ファンタジーRPGの世界において、死者という存在は常に魅力的なテーマです。サプリメント書籍『Libris Mortis』は、アンデッドという概念を深く掘り下げ、プレイヤーとゲームマスター(DM)の両方に新たな選択肢を提供する一冊です。本書は導入部に続き、全7章で構成されており、世界観の構築から具体的なデータまで幅広くカバーしています。
Key Facts
- 多様なキャラクターオプション: 59種類の特技(Feats)と11の新しいプレステージクラスを導入。
- 膨大な新データ: 57種類の新呪文と47種類の新モンスターを収録。
- 戦略的なキャンペーン支援: アンデッドを主軸とした冒険のヒントや、詳細なバックストーリーを持つ個別のモンスターデータを提供。
- 特殊なルール: 幽霊屋敷の「憑依」や「除霊」、アンデッドの「食欲」に関するバリアントルールを提案。
アンデッドの生態と世界観の拡張
本書の冒頭では、アンデッドの生態や宗教的な側面が解説されています。特に興味深いのは、大都市におけるアンデッドの市民権という斬新な視点や、新しく導入された神々の存在です。また、除霊や憑依といったホラー要素を強めるためのルールは、ゲームに緊張感を与えるため高く評価されています。
一方で、アンデッドへの対処法に関する記述は基礎的な内容に留まっており、経験豊富なプレイヤーにとっては既知の情報が多いと感じられるかもしれません。
キャラクター構築の新たな選択肢
プレイヤー向けには、キャラクターを強化するための多彩なオプションが用意されています。特技(Feats)は59種類に及び、特に呪文詠唱者を強化するものが中心です。例えば、アンデッドを改良する「Corpsecrafter」ツリーや、生者がアンデッドの特性を得る「tomb-tainted」特技などが挙げられます。
また、モンスターをクラスとして扱う形式で、グール、ミイラ、ヴァンパイア・スポーン、ワイト、モーグの5つのベースクラスが導入されており、アンデッドとしてのキャラクター運用が可能になります。
専門性を高めるプレステージクラス
特定の役割に特化した11のプレステージクラスが導入されています。生者向けには、アンデッドの主人に仕える「Death's Chosen」や、対アンデッドに特化したドルイド向けクラス「Master of Radiance」などがあります。また、バード専用の「Dirgesinger」は特に評価の高いクラスです。
アンデッド専用のクラスとしては、実体を持たない存在向けの「Ephemeral Exemplar」や、墓守としての役割を持つ「Tomb Warden」などが存在し、従来のアンデッドという脅威をより個性的で強力な存在へと進化させることができます。
魔法、装備、そして禁忌の技術
呪文の章では、ネクロマンシー(死霊術)を中心とした57種類の新呪文が登場します。これには新神々のドメイン呪文や、『Book of Vile Darkness』の呪文を3.5版向けに調整したものが含まれます。実用的な防御呪文から、敵を衰弱させる攻撃的な呪文まで幅広く揃っています。
装備面では、アンデッドに効果的な毒「ポジトキシン(Positoxins)」や、聖なる武器、エクトプラズム製の鎧などが紹介されています。また、身体を改造する「グラフト(接ぎ木)」のルールにより、アンデッドの部位を移植して能力を高めることが可能です。ただし、独自のグラフトを作成するための詳細なルールは含まれていません。
新たな脅威:新モンスターとキャンペーン展開
本書では47種類の新モンスターが追加されており、最弱の「Carcass Eater」から最強の「Dream Vestige」まで、戦力差のある多様なクリーチャーが揃っています。特にスウォーム(群れ)のテンプレートや、脳が瓶に入った「Brain in a Jar」などのユニークな造形が注目されています。
最終章のキャンペーンセクションは、本書の中で最も完成度が高いと評されています。アンデッドを効果的に冒険に組み込むためのヒントに加え、カルトの背景設定や、すぐに利用可能なマップが提供されています。さらに、リッチやヴァンパイア、ゾンビなどの定番モンスターについて、個別の統計データとバックストーリーを持つバリエーションが多数収録されており、DMの準備時間を大幅に短縮してくれます。
| カテゴリー | 主な内容 | 特筆事項 |
|---|---|---|
| キャラクター | 59の特技、11のプレステージクラス | 呪文詠唱者向けの強化が中心 |
| 魔法・装備 | 57の新呪文、ポジトキシン、アンデッドグラフト | ネクロマンシー系に特化 |
| モンスター | 47種類の新クリーチャー | スウォームテンプレートなどが有用 |
| キャンペーン | 冒険のヒント、カルト設定、個別データ | 即戦力となるマップと背景設定を収録 |
Frequently Asked Questions
この本で導入される特技はどのような傾向がありますか?
主に呪文詠唱者を強化するものが多く、戦士向けやドルイド、バーバリアン向けの特技は少ない傾向にあります。一方で、生者がアンデッドの特性を得る特技など、ユニークな選択肢が提供されています。
アンデッドとしてキャラクターをプレイすることは可能ですか?
はい。グールやヴァンパイア・スポーンなどのモンスターをベースクラスとして扱うルールが導入されており、アンデッドキャラクターとしての運用が可能です。
新しく追加されたモンスターの特徴は?
非常に幅広い能力値のモンスターが追加されています。特筆すべきはスウォーム(群れ)のテンプレートや、身体的なグロテスクさを強調したクリーチャーなど、戦術的かつ視覚的にインパクトのあるものが揃っています。
キャンペーン章ではどのようなサポートが受けられますか?
アンデッドをテーマにした冒険の構築方法や、カルトの背景設定、そしてすぐに使えるマップが提供されています。また、定番のアンデッド(リッチやヴァンパイアなど)に個別の性格や能力を与えたバリエーションデータが豊富に収録されています。
装備セクションで特にユニークなものは何ですか?
アンデッドに影響を与える特殊な毒「ポジトキシン」や、エクトプラズム製の鎧、そして身体の一部をアンデッド化させる「グラフト」などの禁忌的なアイテムや技術が紹介されています。