地質学において、岩石の外観からその化学的・鉱物的な性質を推測するための重要な指標となるのが色指数(Color Index)です。これは主に火成岩において、暗色の鉱物と明色の鉱物がどのような比率で含まれているかを数値化したものです。岩石の色を分析することで、その岩石がどのような環境で形成され、どのような成分で構成されているかを探ることができます。
色指数とは何か
色指数とは、岩石全体の体積の中で、一般的に暗い色を持つマフィック鉱物(苦鉄質鉱物)が占める割合をパーセンテージで表したものです。この計算において、アパタイトや白雲母、一次炭酸塩などの「無色」とみなされる鉱物は除外されます。
具体的に、明色を示すフェルシック鉱物(珪長質鉱物)には、石英や長石、長石様鉱物が代表的です。一方で、暗色を示すマフィック鉱物には、カンラン石、輝石、角閃石、黒雲母、電気石、あるいは酸化鉄や硫化物などが含まれます。純粋なフェルシック鉱物のみで構成されれば色指数は0となり、逆にマフィック鉱物のみであれば100となります。
この数値の測定方法は、野外での目視による概算から、顕微鏡を用いて薄片を観察し、点計数法(ポイントカウンティング)という手法で1%単位の精度まで厳密に算出する方法まであります。

主要な事実(Key Facts)
- 定義:岩石中のマフィック鉱物の体積比率(%)を指す。
- 色の要因:暗色鉱物は鉄、マグネシウム、カルシウムなどの重い元素を多く含む傾向がある。
- 密度との関係:一般的に色が濃い鉱物ほど比重が大きく、色が薄い鉱物ほど密度が低い。
- 結晶化温度:岩石の色指数は、マグマが結晶化する際の温度に影響を受ける。
岩石の分類体系
色指数に基づいた分類には、大きく分けて「色の濃淡による分類」と「鉱物学的組成による分類」の2つのアプローチがあります。ただし、分類の境界線となる数値は研究者や文献によって異なります。
色の濃淡による分類(ロイコクラティック・メラノクラティック)
岩石をその明るさで分ける手法です。低い色指数を持つものをロイコクラティック(明色質)、高いものをメラノクラティック(暗色質)、その中間をメソクラティック(中色質)と呼びます。さらに極端な例として、ほぼ完全に白い「ホロロイコクラティック」や、ほぼ完全に黒い「ホロメラノクラティック」という用語が使われることもあります。
例えば、通常の花崗岩よりも色が明るいものは「ロイコクラティックな花崗岩」と表現されます。
鉱物学的組成による分類(フェルシック・マフィック)
もう一つの分類法は、フェルシック(珪長質)とマフィック(苦鉄質)という区分です。一般に色指数が低い岩石をフェルシック、高いものをマフィックと呼びます。代表例として、フェルシックな岩石には花崗岩や流紋岩があり、マフィックな岩石には斑れい岩や玄武岩が挙げられます。
ここで注意が必要なのは、化学的な「シリカ(二酸化ケイ素)含有量」に基づく定義と、この「色指数(鉱物学的)」に基づく定義が必ずしも一致しない点です。例えば、輝石のみで構成される岩石は、化学的にはマフィックに分類されますが、鉱物学的な色指数で見れば100%マフィック鉱物であるため「ウルトラマフィック(超苦鉄質)」に分類されることがあります。
分類基準の比較まとめ
以下に、主要な文献による色指数の分類基準をまとめました。
| 分類用語 | マグマ岩アトラス | AGI(1957)/百科事典(1989) | オックスフォード地学辞典(2013) |
|---|---|---|---|
| ホロロイコクラティック | 0–10% | - | 0–5% |
| ロイコクラティック | 10–35% | 0–30% | 5–30% |
| メソクラティック | 35–65% | 30–60% | 30–60% |
| メラノクラティック | 65–90% | 60–100% | 60–90% |
| ホロメラノクラティック | 90–100% | - | - |
また、フェルシック・マフィックの区分についても、ブリタニカ百科事典では0–50%をフェルシック、50–90%をマフィック、90–100%をウルトラマフィックとしていますが、一部の教科書ではより狭い範囲(例:フェルシックを0–15%)で定義し、「中間的(Intermediate)」という区分を設けている場合があります。
Frequently Asked Questions
色指数が高い岩石はなぜ暗い色をしているのですか?
色指数が高い岩石には、鉄やマグネシウム、カルシウムなどの重い元素を多く含むマフィック鉱物が大量に含まれているためです。これらの元素を持つ鉱物は一般的に暗い色を呈します。
色指数とシリカ含有量は同じ意味ですか?
いいえ、異なります。シリカ含有量は化学的な組成を示すのに対し、色指数は視覚的な鉱物の比率を示します。そのため、化学的にはマフィックな岩石であっても、鉱物組成によってはウルトラマフィックと分類されるケースがあります。
色指数を正確に測定するにはどうすればよいですか?
岩石の平面的な薄片を作成し、顕微鏡を用いて「点計数法」という手法で明色鉱物と暗色鉱物の割合をカウントすることで、1%単位の精度で測定することが可能です。
フェルシックな岩石の具体例にはどのようなものがありますか?
代表的なものに、花崗岩(グラナイト)や流紋岩(ライオライト)があります。これらは色指数が低く、明るい色をしているのが特徴です。
色指数は岩石の密度に関係していますか?
はい、密接に関係しています。一般的に、暗色の鉱物(マフィック鉱物)は比重が大きく、明色の鉱物(フェルシック鉱物)は比重が小さいため、色指数が高い岩石ほど密度が高くなる傾向があります。
References
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