地球を構成する鉱物の中で、長石に似た外見を持ちながら異なる化学的性質を持つグループにフェルスポイド(長石様鉱物)があります。これらはテクトケイ酸塩(三次元網目構造を持つケイ酸塩鉱物)の一種であり、特にシリカ(二酸化ケイ素)の含有量が極めて低いことが大きな特徴です。
一般的に、フェルスポイドは非常に稀な種類の火成岩の中に形成されます。化学的な性質上、一次的な石英(クォーツ)を含む岩石の中にはほとんど出現しません。ただし、例外的にレッドヒル正長岩(Red Hill Syenite)のように、フェルスポイドと石英が共存する特殊な岩石も存在します。
Key Facts
- 低シリカ含有量:長石に似ているが、シリカの量が著しく少ない。
- 石英との不共存:通常、一次的な石英を含む岩石には見られない。
- 火成岩の分類:フェルスポイドを最大60%含む火成岩は「フォイド(Foid)」と呼ばれる。
- 分類体系:火成岩のQAPF分類(Streckeisen分類)において重要な指標となる。
火成岩における「フォイド」の定義と分類
地質学の分野では、フェルスポイドという言葉を短縮して「フォイド(Foid)」と呼び、これを主成分とする岩石の分類に用います。具体的には、モード組成(体積比)においてフェルスポイド鉱物を最大60%まで含む火成岩を指します。
例えば、正長岩(サイエナイト)に相当する岩石にネフェリンが大量に含まれている場合、それは「ネフェリン正長岩」あるいは「ネフェリン含有正長岩」と定義されます。この「ネフェリン」の部分は、含まれている他のフェルスポイド鉱物の種類に応じて置き換えられます。このような命名法は、火成岩を分類する標準的な手法であるQAPF分類(Streckeisen分類)に基づいています。
主要なフェルスポイド鉱物の種類
フェルスポイドグループには、化学組成や結晶構造が異なる多様な鉱物が含まれます。以下に代表的なものを挙げます。
単独の主要鉱物
- ネフェリン:シリカが不足したアルミノケイ酸塩鉱物。
- ロイサイト:カリウムとアルミニウムを含むテクトケイ酸塩鉱物。
- カルシライト:ガラス光沢を持つ白色から灰色の鉱物。
- アナルサイト:ゼオライトグループに属する鉱物。
- アフガナイト:テクトケイ酸塩構造を持つ鉱物。
- カンクリン:フェルスポイドグループに属する鉱物。
ソーダライトグループ
特に青色などの鮮やかな色を持つことが多いグループです。
- ソーダライト:青色のテクトケイ酸塩鉱物。
- ラズライト:青色のアルミノケイ酸塩鉱物。この色は銅ではなく、硫化物種に由来します。
- ハウイン:希少なフェルスポイド鉱物。
- ノゼアン:フェルスポイドグループの一種。
- タグトゥパイト:ソーダライトグループに属する鉱物。
フェルスポイド鉱物のまとめ
| 鉱物名 | 主な特徴・分類 |
|---|---|
| ネフェリン | シリカ不足のアルミノケイ酸塩 |
| ロイサイト | KおよびAlを含むテクトケイ酸塩 |
| ソーダライト | 青色のテクトケイ酸塩(ソーダライト群) |
| ラズライト | 硫化物由来の青色を持つアルミノケイ酸塩 |
| アナルサイト | ゼオライト鉱物 |
Frequently Asked Questions
フェルスポイドと長石の決定的な違いは何ですか?
どちらもテクトケイ酸塩ですが、フェルスポイドは長石よりもシリカ(SiO2)の含有量が大幅に少ないことが最大の違いです。
なぜフェルスポイドは石英と一緒に見つからないことが多いのですか?
化学的な組成が相反するためです。フェルスポイドはシリカが不足した環境で形成されるため、シリカが豊富な石英とは通常共存しません。
「フォイド」とは何を指す言葉ですか?
フェルスポイド(Feldspathoid)の短縮形であり、地質学ではフェルスポイド鉱物を最大60%まで含む火成岩を指す用語として使われます。
ラズライトの青色は何によって決まっていますか?
多くの青い鉱物は銅を含んでいますが、ラズライトの青色は銅ではなく、含まれている硫化物種によるものです。
QAPF分類とはどのようなものですか?
火成岩を、石英(Q)、アルカリ長石(A)、斜長石(P)、およびフェルスポイド(F)の含有量に基づいて分類する体系的な手法です。
References
- "The Feldspathoid Group of Minerals". Amethyst Galleries' Mineral Gallery. Amethyst Galleries, Inc. Retrieved 6 Jul 2015.
- Allaby, Ailsa; Allaby, Michael (1999). A Dictionary of Earth Sciences. .