自然界に点在する巨大な岩石は、単なる「石」ではなく、地質学的にはボルダー(boulder)という明確な定義に基づいた分類がなされています。私たちの日常的な感覚では、人が動かせないほどの大きな岩を指しますが、科学的な視点ではそのサイズが重要な基準となります。
Key Facts
- 地質学的な定義では、直径が25.6cm(10.1インチ)を超える岩片をボルダーと呼びます。
- 氷河によって運ばれ、元の地層とは異なる場所に置かれた岩は「迷い石(glacial erratics)」と呼ばれます。
- ボルダーよりも小さい岩片は、コブル(cobble)やペブル(pebble)として区別されます。
- 浸食作用によって地表に露出した巨大なボルダー群が、世界各地で独特の景観を作り出しています。
ボルダーの定義と分類
地質学において、岩石の破片はサイズによって厳格に分類されています。直径25.6cmを境界線として、それを上回るものがボルダーに該当します。一方で、これより小さいものは「コブル(卵石)」や「ペブル(小礫)」と呼ばれます。
一般的に、ボルダーと聞いて想像するのは人間が到底動かせないほどの巨岩ですが、定義上の最小サイズに近いものは、手で転がしたり動かしたりすることが可能です。しかし、日常会話においては、単に「岩」や「石」と呼ばれることが多いサイズ感と言えるでしょう。

ボルダーが形成されるメカニズム
氷河による運搬と「迷い石」
かつて氷床に覆われていた北米北部、スカンジナビア、シベリアなどの地域では、迷い石(glacial erratics)と呼ばれる特異なボルダーが多く見られます。これは、前進する氷河が岩石を巻き込み、長い距離を運んだ後、氷が融解した際にその場に残されたものです。
これらの岩が「迷い石」と呼ばれる理由は、その岩石の組成が、現在置かれている場所の基盤岩(ベッドロック)とは全く異なる種類であることが一般的だからです。例えば、ロシアのサンクトペテルブルクにある「青銅の騎士像」の台座には、このような迷い石が利用されています。

浸食による露出と堆積
氷河以外にも、長い年月をかけた浸食作用によって巨大なボルダーが地表に現れることがあります。オーストラリアのノーザンテリトリーにある「デビルズ・マーブル」や、ニュージーランドのホレケ玄武岩地帯(谷全体がボルダーで構成されている場所)、英領バージン諸島のヴァージンゴルダ島にある「ザ・バス」などがその代表例です。

また、ボルダーサイズの砕屑物(クラス)は、粗粒な礫岩やボルダークレイ(巨礫混じりの粘土)といった堆積岩の中にも含まれています。

岩石サイズの比較まとめ
| 分類名 | サイズ基準(直径) | 特徴 |
|---|---|---|
| ボルダー (Boulder) | 25.6 cm 超 | 最大級の岩片。氷河運搬や浸食で露出する。 |
| コブル (Cobble) | 25.6 cm 以下 | 中程度の大きさの礫。 |
| ペブル (Pebble) | さらに小規模 | 小礫。河川などでよく見られる。 |
Frequently Asked Questions
ボルダーと普通の石の違いは何ですか?
地質学的な最大の違いはサイズです。直径が25.6cmを超えているものがボルダーと定義されます。それ以下のものはコブルやペブルと呼ばれます。
「迷い石」とはどのような岩のことですか?
氷河によって運ばれ、もともとその場所にあった岩石(基盤岩)とは異なる種類である岩のことです。氷河が溶けた後に取り残されたため、周囲の地質と不一致な状態で存在します。
ボルダーはどのようにして作られますか?
主に、氷河による運搬、風雨や水による周囲の柔らかい岩層の浸食、あるいは堆積プロセスなど、さまざまな地質学的要因によって形成されます。
ボルダーという言葉の由来は何ですか?
中英語の「bulderston」やスウェーデン語の「bullersten」に由来しており、古くは「bowlder」と綴られていました。
References
- Neuendorf, K.K.E.; Mehl, J.P. Jr.; Jackson, J.A., eds. (2005). Glossary of Geology (5th ed.). Alexandria, Virginia: American Geological Institute. p. 79. .
- "Boulder". . Retrieved 30 November 2025.
- boulder. (n.d.) Online Etymology Dictionary. Retrieved December 9, 2011, from Dictionary.com website.
- "Bowlder". Webster's Revised Unabridged Dictionary (1913). Retrieved 30 November 2025.
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