This fused quartz sphere was manufactured for use in a gyroscope in the Gravity Probe B experiment. It is one of the most accurate spheres ever manufactured, deviating from a perfect sphere by no more than 40 atoms of thickness.[1]
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合成石英ガラス(Fused Quartz)の特性と産業応用究極の純度と耐熱性を実現する素材

🗓 2026年8月10日

現代の精密工業や科学研究において、極めて高い純度と過酷な環境への耐性が求められる場面があります。そこで不可欠な素材となるのが合成石英ガラスFused Quartz / Fused Silica)です。これは、ほぼ純粋な二酸化ケイ素(SiO₂)を非晶質(アモルファス)状態で固めたガラスであり、一般的なソーダ石灰ガラスやホウケイ酸ガラスとは根本的に異なる物理的・化学的特性を持っています。

一般的なガラスは、融点を下げたり強度を調整したりするために様々な添加物を混ぜますが、石英ガラスは純粋なシリカのみで構成されるため、非常に高い融点と優れた化学的安定性を誇ります。この特性が、最先端の光学機器から宇宙開発、半導体製造に至るまで、幅広い専門分野での採用を可能にしています。

Key Facts

  • 極めて高い純度:ほぼ純粋な二酸化ケイ素で構成され、不純物が極めて少ない。
  • 優れた耐熱衝撃性:熱膨張係数が非常に低いため、急激な温度変化でも割れにくい。
  • 広範な透過波長:紫外線(UV)から近・中赤外線まで広い範囲の光を透過させる。
  • 強力な化学耐性:フッ化水素酸を除くほぼすべての酸に対して不活性である。
  • 高精度な加工性:極めて滑らかな研磨が可能で、理想的な鏡面を作成できる。

石英ガラスの製造プロセスと種類

石英ガラスは、高純度の石英砂(水晶)を約2200°Cという超高温で融解させることで製造されます。加熱方法や原料によって、主に以下の4つのタイプに分類されます。

  • タイプI:真空または不活性ガス雰囲気下で、天然石英を電気的に溶解。
  • タイプII:高温の炎を用いて石英結晶粉末を融解。
  • タイプIII:水素・酸素炎の中で四塩化ケイ素(SiCl₄)を燃焼させて生成。
  • タイプIV:水蒸気を含まないプラズマ炎を用いて四塩化ケイ素を燃焼。

特に「合成石英(Fused Silica)」と呼ばれるものは、化学的な前駆体から連続的に製造されるため、不純物が極めて少なく、深紫外線領域での透過率が大幅に向上しています。

製造過程で混入するアルミニウムやチタンなどの不純物は紫外線透過率に影響し、また水分の混入(水酸基 OH の形成)は赤外線透過率を低下させます。そのため、用途に応じて「UVグレード」や「IR(赤外線)グレード」といった最適化された製品が使い分けられています。

Fused quartz laboratory glassware

卓越した物理的・光学的特性

熱的安定性と機械的強度

石英ガラスの最大の特徴の一つは、熱膨張係数が極めて低い(約5.5 × 10⁻⁶/K)ことです。これにより、激しい温度変化にさらされても内部応力が発生しにくく、熱衝撃による破損を回避できます。また、高い軟化点(約1665°C)を持つため、超高温環境下でも形状を維持できます。

光学的な透過性と屈折率

純粋なシリカは、一般的なガラスでは吸収されてしまう紫外線や赤外線を効率よく透過させます。屈折率は可視光域で約1.4585と低く、アッベ数は67.8と高いため、色分散が非常に少ないのが特徴です。これは、結晶質の石英(水晶)が複屈折を持つこととは対照的な性質です。

Phosphorescence in fused quartz from an extremely intense pulse of UV light in a flashtube, centered at 170 nm

多岐にわたる産業応用

精密光学と天文学

その予測可能な挙動と超高精度な研磨性能から、望遠鏡の主鏡などの一次面鏡の基材として理想的です。また、紫外線写真用の特殊レンズ(例:ニコンのUV-Nikkorなど)にも採用されています。

60 inches (150 cm) fused quartz mirror blank for the McMath–Pierce solar telescope in 1962

2.4 meter fused quartz mirror of the Hubble Space Telescope

宇宙・深海探査と防衛

物理的な強度と耐熱性が極めて高いため、スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)の窓、さらには深海潜水艇(バチスフィア等)の観測窓に使用されてきました。また、複合装甲の開発にも応用されています。

This fused quartz sphere was manufactured for use in a gyroscope in the Gravity Probe B experiment. It is one of the most accurate spheres ever manufactured, deviating from a perfect sphere by no more than 40 atoms of thickness.[1]

半導体・電子デバイス

半導体製造におけるフォトリソグラフィ用の投影マスク基板として、その熱安定性とUV透過性が活用されています。また、紫外線照射でデータを消去するEPROM(消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ)の透明な窓部分にも、UV透過性の高い石英ガラスが用いられています。

An EPROM with fused quartz window in the top of the package

その他の特殊用途

  • 照明:高輝度・長寿命を実現するハロゲンランプや高輝度放電ランプの外殻。
  • 通信:光ファイバーの主要な原材料。
  • 産業用耐火材:製鋼や鋳造で使用されるるつぼ、トレイ、ローラーなどの耐火形状。
  • 音響機器:低減衰特性を活かしたグラスハープや高Q値共振器。
  • 科学研究:レーザー共振器や、極限環境下の化学実験用器具。

Fused quartz laser cavities for comb frequency generation

石英ガラスの主要特性まとめ

合成石英ガラスの物理的・光学的特性一覧
特性項目 数値・詳細
密度 2.203 g/cm³
モース硬度 5.3 ~ 6.5
熱膨張係数 (20–320 °C) 5.5 × 10⁻⁶ /K
軟化点 約 1665 °C
屈折率 (nd) 1.4585 (587.6 nm)
アッベ数 (Vd) 67.82
透過範囲 160 nm ~ 5000 nm (最適域: 180 ~ 2700 nm)
電気抵抗率 > 10¹⁰ Ω·m

Frequently Asked Questions

合成石英(Fused Silica)と石英ガラス(Fused Quartz)の違いは何ですか?

一般的にこれらは同じ意味で使われますが、厳密には製造方法が異なります。石英ガラスは天然の石英砂を融解させたものを指し、合成石英は化学的な前駆体から合成されたものを指します。合成石英の方が不純物が極めて少なく、特に深紫外線領域での透過率に優れています。

なぜ石英ガラスは急激な温度変化で割れないのですか?

熱膨張係数が極めて低いためです。物質は温度が変わると膨張または収縮しますが、石英ガラスはその変化量が非常に小さいため、素材内部に大きな温度差(熱応力)が生じにくく、結果として熱衝撃に非常に強い特性を持ちます。

どのような化学物質に弱い素材ですか?

ほとんどの酸に対して非常に強い耐性を持ちますが、唯一、フッ化水素酸(HF)には非常に弱く、低濃度であっても激しく反応して腐食されます。

UVグレードとIRグレードの使い分けはどのように決まりますか?

透過させたい光の波長で決定します。UVグレードは金属不純物を極限まで減らして短波長の紫外線を透過させ、IRグレードは製造過程での水分(水酸基)を排除することで、赤外線領域での吸収を抑え透過率を高めています。

結晶質の石英(水晶)との違いは何ですか?

化学組成(SiO₂)は同じですが、構造が異なります。水晶は規則正しい結晶構造を持つため複屈折などの特性がありますが、石英ガラスは不規則な非晶質(アモルファス)構造であるため、光学的に等方性であり、屈折率も低くなります。

References

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  2. "Quartz vs. Fused Silica: What's the Difference?". Swift Glass. 2015-09-08. Retrieved 2017-08-18.
  3. De Jong, Bernard H. W. S.; Beerkens, Ruud G. C.; Van Nijnatten, Peter A. (2000). "Glass". Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. :10.1002/14356007.a12_365.  .
  4. Kitamura, Rei; Pilon, Laurent; Jonasz, Miroslaw (2007-11-19). "Optical Constants of Silica Glass From Extreme Ultraviolet to Far Infrared at Near Room Temperatures" (PDF). Applied Optics. 46 (33): 8118–8133. :2007ApOpt..46.8118K. :10.1364/AO.46.008118.  18026551.  17169097. Retrieved 2014-07-12.
  5. Chemical purity of fused quartz / fused silica, www.heraeus-quarzglas.com
  6. Varshneya, Arun K. (2019). Fundamentals of inorganic glasses. John C. Mauro. Amsterdam: Elsevier S & T.  .  1101101049.
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  8. Salem, Jonathan (2012). "Transparent Armor Ceramics as Spacecraft Windows". Journal of the .
  9. Evaluation of Siliceous Cored Armor for the XM60 Tank Archived June 5, 2011, at the
  10. "Intel 1702A 2K (256 x 8) UV Erasable PROM" (PDF).

📸 フォトギャラリー

This fused quartz sphere was manufactured for use in a gyroscope in the Gravity Probe B experiment. It is one of the most accurate spheres ever manufactured, deviating from a perfect sphere by no more than 40 atoms of thickness.[1]
60 inches (150 cm) fused quartz mirror blank for the McMath–Pierce solar telescope in 1962
Fused quartz laboratory glassware
2.4 meter fused quartz mirror of the Hubble Space Telescope
Fused quartz laser cavities for comb frequency generation
An EPROM with fused quartz window in the top of the package
Phosphorescence in fused quartz from an extremely intense pulse of UV light in a flashtube, centered at 170 nm