オーストラリア、ビクトリア州のモーニントン半島に位置するデビルベンド自然特性保護区(Devilbend Natural Features Reserve)は、豊かな生態系と静寂が共存する広大な自然公園です。メルボルン市街地から南東に約55km、トゥエロングの田園地帯に広がるこの保護区は、かつての貯水池がもたらした「人の手の入らない時間」によって、地域の貴重な原生林が奇跡的に守られてきました。
かつては飲料水の供給源として厳格に管理されていたため、周囲の開発から免れたこの地は、現在では野生動物の聖域となっており、訪れる人々に心安らぐひとときを提供しています。

主要な事実(Key Facts)
- 総面積:1,005ヘクタール(約2,480エーカー)
- 主な特徴:運用を停止した2つの貯水池(デビルベンドおよびビターン)を擁する
- 生態学的価値:モーニントン半島で数少ない原生植生の残存地であり、200種以上の在来植物が自生
- 重要鳥類地域(IBA):国際的に重要な鳥類保護区として認定されている
- アクセス:ハイキング、サイクリング、釣り、ボート(指定区域のみ)が可能
歴史と変遷:水供給施設から自然保護区へ
この地域の歴史は、水資源の確保と共にありました。1930年代に建設された小規模なビターン貯水池に続き、1965年には最大容量14,600MLを誇る大規模なデビルベンド貯水池が完成しました。これらは長らく地域の飲料水バックアップとして機能していましたが、2000年12月にカーディニア貯水池からのパイプラインが整備されたことで、その役割を終えました。

その後、2006年に土地の大部分がパークス・ビクトリア(Parks Victoria)へ移管され、2007年3月8日に正式に自然特性保護区として指定されました。2012年には、約160万ドルの予算を投じた6年間にわたる環境整備を経て、一般公開が再開されました。これにより、舗装道路や駐車場、バーベキュー施設などのインフラが整い、観光地としての魅力が高まりました。

比類なき自然環境と野生動物
モーニントン半島の原生林の多くは消失し、現在はわずか5%未満しか残っていないとされています。その中でデビルベンドは、低地森林や草原などの貴重な断片を保持する数少ない場所の一つです。ここでは、ランや水生植物を含む200種以上の在来種が確認されています。
特に鳥類にとって重要な拠点となっており、世界的に絶滅が危惧されるアオハシガモ(blue-billed duck)の世界個体数の1%以上が季節的に飛来するため、BirdLife Internationalによって「重要鳥類地域(IBA)」に指定されています。また、半島内で唯一のシロハラウミワシの営巣地としても知られています。

鳥類以外にも、絶滅危惧種のクロガエル(growling grass frog)やドワーフ・ガラクシア(小型の淡水魚)などが生息しており、生物多様性の宝庫となっています。

レクリエーションとアクティビティ
ハイキングとサイクリング
保護区内には、多様なレベルに合わせたトレイルが整備されています。短距離の「ウェスタン・ショアライン・トラック(1.2km)」から、貯水池を一周し低地森林を抜ける「デビルベンド・サーキット・トラック(11.5km)」まで、静かな水辺の景色を楽しみながら散策できます。すべてのトレイルでサイクリングが可能であり、車椅子などの利用にも配慮した設計となっています。
釣り(フィッシング)
デビルベンドおよびビターンの両貯水池では、ゲームフィッシュの放流が行われています。ニジマスやブラウントラウトなどの外来種に加え、オーストラリアバスなどの在来種も釣ることができます。ただし、釣りは指定された5つのゾーンに限定されており、18歳から69歳までの大人はレクリエーション釣り免許が必要です。

ボートとその他の活動
カヌー、カヤック、サップ(SUP)などの非動力船は、ダーンガーン・ポイント西側の指定区域(約33ヘクタール)でのみ利用可能です。また、南側の境界付近には、乗馬専用のトレイル(6.2km)も設けられています。

施設概要まとめ
| 項目 | 詳細・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| ピクニックエリア | ダーンガーン・ポイントにテーブル、シェルター、電気BBQあり | 飲水機はないため持参が必要 |
| トレイル | ウェスタン・ショアライン、ダーンガーン・ポイント、サーキット | サイクリング可 / ペット不可 |
| 釣り | 指定の5つのゾーンで可能 | 免許が必要(対象年齢) |
| ボート | 非動力船のみ(指定区域内) | 黄色いブイで境界を識別 |
Frequently Asked Questions
ペットを連れて散歩することはできますか?
いいえ、野生動物の保護と生態系の維持のため、犬を含むペットの立ち入りは禁止されています。
釣りをするために必要な準備はありますか?
18歳から69歳の方は、ビクトリア州のレクリエーション釣り免許を所持している必要があります。また、釣りが許可されているのは指定された5つのゾーンのみですのでご注意ください。
ボートを湖のどこにでも出せますか?
いいえ。カヌーやカヤックなどの非動力船のみ、ダーンガーン・ポイント西側の指定されたボートゾーン(約33ヘクタール)でのみ利用可能です。
どのような野生動物に出会えますか?
アオハシガモやシロハラウミワシなどの希少な鳥類のほか、クロガエルやアオアシトカゲ、ハリモグラなどが生息しています。
飲用水の提供はありますか?
ピクニックエリアに設備はありますが、飲水機(ウォーターファウンテン)は設置されていません。十分な飲料水を各自で持参してください。
References
- Anon (2010). Devilbend Natural Features Reserve, Management Plan (PDF). Melbourne: Parks Victoria. .
- "Recent Conditions and Happenings in Rural Areas: Agricultural". . No. 3434. Victoria, Australia. 22 July 1933. p. 52 (FIRST EDITION). Retrieved 5 March 2017 – via National Library of Australia., ...An application for £10,000 will be made to make an open cut from Bittern Reservoir, now being constructed, to Dromana, 15 miles away...
- "COUNTRY SECTION". . No. 24, 562. Victoria, Australia. 2 January 1934. p. 10. Retrieved 5 March 2017 – via National Library of Australia.
- "PENINSULA WATER Position Alarming". . No. 28, 863. Victoria, Australia. 23 February 1939. p. 9. Retrieved 5 March 2017 – via National Library of Australia., ...Already the Bittern reservoir had been completed...
- "Devilbend Reservoir and Environs". National Trust of Australia - Victoria. Retrieved 17 June 2011.
- Devilbend Natural Features Reserve Archived 26 September 2019 at the , Vic.gov.au (accessed on 26 September 2019)
- Mike Hast, Devilbend open but doubts remain, Mpnews.com.au, 22 November 2012 (accessed on 26 September 2019)
- Devilbend Reservoir, Vic.gov.au, 2012 (accessed on 26 September 2019)
- "IBA: Devilbend Reservoir". Birdata. Birds Australia. Archived from the original on 6 July 2011. Retrieved 17 June 2011.
- Oarsome news for paddlers at Devilbend, Mpnews.com.au, 5 December 2017 (accessed on 26 September 2019)
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