
ジャズをベースにしつつ、ソウル、ボサノヴァ、そしてブロードウェイ・ミュージカルの楽曲などがミックスされており、非常に多彩な構成になっています。
アルバムのチャート成績はどうでしたか?
ビルボード200で最高4位まで上昇し、31週間にわたってチャートに留まるという、ナンシー・ウィルソンにとって極めて成功した作品となりました。
収録楽曲に間違いがあるバージョンがあるというのは本当ですか?
はい。一部のLP盤において、ジャケットの表記が「It's Time For Me」ではなく「It's Time To Go」となっていたり、曲自体が収録されていないケースが報告されています。
批評家はこのアルバムをどのように評価していますか?
AllMusicのニック・デディナ氏は、タイトル曲のソウルフルな側面や、「West Coast Blues」におけるハモンドB-3オルガンの活用などを高く評価しています。
References
- Lord, Tom. The jazz discography. Vol. 25. West Vancouver, B.C., Canada. . 30547554.
- Dedina, Nick. How Glad I Am at
- Larkin, Colin (2004). "Nancy Wilson". (Rev Upd ed.). Virgin Books. p. 941. .
- "Nancy Wilson How Glad I Am Chart History". Billboard. Retrieved November 7, 2018.
- "Nancy Wilson (You Don't Know) How Glad I Am Chart History". Billboard. Retrieved November 7, 2018.