Pendhapa (pavilion) in Kraton Yogyakarta
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クラトンジャワ島インドネシア王宮ジョグジャカルタ

クラトンインドネシア・ジャワ島の伝統的な王宮とその歴史

🗓 2026年8月12日

インドネシアのジャワ島には、クラトン(Kraton / Keraton)と呼ばれる独特な形式の王宮が存在します。この言葉は、君主を指す伝統的な敬称である「ラトゥ(ratu)」に、居住地を意味する接頭辞と接尾辞がついた「ka-ratu-an」というジャワ語に由来しており、文字通り「君主の住まい」を意味します。

一般的に宮殿を指す言葉として、マレー語と同様の「イスタナ(istana)」が使われますが、ジャワの伝統的な文脈では、王子の宮殿を「プラ(pura)」や「ダレム(dalem)」と呼び分けるなど、厳格な使い分けがなされてきました。

多くのクラトンには、ペンドパ(Pendhapa)と呼ばれる開放的な建築様式のパビリオンが備わっており、儀式や接見の場として重要な役割を果たしています。

Pendhapa (pavilion) in Kraton Yogyakarta

Key Facts

  • 語源:ジャワ語で君主(ラトゥ)の居住地を意味する。
  • 役割:単なる建物ではなく、そこに住まう宮廷(コート)そのものを指す代名詞としても使われる。
  • 地域性:主にジャワ島に分布し、ジョグジャカルタ、ソロ、チレボンなどの地域に現存している。
  • 歴史的価値:9世紀の古代遺跡から、イスラム教導入後のスルタン宮殿まで幅広い時代背景を持つ。

現存する主要なクラトン

現在も王室の居住地として機能している、あるいはその伝統を維持している宮殿は、主に以下の地域に分かれています。

ジョグジャカルタ地域

この地域では、スルタン・ハメンクブウォノが統治する「クラトン・ンガヨギャカルタ・ハディニングラット」と、アディパティ・パクアラムの宮殿である「プラ・パクアラマン」が知られています。

Pendhapa (pavilion) in Kraton Yogyakarta

スラカルタ(ソロ)地域

ススフナン・パクブウォノの宮殿である「クラトン・スラカルタ・ハディニングラット」と、アディパティ・マンクネガラの宮殿である「プラ・マンクネガラン」が存在します。

Pendhapa (pavilion) in Kraton Surakarta.

チレボン地域

チレボンでは、歴史的な経緯から複数の宮廷が並立しており、「クラトン・カセプハン」「クラトン・カノマン」「クラトン・カチレボナン」「クラトン・カプラボナン」の4つの宮殿がそれぞれスルタンの称号を持つ統治者の拠点となりました。

Pendhapa (pavilion) in Kraton Kasepuhan.

歴史に刻まれた古の宮殿

考古学的な調査や古文書によって、かつて存在したクラトンの跡地も明らかになっています。これらはインドネシアの国家形成における重要な足跡です。

例えば、ジョグジャカルタ東部のプランバナン近郊にある「クラトン・ラトゥ・ボコ」は9世紀にまで遡り、サイレンドラ朝またはマタラム王国のものと考えられています。また、かつての強大な帝国マジャパヒトの首都であったトロウラン(モジョケルト)には、ペンドポ・アグンなどの遺構が残されています。

バンテン地域では、スルタン国の中心であった「クラトン・スロソワン」や、王太后の宮殿であった「クラトン・カイボン」の跡が見られます。さらに、マタラム・スルタン国の変遷を物語る遺構として、16世紀のコタ・ゲデや、17世紀のカルタ、プレレド、そしてスラカルタ郊外のクラトン・カルタスラなどが挙げられます。

Kraton of the Sultan of Ternate

宮廷の分立と呼称の転用

「クラトン」という言葉は、物理的な建物だけでなく、そこで運営される「宮廷(Court)」という政治的・文化的組織を指すメタファーとしても用いられます。

特に、後継者争いによって王朝が分かれた場合、それぞれの派閥が独自の宮廷を設立することがありました。その代表例がチレボンです。1478年に創設されたこの国家は、1662年以降、カセプハン、カノマン、カチレボナンの3つのクラトンに分かれ、それぞれがスルタンを称して統治を行うという特異な形態をとりました。

ジャワの王宮まとめ

主要なクラトンの分類と特徴
分類 代表的な例 特徴・備考
現存する宮殿 ジョグジャカルタ、スラカルタ 伝統的な王室の居住地として機能
分立した宮廷 チレボンの各クラトン 王朝の分立により複数の宮廷が共存
歴史的遺構 ラトゥ・ボコ、マジャパヒト 古代から中世にかけての権力の中心地
バンテンの遺構 スロソワン、カイボン バンテン・スルタン国の統治拠点

Frequently Asked Questions

クラトンとイスタナの違いは何ですか?

「イスタナ」はマレー語由来の一般的な宮殿を指す言葉ですが、「クラトン」はジャワ語の「ka-ratu-an(君主の住まい)」に由来し、特にジャワ島の伝統的な王宮を指す専門的な呼称です。

なぜチレボンには複数のクラトンがあるのですか?

王朝の継承を巡る争いや分立があったためです。1662年以降、権力が分散し、複数の宮廷がそれぞれ独立してスルタンを戴く体制となりました。

ラトゥ・ボコは誰の宮殿だったのですか?

歴史的・考古学的には9世紀のサイレンドラ朝またはマタラム王国のものと考えられていますが、地元の伝承ではロロ・ジョンガランの物語に登場する伝説的な王、ボコ王の宮殿とされています。

ペンドパとはどのような建物ですか?

クラトンに見られる、壁のない開放的な建築様式のパビリオンのことです。主に公的な儀式や来客の接見に使用される、ジャワ建築の象徴的な空間です。

マジャパヒト王国の宮殿はどこにありましたか?

現在の東ジャワ州モジョケルトにあるトロウランに位置していました。現在はペンドポ・アグン・マジャパヒトなどの遺構がその名残を留めています。

References

📸 フォトギャラリー

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Kraton of the Sultan of Ternate
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