書籍や資料を管理する図書館の世界において、個々のレコードを正確に識別することは不可欠です。その中心的な役割を担うのがLCCN(Library of Congress Control Number)です。これは米国議会図書館がカタログ化された記録に割り当てる一連の管理番号であり、世界中の司書が米国で出版された書籍の正確な書誌データにアクセスするために利用しています。
よく混同されますが、LCCNは本の「内容」を示すものではありません。また、資料を棚に配置するための分類体系である「米国議会図書館分類法(LCC)」とも全く異なる概念である点に注意が必要です。
Key Facts
- 正体: 米国議会図書館が目録レコードを管理するための固有の識別番号。
- 目的: 特定の書誌データ(カタログレコード)へ迅速かつ正確に到達すること。
- 歴史: 1898年から運用されており、元々は物理的なカード番号として始まった。
- 構成: 基本的に「発行年」と「シリアル番号」の組み合わせで構成される。
- 現状: 電子化が進んだ現代でも、ユニークなレコード識別子として不可欠な機能を維持している。
LCCNの歴史と変遷
LCCNの起源は1898年にまで遡ります。当時は「Library of Congress Card Number(議会図書館カード番号)」と呼ばれていました。当時の図書館は、書誌情報を記載したカードを作成し、その複製を他の図書館に販売する「集中目録作成」という仕組みを運用していました。この際、カードのセットを識別するために割り当てられたのがシリアル番号であり、それが現在のLCCNの原型です。
時代が進み、書誌情報の作成や保存、共有はすべてデジタルへと移行しましたが、個々のレコードを唯一無二のものとして識別する必要性は変わりませんでした。そのため、LCCNは形式を変えながらも、現代のデジタルライブラリにおいても重要な役割を果たし続けています。
また、2008年2月には「LCCN Permalink」サービスが開始されました。これにより、削除されていないすべてのLCCNに対して安定したURLが提供され、ウェブ上でのアクセス性が大幅に向上しました。ただし、コレクションから除外された資料や、番号は割り当てられたがレコードが作成されなかった資料は、このパーマリンクや検索ツールでは利用できません。
番号の構成とフォーマット
LCCNはシンプルに「年」と「シリアル番号」という2つの要素で成り立っています。
年号の表記
1898年から2000年までの資料は2桁の数字で表記されますが、2001年以降は4桁の数字が使用されています。なお、1898年、1899年、1900年の3年間については、シリアル番号の大きさによって年を判別する仕組みになっています。また、1969年から1972年の間にはチェックデジットを導入する試みがあったため、「7」で始まる番号には一部特殊な形式が見られます。
シリアル番号の表記
シリアル番号は6桁で構成され、桁数が足りない場合は前方に「0」を補って調整します(前ゼロ埋め)。この前ゼロの形式は比較的新しいルールであるため、古い資料のコードでは桁数が少ない場合があります。年号とシリアル番号を区切るハイフンは任意であり、最近では出版社に対してハイフンを入れないよう指示が出されています。
LCCNの概要まとめ
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Library of Congress Control Number |
| 導入年 | 1898年 |
| 構成要素 | 年(2桁または4桁)+ シリアル番号(6桁) |
| 主な用途 | 書誌レコードの固有識別、カタログデータの検索 |
| 混同しやすい用語 | LCC(米国議会図書館分類法)、ISBN(国際標準書籍番号) |
Frequently Asked Questions
LCCNとLCCの違いは何ですか?
LCCNは個々の目録レコードを識別するための「管理番号」ですが、LCCは本の内容に基づいて棚に並べるための「分類記号」です。前者はIDのようなものであり、後者は住所のようなものです。
LCCNは本の内容について何か教えてくれますか?
いいえ、LCCN自体には本の内容に関する情報は含まれていません。あくまで米国議会図書館のデータベース内でどのレコードを指しているかを示すための番号です。
なぜ古い番号は桁数が少ないことがあるのですか?
シリアル番号を6桁にするために前方に「0」を付ける形式は、後から導入されたルールだからです。そのため、古い資料ではゼロ埋めされていない短いコードが記載されていることがあります。
すべての本にLCCNが付いているのですか?
いいえ。主に米国で出版された本や、米国議会図書館がカタログ化した資料に割り当てられます。また、番号が割り当てられていても、実際にレコードが作成されなかったり、コレクションから削除されたりした場合は、検索やパーマリンクで利用できないことがあります。
ハイフンは必ず入れる必要がありますか?
いいえ、ハイフンは任意です。最近の米国議会図書館の指針では、出版社に対してハイフンを含めないよう案内されています。
References
- "Types of Numbers Found in LC Catalog Records". Library of Congress Catalog. Archived from the original on January 25, 2021. Retrieved January 18, 2021.
- "Structure of the LC Control Number". Network Development and MARC Standards Office. Library of Congress. June 16, 2006. Archived from the original on February 24, 2011. Retrieved January 18, 2021.
- "Library of Congress Update for 2008 ALA Annual Conference: January-May, 2008". . Archived from the original on August 28, 2017.
- "General Questions About LCCN Permalink". Library of Congress. Archived from the original on January 19, 2021. Retrieved January 18, 2021.
- "About the PCN Program: Frequently Asked Questions". loc.gov. Library of Congress. Retrieved December 4, 2025.
- "The LCCN Namespace". Network Development and MARC Standards Office. Library of Congress. November 10, 2003. Archived from the original on October 30, 2017. Retrieved January 18, 2021.