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ISO/IEC 17025とは?試験所・校正機関に求められる技術的能力の国際規格

🗓 2026年8月13日

分析や測定を行う試験所、および計測器の精度を保証する校正機関にとって、その結果が世界的に信頼されることは極めて重要です。そこで世界的に採用されているのがISO/IEC 17025という国際規格です。この規格は、単なる管理体制の整備だけでなく、実際に正確な結果を導き出せる「技術的な能力」があることを証明するための基準となります。

多くの国や規制当局、取引先企業は、この規格に基づく認定を受けていない機関が出したデータを受け入れない場合があります。つまり、現代の産業界においてISO/IEC 17025への準拠は、技術的な信頼性を担保するための「共通言語」となっていると言えるでしょう。

Key Facts

  • 目的: 試験所および校正機関が、一貫して有効な結果を出す能力があることを証明すること。
  • 認定と認証の違い: ISO 9000のような「認証(Certification)」ではなく、技術的能力を第三者が認める「認定(Accreditation)」である点。
  • 基本理念: 科学的根拠に基づいた妥当な結果の導出と、継続的な改善。
  • 国際的な相互承認: ILAC(国際試験所認定協力機構)を通じて、世界各国の認定結果が相互に認められている。

ISO/IEC 17025の変遷と構成

もともとは「ISO/IEC Guide 25」として知られていた本規格は、1999年に初めて発行されました。その後、時代の要請に合わせて2005年、2017年と改訂が行われています。ISO 9000シリーズと共通点が多いものの、より技術的な原則に基づいた具体的な要求事項が盛り込まれているのが特徴です。

2005年版の構成(4つの要素)

2005年版では、マネジメントシステムと技術的な信頼性の両立に重点が置かれ、以下の4項目で構成されていました。

  • 引用規格: 準拠すべき関連規格。
  • 用語と定義: 規格内で使用される言葉の定義。
  • マネジメント要求事項: 品質管理システムの運用と有効性に関する規定。
  • 技術的要求事項: 試験や校正の正確性と信頼性を決定づける要因。

2017年版の構成(8つの要素)

最新の2017年版では、より包括的なアプローチが採用され、構成が8つの要素に細分化されました。

  • 適用範囲: 規格が適用される範囲。
  • 引用規格: 参照すべき規格。
  • 用語と定義: 用語の明確化。
  • 一般要求事項: 試験所の組織運営に関する基本事項。
  • 構造要求事項: 組織の構造と責任体制。
  • リソース要求事項: 人員、設備、外部提供者など、有効な結果を出すために必要な資源。
  • プロセス要求事項: 科学的根拠に基づいた技術的妥当性を確保するための活動(本規格の中核)。
  • マネジメントシステム要求事項: 技術的な成果を支えるための品質管理ツールと手順。

認定」と「認証」の決定的な違い

ISO/IEC 17025において最も重要な概念の一つが、認定(Accreditation)です。一般的なISO 9001などの「認証(Certification)」は、文書化された品質システムが運用されているかを第三者が確認するものです。しかし、「認定」はそれに加えて、その機関が特定の範囲において「技術的に有能であるか」を認定機関(Accreditation Body: AB)が審査し、証明します。

また、本規格は非常に柔軟な設計となっており、試験所は自社に最適な手順を構築することが可能です。ただし、採用した手法が妥当であるという根拠を提示し、正当化することが求められます。さらに、最新の科学的・技術的進歩を常に把握し、システムを継続的に改善し続けることが義務付けられています。

世界的な認定体制と相互承認

認定の価値を世界的に統一するため、ILAC(国際試験所認定協力機構)が中心となり、認定機関自体の評価基準(ISO/IEC 17011など)を策定しました。これにより、地域ごとの協力体制(欧州のEA、アジア太平洋のAPLACなど)を通じて、ある国で得た認定が他国でも認められる相互承認制度が構築されています。

主要国における認定機関の例

国によって認定機関の体制は異なります。多くの国では単一の国家認定機関が管理していますが、米国のように複数の認定機関が競合・共存しているケースもあります。

主要国における認定機関の例
国・地域 主な認定機関(AB)
日本 (国内の認定機関が対応)
アメリカ ANAB, A2LA, PJLA, IAS, NVLAP など
カナダ SCC, CALA
オーストラリア NATA
ドイツ DAkkS
フランス COFRAC
韓国 KOLAS

Frequently Asked Questions

ISO 9001の認証があれば、ISO/IEC 17025の認定は不要ですか?

いいえ、異なります。ISO 9001は汎用的な品質管理システムの認証ですが、ISO/IEC 17025は試験・校正機関に特化した「技術的能力」の認定です。顧客や規制当局が技術的な妥当性を求める場合は、ISO/IEC 17025の認定が必要になります。

認定機関(AB)はどこを選んでも同じですか?

ILAC MRA(相互承認協定)の署名機関であれば、世界的に同等の価値が認められます。そのため、どの認定機関から認定を受けたとしても、国際的な受容性は基本的に同じです。

2005年版から2017年版への主な変更点は何ですか?

構成が4要素から8要素へと再編され、より詳細な要求事項となりました。特に「プロセス要求事項」が中心に据えられ、科学的根拠に基づいた技術的妥当性の確保がより強調されるようになっています。

認定を受けるための最大のメリットは何ですか?

最大のメリットは、試験結果や校正結果の国際的な信頼性が得られることです。これにより、他国への輸出や規制当局へのデータ提出において、再試験や再校正の手間を省くことができ、競争力が向上します。

References

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