アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティを拠点とするシンシナティ・エンクワイア(The Cincinnati Enquirer)は、1841年の創刊以来、地域の情報を伝え続けてきた歴史ある日刊紙です。現在はUSA Today Co.によって発行されており、シンシナティ大都市圏および北部ケンタッキー州において、唯一の日刊紙としての地位を確立しています。
単なるニュース提供にとどまらず、デジタル時代への適応や地域コミュニティへの深い浸透を図っており、その影響力は印刷媒体・デジタル媒体の両面で地域最大規模を誇ります。
Key Facts
- 創刊年:1841年(180年以上の歴史を持つ)
- 運営母体:USA Today Co.
- 主要実績:ピューリッツァー賞を2度受賞(1991年、2018年)
- 展開領域:シンシナティ大都市圏および北部ケンタッキー州
- デジタル拠点:cincinnati.com
波乱に満ちた創刊期と名称の変遷
本紙のルーツは1828年にモーゼス・ドーソンが編集した「フェニックス(Phoenix)」という新聞にまで遡ります。その後、「コマーシャル・アドバタイザー」や「シンシナティ・アドバタイザー・アンド・ジャーナル」へと名称を変え、ジョンとチャールズのブロウ兄弟が買収したことで、1841年4月10日に「デイリー・シンシナティ・エンクワイア」として産声を上げました。
創刊号はわずか4ページで、当時の政治状況を反映し、民主党への強い支持を表明していました。その後も「エンクワイア・アンド・メッセージ」などの合併や名称変更を経て、1849年5月に現在の「シンシナティ・エンクワイア」という名称に定着しました。

20世紀初頭には、当時の時代精神を反映した独特のヘッドラインスタイルが特徴的であり、地域の記録媒体としての役割を強めていきました。

所有権の変遷と従業員による買収劇
エンクワイアの歴史の中で特筆すべきは、1952年に起きた従業員による買収です。当時、競合するシンシナティ・タイムズ=スター紙が750万ドルで買収を仕掛けましたが、これに反発した845人の従業員が自ら資金を出し合い、融資を受けて760万ドルで対抗買収を成功させました。この異例の従業員所有体制により、初年度には約35万ドルの純利益を計上しています。
その後、所有権はスクリプス社、カール・リンドナー・ジュニア氏のアメリカン・フィナンシャル社、コンバインド・コミュニケーションズ社へと移り、1979年にガネット社(現USA Today Co.)に統合されました。
競争と共存、そして独占への道
1977年、エンクワイアはシンシナティ・ポスト紙と「共同運営協定(JOA)」を締結しました。これは新聞保存法に基づき、独占禁止法の適用除外を受けて行われた戦略的な提携でした。しかし、2004年にエンクワイア側が協定の終了を通知し、2007年末にポスト紙が廃刊したことで、同地域における唯一の日刊紙となりました。
市場独占後、エンクワイアは旧ポスト紙の読者層を取り込むため、報道範囲を「グレーター・シンシナティおよび北部ケンタッキー」へと拡大し、地域密着型の姿勢をさらに強めました。
施設とデジタル戦略の進化
本紙はシンシナティ市街地のさまざまな場所で発行されてきましたが、1916年から1928年にかけて建設された専用ビルを経て、1992年にはエルム通り312番地の新社屋へ移転しました。


印刷体制についても効率化が進み、かつてはウェスタン・アベニューの自社工場で印刷していましたが、2013年からはコロンバス・ディスパッチ紙への委託へと切り替わっています。
デジタル戦略においては、cincinnati.comを中心に展開し、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を積極的に活用したコミュニティページの構築に注力しました。また、若年層向けに無料ライフスタイル誌「CiN Weekly」を発行するなど、読者層の拡大を試みてきました。

実績と地域への貢献
ジャーナリズムとしての質も高く評価されており、1991年と2018年にピューリッツァー賞を受賞しています。特に2018年の受賞は、ヘロイン問題に関する徹底した現地取材(Local Reporting)が認められたものです。
また、1945年から1995年までの膨大な写真アーカイブを2023年にシンシナティおよびハミルトン郡公立図書館に寄贈し、地域の歴史的資産を次世代に継承する取り組みも行っています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 創刊 | 1841年 |
| 現在の所有者 | USA Today Co. (Gannett) |
| 主要ウェブサイト | cincinnati.com |
| 受賞歴 | ピューリッツァー賞 2回 |
| 発行形式 | コンパクト版(日刊) |
Frequently Asked Questions
シンシナティ・エンクワイアは現在どのような形態で発行されていますか?
現在はコンパクト形式の日刊紙として発行されており、印刷版のほか、cincinnati.comを通じたデジタル版でもニュースを提供しています。
過去にどのような賞を受賞していますか?
権威あるピューリッツァー賞を1991年と2018年の2回受賞しており、特に直近では地域報道における優れた功績が評価されました。
従業員が新聞社を買収したというのは本当ですか?
はい。1952年に他社による買収計画に対抗し、845人の従業員が資金を出し合って760万ドルで買収を成功させた歴史があります。
北部ケンタッキー州向けのサービスはありますか?
はい。「ケンタッキー・エンクワイア(The Kentucky Enquirer)」として、北部ケンタッキー州向けの地域版を発行しているほか、NKY.comという専用サイトも運営しています。
どのような人物がこの新聞社に関わっていましたか?
政治家のジェームズ・M・コックスや、アニメーターのウィンザー・マッケイ、ピューリッツァー賞受賞者のジム・ボーグマンなど、多才な人物が記者や編集者として活躍しました。
References
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Conventional wisdom has it that The Enquirer is the ultraconservative, till-death-do-us-part Republican Party mouthpiece, while The Post is the moderate, working-class, comparatively progressive paper.
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