Officer of the French Republican Guard with epaulettes
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エポレット(肩章)の歴史と役割軍装から現代のユニフォームまで

🗓 2026年8月9日

軍服や制服の肩に見られる装飾的なパーツエポレット(Epaulette)は、単なる飾りではなく、着用者の階級や所属を示す重要なシンボルです。フランス語で「小さな肩」を意味するこの装飾は、時代とともにその形態と目的を変化させ、現代では航空業界や救急サービスなどの専門職のユニフォームにも受け継がれています。

もともとは実用的な目的から始まったエポレットですが、次第に権威の象徴となり、金や銀の房(フリンジ)を用いた豪華なデザインへと進化しました。現代では、実戦的な迷彩服では簡素な「肩マーク」へと移行していますが、儀礼用の礼装では今なおその伝統的な姿を留めています。

Key Facts

  • 定義: 肩に装着する装飾的な階級章。金属製の柔軟なものは「ショルダースケール」と呼ばれる。
  • 起源: 17世紀末の軍服に付けられていた、肩ベルトのずり落ちを防ぐためのリボンが原型。
  • 機能: 色、形状、房の太さや長さによって、階級や兵科を識別させる。
  • 現代の利用: 軍の礼装のほか、パイロットの制服や救急隊員のグレード表示に使用されている。

エポレットの構造と装着方法

エポレットは通常、肩の縫い目に沿ったストラップ(パスネテン)や、襟に近いボタンで固定されます。また、コートの肩にある穴に紐を通して裏側から固定する場合もあります。デザイン面では、肩パーツと房の接合部に三日月形の金属パーツが配置されることが多く、この房の直径や素材が階級を決定づける重要な要素となります。

一般的に、エポレットは正装や儀礼用の制服に限定して使用されます。一方で、現代の軍服でよく見られる平らな布製のスリーブ(ランクスライド)は、厳密にはエポレットとは異なりますが、日常的に混同して呼ばれることが多いパーツです。

Components and structure of the epaulette of an Imperial Russian lieutenant-colonel, 46th Artillery Brigade 1. Lining 2. Button 3. Spine 4. Attente/shoulder strap 5. Stars (or pips) 6. Branch insignia 7. Field 8. Unit number 9. Neck (bezel) 10. Fringe[clarification needed per discussion]

歴史的変遷:リボンから権威の象徴へ

エポレットの直接的なルーツは、17世紀後半の軍服に見られたリボンの束にあります。当初は装飾であると同時に、肩から掛けるベルトが滑り落ちるのを防ぐという実用的な役割を持っていました。このリボンを結び、端を垂らしたスタイルが、後のエポレットの基本設計となりました。

Louis XIV wearing shoulder ribbons, an early type of epaulette of the late 17th century

18世紀に入ると、フランス軍をはじめとする各国軍で階級表示として採用されました。例えば、左右どちらの肩に付けるか、あるいは両肩に付けるかによって、その人物がどのような階級にあるかを判別できたのです。また、房のない「カウンターエポレット」を反対側の肩に付ける形式も現れました。素材についても、将校には金や銀、兵卒には兵科ごとの色分けがなされた布製が用いられました。

19世紀には、金属製の柔軟なプレート状のエポレット(ショルダースケール)が流行しました。これらは米国陸軍の騎兵や歩兵、砲兵などで1854年から1872年にかけて採用されていましたが、主に正装用であり、戦地で着用されることは稀でした。

Maj. Gen. Charles Griffin wearing epaulettes during the American Civil War

兵科による多様なデザイン

ナポレオン戦争期から19世紀にかけて、ヨーロッパの軍隊では専門兵種を区別するために多様なエポレットが導入されました。擲弾兵(てきだんへい)や軽歩兵などは、一般の歩兵と区別するために色とりどりのウール製フリンジを着用しました。また、重砲兵は弾薬を模した小さな球状の装飾を肩に配するなど、視覚的な識別性を高めていました。

Belgian Grenadiers with red fringed epaulettes

世界各国のエポレット文化

フランスとベルギー

フランスでは、1914年まで歩兵将校は金、騎兵将校は銀のエポレットを着用していました。現代でも、サンシール軍事学校や共和国親衛隊など、19世紀の伝統を継承する部隊で着用されています。また、ベルギーのグレナディア(擲弾兵)は、鮮やかな赤色のエポレットを着用することが特徴です。

Officer of the French Republican Guard with epaulettes

ドイツとロシア

ドイツ帝国軍では、第一次世界大戦まで銀色のエポレットが正装の象徴でした。特に将官には太い房が付けられ、その基部には連隊の色が配されていました。また、1919年から1945年にかけては、シニア将校向けに「ショルダーノット」と呼ばれる、8の字型に編み込まれた装飾が用いられました。

Epauletten, and the corresponding shoulder knots of the German Empire 1871-1918

ロシア帝国では、陸海軍ともに非常に多様なエポレットが運用されていました。歩兵、近衛兵、騎兵など、それぞれの身分や階級に応じて厳格にデザインが分けられており、その伝統は現在のクレムリン連隊にも受け継がれています。

Types of epaulette of the Russian Empire

イギリスとアメリカ

イギリス海軍では1795年に正式に導入され、星の数や房の形式で階級を区別していました。陸軍では1855年に豪華な房付きエポレットが廃止され、より簡素な「ショルダーコード」に移行しましたが、一部の伝統的な儀仗隊では今も房付きのものが維持されています。

アメリカ海軍では1797年の最初の制服規定からエポレットが認められていました。19世紀半ばには、長さによって階級を区別する仕組みが導入され、例えば2.5インチの長さは助軍医などの特定の階級を示していました。

Close-up image of military epaulettes

また、イギリス軍では戦地での狙撃を避けるため、目立つ肩の装飾を廃止し、袖口や胸元に階級章を移動させるなどの実用的な変更が行われました。

Epaulettes of Provo Wallis, Maritime Command Museum, CFB Halifax
Shoulder mark of a contemporary British OG (Olive Green) pullover with RAF Sergeant insignia. The shoulder strap is attached with hook-and-loop fastener.

現代におけるエポレットの形態

現代の軍服では、豪華なエポレットはほぼ完全に「ショルダーボード(肩板)」に置き換わりました。これは肩の縫い目に縫い付けられた5角形の布製フラップで、ボタンで固定する形式です。さらにそこから発展したのが「ショルダーマーク」で、布製のチューブ状のパーツをストラップに通し、そこに刺繍やピンで階級章を付けることで、状況に応じて容易に階級を変更できるようになっています。

この形式は民間業界にも広がりました。特に航空機のパイロットの制服では、肩のストライプの数で階級(機長、副操縦士など)を示します。また、救急サービスなどの医療専門職でも、臨床グレードを識別するために緑色のエポレットが使用されることがあります。

種類 主な特徴 主な用途
伝統的エポレット 金・銀の房(フリンジ)付き 軍の礼装、儀仗隊、式典
ショルダースケール 柔軟な金属製プレート 19世紀の軍装(正装)
ショルダーボード 平らな布製フラップ 現代の軍服、制服の基本形
ショルダーマーク 着脱可能な布製スリーブ 現代の実戦服、パイロット制服

Frequently Asked Questions

エポレットとショルダーマークの違いは何ですか?

エポレットは一般的に房(フリンジ)などの装飾を持つ肩飾りを指し、主に礼装に用いられます。一方、ショルダーマーク(またはランクスライド)は、肩のストラップに通して使用する平らな布製の階級表示であり、実用的な日常服に用いられます。

なぜ昔の軍服には豪華なエポレットが付いていたのですか?

もともとはベルトの固定という実用的目的でしたが、次第に遠くからでも指揮官を識別できるようにするため、また着用者の権威と地位を視覚的に示すための象徴として豪華に発展しました。

パイロットの制服にある肩の線は何を意味していますか?

これはエポレットの現代的な派生形であり、線の数で階級を示しています。一般的に4本が機長、3本が副操縦士(ファーストオフィサー)などを指しますが、詳細な規定は航空会社によって異なります。

エポレットは現代の戦闘服でも使われていますか?

いいえ、現代の戦闘服では、目立つ装飾は狙撃の標的になるため避けられています。そのため、房付きのエポレットは使われず、簡素な布製ストラップや、胸元に配置された階級章へと変更されています。

エポレットの素材にはどのようなものが使われていましたか?

将校用には金や銀の金属糸(ブリオン)が多用され、兵卒用には赤、緑、黄などの色分けされたウールや布地が使用されていました。また、一部の騎兵隊では剣撃から肩を守るためにチェーンメイル(鎖帷子)素材が使われた例もあります。

References

  1. "Definition of EPAULET". . Retrieved 30 April 2017.
  2. “Uniform Dress Guidelines”. Canadian Coast Guard. ver 26 06/27/08, p. 7
  3. Carman, W. Y. (1977). A Dictionary of Military Uniform. p. 100.  .
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  5. John Mollo, page 49 "Military Fashion",  
  6. Wilkinson-Latham, R: The Royal Navy 1790–1970, page 5. Osprey Publishing, 1977
  7. Frazier Tharpe (27 May 2014). "10 Clothing Items That Will Definitely Make You Look Dated". .
  8. André Jouineau, Officers and Soldiers of the French Army 1914,  
  9. Gaujac, Paul (2012). Officers et Soldats de L'Armee Francaise. p. 9.  .
  10. page 590, Volume XXVII, Encyclopædia Britannica, Eleventh Edition

📸 フォトギャラリー

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Components and structure of the epaulette of an Imperial Russian lieutenant-colonel, 46th Artillery Brigade 1. Lining 2. Button 3. Spine 4. Attente/shoulder strap 5. Stars (or pips) 6. Branch insignia 7. Field 8. Unit number 9. Neck (bezel) 10. Fringe[clarification needed per discussion]
Louis XIV wearing shoulder ribbons, an early type of epaulette of the late 17th century
Close-up image of military epaulettes
Belgian Grenadiers with red fringed epaulettes
Epaulettes of Provo Wallis, Maritime Command Museum, CFB Halifax
Epauletten, and the corresponding shoulder knots of the German Empire 1871-1918
Types of epaulette of the Russian Empire
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