Chuquicamata mine in 2016
← ホームへ戻る

Codelco(チリ国立銅業公社)世界最大の銅生産を支える国家企業の全貌

🗓 2026年8月13日

チリの経済的基盤を支えるCodelco(チリ国立銅業公社)は、世界で最も影響力を持つ銅採掘企業です。チリ政府が完全所有するこの国家企業は、単なる資源開発会社にとどまらず、国の財政に多大な貢献を果たす重要な役割を担っています。本記事では、その歴史的な成り立ちから、主要な鉱山、そして次世代の戦略的資源であるリチウムへの展開までを詳しく解説します。

Key Facts:Codelcoに関する重要事項

  • 世界最大規模: 世界最大の銅採掘企業であり、チリ政府が所有する国営企業。
  • 主要製品: 主に銅を生産し、副産物としてモリブデンなども抽出。
  • 戦略的転換: 2023年以降、国家リチウム戦略に基づきリチウム採掘へ進出。
  • 財政貢献: 剰余金はすべてチリ政府に還元される仕組みとなっている。
  • 直近の課題: 地盤工学的な問題による一部鉱山の生産量低下と、生産数水増し疑惑による監査。

Codelcoの歩みと組織構造

Codelcoのルーツは1955年に設立された「銅局(Departamento del Cobre)」に遡ります。その後、1966年にチリ銅業公社へと発展し、1971年の憲法改正による銅鉱山の国有化を経て、国内のすべての銅鉱山と鉱区の所有権を掌握しました。現在の組織形態としての「チリ国立銅業公社」が正式に発足したのは1976年のことです。

組織は研究、探査、買収、開発の各部門で構成されており、主に5つの運営部門(Codelco Norte、Salvador、Andina、Ventanas、El Teniente)を軸に活動しています。また、El Abra鉱山の49%の権益を保有するほか、複数の新規プロジェクトを推進しています。

項目 内容
設立年 1976年
本社所在地 チリ、サンティアゴ
主要製品
収益(2010年) 160億米ドル
純利益 52.49億米ドル
従業員数 17,880人

主要鉱山の詳細と現状

チュキカマタ(Chuquicamata)

チュキカマタは、数世紀にわたる採掘の歴史を持つ象徴的な鉱山です。1898年には西暦550年頃のミイラ「銅の人」が発見されたことでも知られています。20世紀初頭にグッゲンハイム兄弟によって近代的な開発が始まり、その後アナコンダ・カッパー社を経て国有化されました。

現在は大規模な露天掘りが行われていますが、低品位化に伴い、2018年から地下採掘(ブロックケービング法)への移行が進められています。2030年までにフル稼働させる計画であり、これにより鉱山寿命の延長を図っています。

Chuquicamata mine in 2016

エル・テニエンテ(El Teniente)

世界最大級の地下銅鉱山として知られるエル・テニエンテは、16世紀のイエズス会による小規模な採掘に始まり、20世紀初頭にウィリアム・ブレイデンによって近代化されました。膨大な埋蔵量を誇り、Codelcoの生産量において極めて重要な位置を占めています。かつての鉱山キャンプであるセウェルは、その独特な景観からユネスコ世界遺産に登録されています。

その他の主要拠点

  • アンディナ(Andina): サンティアゴ北東部の高地に位置し、厳しい気候条件の下で運営されています。近年では、持続可能な水利用のための大規模な投資プロジェクトが進められています。
  • エル・サルバドル(El Salvador): 1960年代に生産を開始した露天掘りと地下採掘の複合鉱山です。
  • ラドミロ・トミック(Radomiro Tomic): 1997年に操業を開始した近代的な鉱山で、SX/EW(溶媒抽出電解採取)法を用いて銅を抽出しています。

製錬プロセスにおいては、ベントナスのプラントなどで濃縮鉱から銅を精製し、金や銀などの副産物も回収しています。

Molten slag is from Caletones carried outside and poured into a dump, 2005. Caletones serves El Teniente mine in the Andes of Central Chile.

新たな挑戦:リチウム事業への進出

銅の生産量が地盤の不安定さなどの影響で停滞・減少傾向にある中、Codelcoは2023年に発表された「国家リチウム戦略」に基づき、戦略的鉱物であるリチウムへの参入を決定しました。

2025年には、SQM社との合弁会社「Nova Andino Litio」を設立し、アタカマ塩湖でのリチウム塩水採掘を実質的に掌握しました。さらに、リオ・ティント社とも提携し、マリカングンガ塩湖での開発を進めるなど、ポートフォリオの多角化を急いでいます。

直近の課題とリスク

世界的なリーダーであるCodelcoですが、近年は困難にも直面しています。2021年から2023年にかけて、エル・テニエンテやチュキカマタなどの主要鉱山で地盤工学的な問題が発生し、生産量が大幅に減少しました。2023年の生産量は、2004年比で約72%まで落ち込んでいます。

また、2026年には2025年の生産実績を水増しした疑いが浮上し、ボーナスの返還命令やKPMGによる大規模な監査が行われるなど、ガバナンス面での課題も露呈しました。

Frequently Asked Questions

Codelcoはどのような組織ですか?

チリ政府が100%所有する国営企業で、世界最大の銅生産量を誇る鉱業会社です。得られた利益はチリ国家の財政に還元されます。

なぜリチウム採掘を始めたのですか?

チリ政府の「国家リチウム戦略」に基づき、電気自動車(EV)などの需要で高まるリチウムの重要性に対応し、銅以外の戦略的資源を確保するためです。

生産量が減少している原因は何ですか?

主に主要鉱山における地盤の不安定さ(地盤工学的問題)により、安全な採掘が困難になったことが大きな要因です。

チュキカマタ鉱山の今後の計画は?

露天掘りから地下採掘への移行を進めており、2030年までに地下鉱山をフル稼働させることで、持続的な生産体制を構築する計画です。

Codelcoはチリ国外でも活動していますか?

はい。例えばエクアドルのフニン銅鉱山プロジェクトにおいて、エクアドル国営鉱業会社(ENAMI)と共同で探査活動を行う合意を結んでいます。

References

  1. Codelco has twice in recent years narrowly maintained its status as the world's largest copper mining company. In 2018, this was averted when relinquished shares in the to the , and in 2024, it occurred again when 's attempt to acquire all shares of collapsed.

📸 フォトギャラリー

Chuquicamata mine in 2016
Molten slag is from Caletones carried outside and poured into a dump, 2005. Caletones serves El Teniente mine in the Andes of Central Chile.