ロックンロールの帝王エルヴィス・プレスリーが1960年に発表した名曲『It's Now or Never』は、アメリカとイギリスの両国で驚異的な成績を収めました。この楽曲がどのようにしてチャートを席巻し、時代を超えて愛されるスタンダードとなったのか、その詳細な軌跡を辿ります。

主要な実績(Key Facts)

  • 全米1位:ビルボードHot 100で5週連続の首位を獲得。
  • 全英初の1位:Record Retailer(現UKシングルチャート)の史上初の1位曲となった。
  • クリスマス記録:1960年のイギリスにおけるクリスマス・ナンバーワンを達成。
  • 長期的な人気:プレスリーの没後や再リリース後も、数十年を経て再びチャートに登場。

アメリカにおける快進撃

1960年7月18日、本作はビルボードHot 100に44位で初登場しました。その後、急速に順位を上げ、14位から3位へと上昇。そして8月15日からは、5週間にわたってチャートの頂点に君臨し続けました。

この全米1位を独占していた期間、2位にはベンチャーズの『Walk, Don't Run』が位置していましたが、9月19日にチャビー・チェッカーの『The Twist』に首位を譲るまで、その地位を盤石なものにしていました。その後もトップ40に7週間留まり、11月14日にチャートアウトしましたが、ちょうどそのタイミングで次作『Are You Lonesome Tonight?』がデビューするという、完璧なリレー形式のヒットとなりました。

また、このシングルのB面曲であった『A Mess of Blues』も独立してチャート入りし、最高32位を記録しています。同時期には、プレスリーの元ベーシストが率いるビル・ブラック・コンボによる『Don't Be Cruel』のカバー版もチャートに登場していました。

イギリスでの歴史的快挙と異例の展開

イギリスでのリリースは、著作権に関する協議の影響で10月下旬まで遅れました。しかし、そのタイミングが絶妙に作用し、新設されたRecord Retailerチャート(現在のUKシングルチャート)において、史上初の1位獲得曲という歴史的な快挙を成し遂げました。

全英チャートでは8週間にわたって首位を維持。シャーレイ・バッシーやドリフターズといった強力なライバルを退け、1960年のクリスマス・ナンバーワンという栄誉を手にしました。その後、クリフ・リチャード&ザ・シャドウズに首位を譲り、1961年3月15日にトップ40から消えるまで、計18週間にわたってチャートに留まりました。

興味深いことに、イギリスではリリースの遅れからB面曲の『A Mess of Blues』が先にA面として扱われ、1960年9月21日に最高2位を記録するという、アメリカとは異なる展開を見せました。

時代を超えて蘇る名曲

この楽曲の生命力は、プレスリーの没後も衰えませんでした。1977年8月3日、彼の死に伴う追悼ムーブメントの中で再びUKトップ40に返り咲き、39位を記録しています。

さらに2005年2月5日には、過去の1位曲を週替わりで再リリースする企画により、再びイギリスで1位を獲得しました。これにより、プレスリーは21曲目の全英1位シングルを持つこととなり、新千年紀に入ってからの4回目の1位達成となりました。結果として、本作は全英トップ40に合計22週間ランクインしたことになります。

チャート成績まとめ

『It's Now or Never』および関連曲の主要チャート記録
地域 最高順位 特記事項
アメリカ (Hot 100) 1位 5週連続首位を記録
イギリス (Singles Chart) 1位 チャート史上初の1位曲、1960年クリスマス1位
アメリカ (A Mess of Blues) 32位 B面曲として独立してチャート入り
イギリス (A Mess of Blues) 2位 イギリスではA面としてリリース

Frequently Asked Questions

アメリカでのチャート1位はどのくらいの期間でしたか?

1960年8月15日から始まり、5週間にわたってビルボードHot 100の1位を維持しました。

イギリスのチャートにおいて、この曲にはどのような歴史的意味がありますか?

現在のUKシングルチャートの前身であるRecord Retailerチャートにおいて、史上初めて1位を獲得した楽曲であるという点に大きな歴史的価値があります。

B面曲の『A Mess of Blues』の扱いは国によってどう違いましたか?

アメリカではB面として最高32位を記録しましたが、イギリスではリリースのタイミングの関係でA面として扱われ、最高2位という高い成績を収めました。

プレスリーの没後、この曲は再びチャートに入りましたか?

はい。1977年8月にイギリスのトップ40に復帰し、39位を記録しました。

2005年に再び1位になったのはなぜですか?

過去に1位を獲得した楽曲を週ごとに再リリースするシリーズ企画の一環として発売され、その結果、再び全英チャートの頂点に立ちました。