2025年、チリは政治的な大きな転換点を迎えました。11月と12月に行われた大統領選挙の結果、右派のホセ・アントニオ・カスト氏が当選し、ガブリエル・ボリッチ前政権からの政権交代が決定しました。この選挙は、国家の方向性を巡る保守派と革新派の激しい対立を浮き彫りにし、国民の高い関心を集めました。
主要な事実(Key Facts)
- 当選者:ホセ・アントニオ・カスト(共和党)が得票率58.17%で勝利。
- 対立候補:ジェネット・ハラ(共産党)が41.83%で次点。
- 投票率:第1回投票で85.42%、決選投票で85.14%という極めて高い水準を記録。
- 議会状況:下院では「チリのための変革」連合が大幅に議席を増やし、上院でも右派勢力が影響力を維持。
- 政治的傾向:国家保守主義および右派ポピュリズムへの支持が明確に示された結果となった。
大統領選の経過と結果
選挙は2段階の投票制で実施されました。11月16日の第1回投票では、共産党のジェネット・ハラ氏が僅差で首位に立ちましたが、12月14日の決選投票( runoff)では、共和党のカスト氏が圧倒的な支持を集め、大統領に選出されました。
カスト氏は「チリのための変革」連合に支持され、国家保守主義的なアプローチを掲げました。一方、ハラ氏は「チリのための団結」連合として、民主社会主義や共産主義的な価値観を代表して戦いました。結果として、有権者は現状の打破と保守的な安定を求めた形となります。
選挙後、ボリッチ前大統領はカスト氏の「明確な勝利」を祝福し、平和的な権力移行が行われました。両者はモネダ宮殿で会談し、国家の安定に向けた意思表示を行いました。

国会選挙の結果と勢力図
大統領選と同時に行われた議会選挙でも、政治的な地殻変動が起きました。下院(Chamber of Deputies)では、カスト氏が率いる共和党を含む連合が大幅に議席を伸ばし、政権運営の基盤を固めました。対照的に、左派連合である「チリのための団結」は議席を減らす結果となりました。
上院(Senate)においても、共和党や国民更新党などの右派勢力が一定の存在感を示し、今後の立法プロセスにおいて重要な役割を果たすことが予想されます。これにより、新政権は行政と立法の両面で強力な推進力を得ることになります。
選挙結果まとめ
| 候補者 | 所属政党 | 得票数 | 得票率 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| ホセ・アントニオ・カスト | 共和党 | 7,263,236 | 58.17% | 当選 |
| ジェネット・ハラ | 共産党 | 5,222,558 | 41.83% | 落選 |
候補者の背景と支持基盤
今回の選挙では、多様なイデオロギーを持つ候補者が立候補しました。カスト氏は、右派ポピュリズムや国家保守主義を支持する層から強い信頼を得ており、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領などの国際的な右派政治家からも支持を受けていました。
対するハラ氏は、共産党や社会党、そして多くの文化人や芸術家、労働組合からの支持を集めました。彼女は進歩主義的な社会改革を訴えましたが、決選投票では保守層の結集を許す形となりました。また、第1回投票で3位となったフランコ・パリジ氏のような反体制的な候補者の票が、最終的にどちらに流れたかが勝敗の鍵を握ったと分析されています。
よくある質問(FAQ)
今回の選挙で誰が当選しましたか?
共和党のホセ・アントニオ・カスト氏が、決選投票で得票率58.17%を獲得し、次期大統領に当選しました。
投票率はどのくらいでしたか?
第1回投票では85.42%、第2回(決選投票)では85.14%と、非常に高い投票率を記録しました。
議会選挙の結果はどうなりましたか?
下院ではカスト氏の連合である「チリのための変革」が42議席を獲得し、大幅に議席を増やしました。上院でも右派勢力が一定の議席を確保しています。
ジェネット・ハラ氏はどのような立場で出馬しましたか?
共産党所属として「チリのための団結」連合を率い、民主社会主義や進歩主義的な政策を掲げて出馬しました。
前大統領の反応はどうでしたか?
ガブリエル・ボリッチ前大統領は、カスト氏の勝利を「明確な勝利」として祝福し、円滑な政権交代に向けて協力的な姿勢を示しました。