コンピューターが異なる言語や地域の文化的な特性を正しく処理するためには、統一された定義が必要です。ISO/IEC 15897は、POSIXロケール(地域・言語設定)やPOSIX文字マップ(文字の割り当て表)といった「文化要素」を新しく登録するための手続きを定めた国際標準規格です。
Key Facts
- POSIXロケールおよび文字マップの新規登録手順を規定する標準規格である。
- 欧州標準化委員会(CEN)の「CEN ENV 12005」をベースに策定された。
- 1999年に初版、2011年に第2版が発行されている。
- 現在はJTC 1/SC 35委員会が管轄している。
- レジストリの管理はDKUUG(デンマークUNIXシステムユーザーグループ)が担当している。
規格の成り立ちと変遷
この規格は、もともと欧州のプレ標準規格であったCEN ENV 12005を「ファストトラック(迅速採用)」という手法で取り入れることで誕生しました。1999年に最初の版が公開され、その後2011年に改訂版となる第2版が発行されています。
管理体制については、当初はJTC 1/SC 22委員会のワーキンググループ20(WG20)によって作成されましたが、2006年にJTC 1/SC 35委員会へと移管されました。また、5年ごとの定期的な見直しを経て、2017年に規格としての有効性が改めて確認されています。
登録対象となる文化要素の内容
ISO/IEC 15897のレジストリには、単なる文字コードだけでなく、文化的な文脈を定義するための以下の要素が登録されます。
- POSIXロケール:言語や国ごとの書式設定などの定義。
- POSIX文字マップ(Charmaps):文字セットの対応関係を定義したマップ。
- 記述的文化仕様(Narrative Cultural Specifications):文化的な特性を文章で説明した仕様書。
- レパートリーマップ(Repertoiremaps):利用可能な文字の集合を定義したマップ。
なお、これらの定義はUnicodeコンソーシアムが推進するCLDR(Common Locale Data Repository)プロジェクトの内容と一部重複する部分があります。
規格の概要まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主な目的 | POSIXロケールおよび文字マップの登録手続きの標準化 |
| ベースとなった規格 | CEN ENV 12005 |
| 発行年 | 1999年(初版)、2011年(第2版) |
| 現在の管轄 | JTC 1/SC 35 |
| レジストリ管理団体 | DKUUG (Danish UNIX-systems User Group) |
Frequently Asked Questions
ISO/IEC 15897は何を定義する規格ですか?
POSIX準拠のロケールや文字マップなどの文化的な要素を、どのように新しく登録し管理するかという手続きを定めた規格です。
この規格のレジストリは現在も更新されていますか?
レジストリの管理はDKUUGが行っていますが、2001年12月以降、更新は行われていません。
CEN ENV 12005とはどのような関係がありますか?
ISO/IEC 15897は、欧州のプレ標準規格であるCEN ENV 12005を迅速に採用(ファストトラック)することで作成されました。
CLDRプロジェクトとの違いは何ですか?
どちらも文化的なデータ(ロケールなど)を扱っていますが、ISO/IEC 15897はPOSIXベースの登録手続きに焦点を当てており、内容的に一部重複しています。
規格の有効性はどのように確認されていますか?
5年ごとの体系的なレビューが行われており、直近では2017年に規格としての確認(Confirm)がなされています。