クリケットの最高峰であるワールドカップへの切符を懸けて争われるのが、クリケット・ワールドカップ予選(正式名称:ICC Men's Cricket World Cup Qualifier)です。この大会は、国際クリケット評議会(ICC)が主催するワンデイ・インターナショナル(ODI:1日完結型の試合形式)形式のトーナメントであり、世界中のチームが本大会出場権を勝ち取るための最終段階として機能しています。
通常、ワールドカップ本大会の前年に開催されるこの予選は、単なる選考会以上の意味を持っています。過去には、ここでの成績がきっかけとなり、ICCの正会員(フルメンバー)として認められ、テスト・クリケットの出場資格を得るという、国家レベルのクリケット発展に直結した事例が数多くあります。
Key Facts
- 大会の目的:クリケット・ワールドカップ本大会への出場枠を決定する最終予選。
- 開始年:1979年に第1回大会が開催。
- 最多優勝国:ジンバブエ(3回優勝)。
- 現在の王者:スリランカ(2023年大会で2度目のタイトルを獲得)。
- 出場チーム数:2014年から2023年までは10チームだったが、2026年からは12チームに拡大予定。
- ODIステータス:2018年以降、参加チームの資格に関わらず、全試合にODIとしての公式記録が適用される。
大会形式の変遷と進化
1979年の創設当初、この大会は「ICCトロフィー」と呼ばれていました。初期の段階では、ICCの準会員(アソシエイトメンバー)のみが参加資格を持っていましたが、時代とともにその構造は複雑かつ公平な競争へと進化してきました。
2005年には地域予選が導入され、2007年には「ワールドクリケットリーグ(WCL)」が始動しました。特筆すべき転換点は2019年大会に向けた予選です。それまでは正会員チームに自動出場権が与えられていましたが、ODIチャンピオンシップの上位8チームのみに限定されたため、正会員チームが予選から出場するという新たな局面を迎えました。
その後、WCLは廃止され、現在はスーパーリーグ、リーグ2、チャレンジリーグといった階層的なリーグ戦を経て、この最終予選への出場権が決まる仕組みとなっています。
歴史的な成功者と記録
この予選大会は、新興国の台頭を象徴する舞台となってきました。特にジンバブエは1982年から1990年にかけて3連覇を達成し、圧倒的な強さを誇りました。また、スリランカ(1981年)、ジンバブエ(1992年)、バングラデシュ(2000年)の3カ国は、この大会での成功を経てICC正会員へと昇格した歴史を持っています。
個人記録では、アラブ首長国連邦のクラム・カーンが通算1,369得点を記録し、最多得点記録を保持しています。また、投球面ではオランダのローランド・レフェーブルが71ウィケット(アウト)を奪い、史上最高の成績を残しています。
| チーム名 | 優勝回数 | 準優勝回数 | 主な実績 |
|---|---|---|---|
| ジンバブエ | 3 | 1 | 1982-1990年に3連覇 |
| スコットランド | 2 | 2 | 2005年、2014年に優勝 |
| スリランカ | 2 | 2 | 1979年および2023年に優勝 |
| オランダ | 1 | 3 | 最多出場回数を誇る強豪 |
| アイルランド | 1 | 1 | 2009年に優勝 |
大会のハイライトと極端なスコア
試合内容においても、驚異的なスコアが記録されています。チーム最高得点としては、1986年にパプアニューギニアがジブラルタル相手に記録した455/9(60オーバー)が最高値です。一方で、1997年には東・中央アフリカ代表がオランダにわずか26得点で抑え込まれるという、対照的な記録も残っています。
個人の最高得点では、2014年にスコットランドのカラム・マクラウドがカナダ戦で記録した175得点が歴代1位となっています。また、投球ではアシン・カーン(オランダ)が7.2オーバーで7ウィケットを奪い、わずか9失点という驚異的な成績を収めています。
Frequently Asked Questions
クリケット・ワールドカップ予選とは何ですか?
ICCが主催する、ワールドカップ本大会への出場権を決定するための最終的な選考トーナメントです。かつては「ICCトロフィー」と呼ばれていました。
どのチームが最も成功していますか?
ジンバブエが3回の優勝を誇り、最も成功したチームとされています。次いでスコットランドとスリランカが2回ずつ優勝しています。
正会員チームも予選に出場しますか?
はい。以前は正会員に自動出場権がありましたが、現在はODIチャンピオンシップの上位チーム以外は予選に出場する必要があります。
この大会で優勝するとどのようなメリットがありますか?
最大のメリットはワールドカップ本大会への出場権獲得です。また、歴史的にはこの大会での好成績がICC正会員への昇格やテスト・ステータスの獲得につながる重要な指標となってきました。
試合形式はどのようなものですか?
ワンデイ・インターナショナル(ODI)形式で、1試合を1日で完結させる形式で行われます。2018年以降は、参加チームの資格に関わらず全ての試合にODIとしての公式記録が付与されます。
References
- ↑ "Qualification pathway for 14-team 2027 men's ODI World Cup approved". ESPNcricinfo. 17 November 2021. Retrieved 17 November 2021.
- ↑ "The road to World Cup 2023: how teams can secure qualification, from rank No. 1 to 32". ESPN Cricinfo. Retrieved 14 August 2019.
- ↑ "ICC awards Asia Cup ODI status". International Cricket Council. Retrieved 9 September 2018.
- ↑ "All Asia Cup matches awarded ODI status". ESPN Cricinfo. Retrieved 9 September 2019.
- ↑ "Records / ICC Cricket World Cup Qualifier (ICC Trophy) / Highest Totals". ESPNcricinfo. Retrieved 7 April 2023.
- ↑ "Records / ICC Cricket World Cup Qualifier (ICC Trophy) / Lowest Totals". ESPNcricinfo. Retrieved 7 April 2023.
- ↑ "Records / ICC Cricket World Cup Qualifier (ICC Trophy) / Most Runs". ESPNcricinfo. Retrieved 7 April 2023.
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- ↑ "Records / ICC Cricket World Cup Qualifier (ICC Trophy) / Best Bowling Figures in an Innings". ESPNcricinfo. Retrieved 7 April 2023.