オーストラリア、タスマニア州の州都ホバートの中心部に位置するホバート市街地(CBD)は、州内で最も歴史あるエリアであり、行政、商業、文化の心臓部として機能しています。美しいダーウェント川と雄大なウェリントン山(クナニ)に挟まれたこの地区は、低層建築が並ぶ落ち着いた街並みと、近代的な商業施設が共存するユニークな景観が特徴です。

Key Facts
- 設立年: 1803年(タスマニア最古の定住地)
- 主要機能: タスマニア州の行政・商業の中心地(CBD)
- 人口: 3,390人(2021年時点)
- 面積: 約1.9平方キロメートル
- 特徴: 州都の中で最も人口密度が低く、商業利用が中心のエリア
歴史的背景と都市の成り立ち
ホバートの街の始まりは、1804年2月21日にデイヴィッド・コリンズの命によりサリバンズコーブに定住が始まったことに遡ります。当初の候補地であったリスドンコーブが不適切と判断されたことで、現在の市街地の基礎が築かれました。
街の構造は、初期の計画者であるラクラン・マクワリーによる設計の影響を受けており、わずかに歪んだ格子状の道路パターンが特徴です。1959年には交通効率を高めるため、主要な6つの通りが一方通行へと変更されました。現在でも、南北の主要幹線であるエリザベス通りなどの一部を除き、多くの通りが一方通行として運用されています。
都市の現状と未来へのビジョン
ホバート市街地は商業的な役割が強いため、居住人口は少なく、オーストラリアの州都の中でも人口密度が低い傾向にあります。また、住宅価格や賃料が高騰していることが課題となっており、都市の無秩序な拡大(アーバンスプロール)を防ぐため、市当局は「ミッシングミドル」と呼ばれる中密度の住宅開発(インフィル開発)を推進しています。
2020年に発表された「セントラル・ホバート・プレシンクツ・プラン(Central Hobart Precincts Plan)」では、持続可能な都市形成を目指し、以下の目標が掲げられています。
- 行政・商業センターとしての機能を維持しつつ、将来的な成長の枠組みを構築する。
- 居住密度の向上と、それを支えるインフラおよびコミュニティサービスの拡充。
- 遺産保護、経済性、社会的視点を踏まえた最適な都市形態の策定。
- 街路樹の植樹など、歩行者に優しい環境(Movement and Place原則)の整備。
商業・文化のハイライト
市街地には、タスマニア州で最も高いビルが集結しています。最高高は58メートルのNABハウスですが、景観保護のため、原則として今後の開発は42メートルまでに制限されています(ロイヤル・ホバート病院のツインタワーなど一部例外あり)。
ショッピングエリアとしては、ウェリントンセンターやセンターポイント、歴史的なキャット&フィドル・アーケードなどが人気です。また、2007年の火災後に再建されたアイコン・コンプレックス(Icon Complex)は、商業施設とホテルを併設した近代的なランドマークとなっています。
文化・芸術の拠点
CBD内には、タスマニア博物館・美術館(TMAG)やタスマニア州立図書館、シアター・ロイヤルなどの重要な文化施設が集中しています。また、季節ごとのイベントも盛んで、12月の「シドニー〜ホバート・ヨットレース」や「テイスト・フェスティバル」、1月の「オーストラリア・ウッドンボート・フェスティバル」、2月の「ロイヤル・ホバート・レガッタ」などが開催されます。さらに、毎週土曜日にはサラマンカ・プレイスで有名なサラマンカ・マーケットが開かれます。
ホバート市街地の概要まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 行政区分 | ホバート市(City of Hobart) |
| 主要ランドマーク | 州議事堂、タスマニア最高裁判所、フランクリン広場 |
| 主要道路 | エリザベス通り、デイヴィー通り、マククエリー通り |
| 主要商業施設 | Myer (Icon Complex), Wellington Centre |
| 郵便番号 | 7000, 7001 |
Frequently Asked Questions
ホバート市街地の人口密度が低いのはなぜですか?
市街地の中心部が主に商業地として利用されており、住宅地が少ないためです。この状況を改善し、夜間も活気のある街にするため、州政府は都心部での住宅開発を推奨しています。
建物の高さに制限があるというのは本当ですか?
はい。景観維持のため、原則として新築建物の高さは42メートルまでに制限されています。ただし、NABハウス(58m)やロイヤル・ホバート病院のタワー(48m)など、一部の例外的な建物が存在します。
市街地でのおすすめの観光スポットはどこですか?
歴史的なサリバンズコーブやサラマンカ・プレイス、タスマニア博物館・美術館などが代表的です。また、毎週土曜日に開催されるサラマンカ・マーケットは非常に人気があります。
ホバートの街路の特徴は何ですか?
多くの通りが一方通行となっており、これは1959年に交通の流れを改善するために導入されました。また、初期の都市計画の影響で、完全な直線ではなくわずかに歪んだ格子状の街路構成になっています。
どのようなイベントが市街地で開催されますか?
12月のヨットレースやテイスト・フェスティバル、1月のウッドンボート・フェスティバル、2月のロイヤル・ホバート・レガッタなど、季節ごとに大規模なイベントが行われています。
References
- "2021 Census QuickStats : Hobart (C) - Inner (Statistical Local Area)". . 2021. Retrieved 23 November 2022.
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