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ISO 3166-3とは?過去の国名・地域名を管理する国際標準コードの仕組み

🗓 2026年8月13日

世界各国の名前やコードを定義する国際標準規格「ISO 3166」。その中でもISO 3166-3は、歴史の変遷に伴い、すでに使用されなくなった過去の国名や地域名に特化したコードを定義しています。1974年のISO 3166-1制定以降に削除された名称を体系的に管理することで、データの整合性を維持する重要な役割を担っています。

この規格は1999年に初めて公開されました。正式名称は「国名およびその細分区分を表現するためのコード - 第3部:以前に使用されていた国名のコード」であり、国家の統合、分裂、あるいは名称変更といった政治的・地理的な変化を記録するアーカイブのような存在です。

Key Facts

  • 目的:ISO 3166-1から削除された旧国名に固有のコードを割り当て、識別すること。
  • コード形式:4文字のアルファベットで構成される。
  • 構成:最初の2文字は旧ISO 3166-1(alpha-2)コード、後半2文字は変更の性質を示すルールに基づいたコード。
  • 予約期間:削除されたalpha-2/alpha-3コードは、再利用を防ぐため原則50年間の移行期間として予約される。
  • 不変の数値:領土に変更がなく国名のみが変わった場合、ISO 3166-1の数値コードは維持される。

ISO 3166-3コードの生成ルール

ISO 3166-3で割り当てられる4文字のコードは、単なるランダムな文字列ではなく、その国がどのような経緯で消滅・変更したかを示す論理的な構造を持っています。

1. 国名が変更された場合

名称変更後の新しいISO 3166-1 alpha-2コードを後半2文字に付与します。例えば、ビルマ(Burma)からミャンマー(Myanmar)へ変更された際は、ミャンマーのコード「MM」が使用されました。ただし、名称が変わってもalpha-2コード自体に変更がなかった場合は、特別なコード「AA」が割り当てられます(例:ベラルーシ・ソビエト社会主義共和国からベラルーシへの変更)。

2. 他の国に統合された場合

統合先の国のISO 3166-1 alpha-2コードを後半2文字に使用します。例えば、ドイツ民主共和国(東ドイツ)がドイツに統合された際は、ドイツのコード「DE」が適用されました。

3. 分裂して複数の国になった場合

単一の後継国が存在しないことを示すため、原則として「HH」というコードを付与します。チェコスロバキアがチェコ共和国とスロバキアに分かれたケースがこれに当たります。ただし、セルビア・モンテネグロのように、過去に同じコードが重複して削除された履歴がある場合は、重複を避けるため「XX」などの例外的なコードが使用されます。

データ管理とインターネットへの影響

ISO 3166-3の各エントリーには、旧国名とコードだけでなく、有効期間や後継国の名称、新しいISO 3166-1コードなどの詳細情報が含まれています。これにより、過去の統計データや公文書の照合が可能になります。

また、これらのコードはインターネットの国別トップレベルドメイン(ccTLD)とも密接に関わっています。1980年代後半から90年代初頭のDNS普及前に削除されたコードはccTLDとして利用されませんでしたが、普及後に削除された一部のコードは、現在も移行期間として有効なままか、段階的に廃止されるプロセスにあります。

なお、1998年に制定された地域コード規格「ISO 3166-2」は、多くのalpha-2コードが削除された後に登場したため、それら旧コードの影響は受けていません。

国名コードの具体例

以下に、ISO 3166-3で定義されている代表的な旧国名とその遷移をまとめました。

ISO 3166-3 コード適用例一覧
旧国名 旧コード (alpha-2) 有効期間 ISO 3166-3コード 後継国・変更後の名称
ビルマ BU 1974–1989 BUMM ミャンマー (MM)
チェコスロバキア CS 1974–1993 CSHH チェコ (CZ), スロバキア (SK)
ドイツ民主共和国 DD 1974–1990 DDDE ドイツ (DE)
ソビエト社会主義共和国連邦 SU 1974–1992 SUHH ロシア (RU) 他12カ国
ザイール ZR 1974–1997 ZRCD コンゴ民主共和国 (CD)
ユーゴスラビア YU 1974–2003 YUCS セルビア・モンテネグロ (CS)

規格の更新プロセス

ISO 3166-3の内容は、ベースとなるISO 3166-1の更新に完全に依存しています。かつてはニュースレター形式で変更が通知され、後に統合版として新エディションが発行されていました。

2013年7月以降、運用の効率化のためニュースレターの発行は停止され、すべての変更はISOのオンラインカタログで直接公開される形式へと移行しました。最新の版としては、2020年8月に第3版が発行されています。

Frequently Asked Questions

ISO 3166-3はなぜ必要なのですか?

国名や国境は歴史的に変動します。過去のデータに記録された古い国名コードを、現在のどの国に紐づくのか、あるいはどのように消滅したのかを明確に定義することで、国際的なデータ交換の混乱を防ぐためです。

コードの後半2文字はどうやって決まりますか?

変更の形態によって決まります。新国名のコードを継承する場合、統合先のコードを使う場合、あるいは分裂して単一の後継者がいない場合に「HH」を使う場合など、厳格なルールに基づいています。

一度削除されたコードはすぐに再利用できるのでしょうか?

いいえ。誤用や混乱を避けるため、削除されたalpha-2およびalpha-3コードは、少なくとも50年間の移行期間として予約され、その期間が経過するまで再割り当ては行われません。

国名だけが変わった場合、すべてのコードが変わりますか?

いいえ。領土に変更がなく名称のみが変わった場合、ISO 3166-1の数値コード(numeric code)は維持されます。例えば、ビルマからミャンマーへの変更時も、数値コード「104」はそのまま継続して使用されています。

最新の変更情報をどこで確認できますか?

現在はニュースレターの発行は行われておらず、ISO(国際標準化機構)が提供するオンラインカタログにて最新の更新情報を確認することが可能です。

References

  1. East Timor was included in ISO 3166-1 under the name of from 1974 to 1977.
  2. Included in ISO 3166-1 under the name of before the split of in 1977.
  3. The ISO 3166-1 numeric code of the Netherlands Antilles was changed from 532 to 530 in 1993 after had split away in 1986.
  4. The period of validity was corrected from 1974–2011 to 1974–2010 with a reissue of ISO 3166-3 Newsletter I-6.
  5. The territory name was corrected from "Bonaire, Saint Eustatius and Saba" to "Bonaire, Sint Eustatius and Saba" in .
  6. Initially the ISO 3166-3 code CSHH was assigned to represent Serbia and Montenegro (), even though it had already been assigned to represent Czechoslovakia. The ISO 3166/MA later rectified the problem by agreeing to assign the ISO 3166-3 code CSXX to represent Serbia and Montenegro ().
  7. Despite being part of the USSR, (then ) and (then ) already had their own ISO 3166-1 codes due to them being UN members since 1945.
  8. The ISO 3166-1 numeric code of Yugoslavia was changed from 890 (for the ) to 891 (for the ) in 1993.