ファンタジーTRPGの金字塔『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』において、ゴブリンは冒険者が最初に出会う代表的な敵役として知られています。小柄で弱々しい個体が多いものの、その数と狡猾さでプレイヤーを翻弄する彼らは、単なる「雑魚敵」以上の深い設定と長い歴史を持っています。
Key Facts
- 種族分類:ホブゴブリンやバグベアと共に「ゴブリンノイド」と呼ばれる人型生物の一種。
- 身体的特徴:身長は約91〜93cm、体重は18〜20kg。赤、オレンジ、黄色などの皮膚色を持つ。
- 社会的性質:強者が支配する部族社会を形成し、文明圏の近くで略奪を繰り返す。
- 信仰:多くの場合、戦争と支配の神であるマグルビエトを主神として崇める。
- ゲーム上の役割:低レベルキャラクター向けの導入戦(チュートリアル)として設計されている。
ゴブリンの身体的・社会的特徴
ゴブリンは非常に醜い外見を持つ小柄な人型生物です。平坦な顔に広い鼻、尖った耳、そして鋭い牙を持つ口が特徴的です。目は赤や黄色をしており、どこか虚ろな印象を与えます。腕が膝に届くほど長いという独特な体型をしていますが、直立歩行を行います。
彼らの社会は徹底した実力主義であり、部族内で最も強い個体がリーダーとして君臨します。集団の規模は数人の小グループから、最大で400人に及ぶ大部族まで様々です。また、彼らは単独で行動するよりも、狼やダイアウルフ、あるいはウォーグといった獣を騎乗して戦うことを好みます。
興味深い点として、ゴブリンの部族リーダーが必ずしもゴブリンであるとは限らないことが挙げられます。他のゴブリンノイドや全く異なる種族が、ゴブリンを使い捨ての兵士として利用し、支配しているケースが多々あります。
信仰と神話
多くの世界設定において、ゴブリンは戦争と支配を司る神マグルビエトを信仰しています。最新の設定では、マグルビエトは元々ゴブリンの祖先ではなく、彼らを征服して本来の妖精のような姿から堕落させた存在であるとされています。
他にも、奴隷や抑圧を司るクルゴルバエヤグや、協力と領土を司るバルグリヴィエクといった神々が信仰されています。また、亜種や親戚種によっては、忍耐の神メリアダーや、暴力の神フルゲクなど、多様な神々が崇拝の対象となっています。
![Maglubiyet, chief deity of goblins in most campaign settings[36]](/images/d0/cc/d0ccfa82d888a486795df97692a4f12a2f19cadf46e4d66d0f1f0f1a2e59afca.gif)
多様な亜種と特殊な個体
環境に適応した様々な亜種が存在し、雪原、水中、ジャングル、砂漠、北極など、あらゆる地形に特化したゴブリンが定義されています。また、通常のゴブリンとは一線を画す特殊な種族も存在します。
- ニルボグ(Nilbog):「Goblin」を逆さまに綴った名を持つ魔法的な個体。ダメージを受けると回復し、回復呪文を受けるとダメージを受けるという逆転現象を起こします。また、周囲に「パラドックス領域」を展開し、他者の行動を意図とは正反対の結果に変えてしまいます。
- ヴェルダン(Verdan):混沌とした魔法の力により絶えず変異し続ける種族。通常のゴブリンより背が高く、外見も怪物的な要素が少ないのが特徴です。寿命が200年以上と非常に長く、放浪の生活を送るため、他のゴブリンよりも寛容で暴力的な傾向が低いとされています。
D&Dにおける出版の歴史と影響
ゴブリンのルーツはJ.R.R.トールキンの『中つ国』に登場するゴブリンにありますが、D&Dではオークとは異なる独立した種族として定義されました。1974年の「ホワイトボックス」セットで初めて登場して以来、版を重ねるごとにその設定は深化しています。
初期の版では単純な小柄なモンスターとして描かれていましたが、次第に部族社会や文化的な背景が追加されました。また、モンスターとしてだけでなく、プレイヤーキャラクター(PC)として使用できるルールも複数の版で導入されており、非伝統的なキャラクター構築を楽しむプレイヤーに支持されています。
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 種族タイプ | 人型生物(Humanoid) |
| 一般的な属性 | 中立にして悪(Neutral Evil) |
| 平均身長 | 約91cm 〜 93cm |
| 平均体重 | 18kg 〜 20kg |
| 主な親戚種 | ホブゴブリン、バグベア |
外部メディアへの波及と評価
D&Dのゴブリン像は、後のファンタジー作品やゲームに多大な影響を与えました。例えば、テーブルトークウォーゲーム『Warhammer Fantasy Battle』などの描写にもその影が見て取れます。また、ウェブコミック『Goblins』や『The Order of the Stick』など、彼らを主役や重要な敵役として据えた作品も数多く存在します。
批評家の間では、戦闘能力の低さから「初心者向けのチュートリアル役」として最適であると評される一方で、近年の詳細な設定追加により、「単なる記号的なモンスターから、個性ある種族へと進化した」と高く評価されています。
Frequently Asked Questions
ゴブリンとオークは同じ種族ですか?
いいえ、D&Dの設定ではゴブリンとオークは別の種族です。ゴブリンはホブゴブリンやバグベアと共に「ゴブリンノイド」というグループに分類されます。
ゴブリンをプレイヤーキャラクターとして使うことはできますか?
はい、可能です。版やサプリメント(『Volo's Guide to Monsters』や『Monsters of the Multiverse』など)によってルールは異なりますが、多くの設定でPCとしての利用が認められています。
ニルボグの最大の特徴は何ですか?
あらゆる効果が「逆転」することです。ダメージで回復し、回復でダメージを受けるほか、周囲の者の行動を意図とは正反対の結果に書き換える能力を持っています。
ゴブリンが信仰している主な神は誰ですか?
最も一般的なのは、戦争と支配の神であるマグルビエトです。彼はゴブリンノイドを征服し、彼らの姿と性質を変えたとされる強力な神です。
ヴェルダンと普通のゴブリンは何が違うのですか?
ヴェルダンは魔法的な変異を繰り返す種族で、より背が高く、外見が人間的に近くなっています。また、寿命が非常に長く、気質も穏やかな傾向にあります。
References
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