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ISO/IEC 17024とは?個人認証機関に求められる国際標準の要件を解説

🗓 2026年8月13日

現代のビジネスシーンにおいて、個人のスキルや能力を客観的に証明する「個人認証」の重要性が高まっています。ISO/IEC 17024は、こうした個人認証を行う機関が、公正かつ信頼性の高い運用を行うために遵守すべき基準を定めた国際規格です。この規格に従うことで、認証機関は世界的に通用する一貫した評価プロセスを構築でき、認定される個人の能力(コンピテンシー)に高い信頼性を付与することが可能になります。

Key Facts

  • 目的:個人認証を行う機関の運用基準を明確にし、世界的な調和を図ること。
  • 核心:知識、スキル、個人の特性を組み合わせた「コンピテンシー」の客観的な評価。
  • 最新状況:2012年版が現行(2018年確認済み)であり、2023年より改訂作業が進行中。
  • 必須条件:認証機関は法的実体である必要があり、認証決定を外部に委託してはならない。

ISO/IEC 17024の変遷と目的

この規格は、世界中でバラバラだった個人認証プロセスを統一するために、2003年に国際標準化機構(ISO)によって策定されました。欧州では以前のEN 45013や英国のBS 7513に代わる標準として導入されています。

特に2012年版への移行では、認証スキーム(認証の枠組み)の策定に関する詳細な要件が追加されました。旧版ではスキーム委員会の設置が重視されていましたが、2012年版ではスキームに含めるべき具体的な構成要素が明確に定義され、スキームの所有者が認証機関の外部にいてもよいという柔軟性が持たされています。また、「妥当性」や「信頼性」といった用語の定義が追加され、規格の根幹となる「原則」セクションが新設されました。

認証機関に課せられる主要な要件

ISO/IEC 17024に準拠するためには、組織運営のあらゆる側面で厳格な基準を満たす必要があります。以下にその詳細をまとめます。

1. 一般的および構造的要件

認証機関は、法的な責任を負える法的実体でなければならず、運営および債務を履行するための十分な財務能力を持つことが求められます。また、運用の公平性は絶対的な条件であり、特に認証機関がトレーニング(教育)も提供している場合は、その教育活動が認証の公平性を損なわないことを証明しなければなりません。

2. リソースと情報の管理

内部スタッフだけでなく、外部コンサルタントやボランティアを含むすべての関係者に適切な基準が適用されます。また、試験設備などの物理的リソースの確保も不可欠です。情報管理においては、申請者や認定者の記録を適切に保持し、試験問題などの機密情報を厳格に保護するセキュリティ体制が求められます。

3. 認証スキームの構築

認証スキームとは、認定を付与するための能力要件を定義したものです。ここには以下の要素が含まれます。

  • 認証の範囲、職務およびタスクの詳細な記述
  • 必要とされるコンピテンシー(能力)とスキル
  • 前提条件および行動規範(必要な場合)
  • 初回認証および再認証の手順、評価方法
  • 認証の停止や取り消しに関する基準

4. 認証プロセスの運用

申請から評価、試験、そして最終的な認証決定に至るまでの一連の流れを規定します。認証決定は認証機関自らが責任を持って行う必要があり、外部へのアウトソーシングは禁止されています。また、認定証やロゴの使用規定、不服申し立てや苦情処理の手続きを整備することも義務付けられています。

5. マネジメントシステム

規格の要求事項を維持するための管理体制を構築し、文書化して運用する必要があります。なお、ISO 9001に準拠したマネジメントシステムを導入しており、それがISO/IEC 17024の要求事項をサポートできる場合は、それを活用することが認められています。

ISO/IEC 17024 要件サマリー

ISO/IEC 17024の主要構成要素
カテゴリー 主な要求事項・ポイント
一般・構造 法的実体であること、財務的安定性、公平性の確保、トレーニングとの分離。
リソース 適格な人員の配置、外部委託の管理、適切な試験設備の確保。
情報管理 個人記録の保持、公開情報の管理、試験問題等の機密保持。
認証スキーム 職務記述書、必要能力の定義、評価手法、再認証基準の策定。
認証プロセス 申請・試験・決定のフロー、ロゴ使用規定、苦情・不服申し立て対応。
管理システム 文書化された運用体制(ISO 9001との整合性を含む)。

Frequently Asked Questions

ISO/IEC 17024における「コンピテンシー」とは何を指しますか?

本規格においてコンピテンシーとは、単なる知識の保有ではなく、「知識、スキル、および個人の特性を適用して、実務を遂行できることが証明された能力」を指します。

認証機関がトレーニングを提供しても問題ないのでしょうか?

可能です。ただし、トレーニングの提供が認証試験の公平性に影響を与えないことを明確に証明し、構造的な分離などの対策を講じる必要があります。

認証の決定を外部の専門家に委託することはできますか?

いいえ、できません。認証を付与するかどうかの最終的な決定権は認証機関が保持しなければならず、このプロセスを外部にアウトソーシングすることは禁止されています。

2012年版から何が変わったのでしょうか?

主に認証スキームの策定に関する詳細な要件(第8条)が追加されました。また、スキームの所有者が認証機関の外部にいてもよいことになり、用語の定義や基本原則が明確化されました。

ISO 9001を導入していれば、この規格への対応は簡単になりますか?

はい。ISO/IEC 17024はマネジメントシステムの構築を求めており、ISO 9001に準拠したシステムが本規格の要求事項をサポートできる形式であれば、それを活用して運用することが可能です。

References

  1. Gasiorowski-Denis, E. (24 July 2012). "New and improved ISO/IEC 17024 standard for personnel certification programmes". ISO.
  2. "ISO/IEC 17024:2012". ISO. Retrieved 27 January 2021.
  3. MacCurtain, S.; Woodley, C. "Presentation of the New Standard:ISO/IEC 17024:2012" (PPT). ISO.
  4. Davies, S. (June 2007). "Easy reference for ISO 17024". Personnel Certification and Training.