Comparison of some book sizes based on American Library Association[1]
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本のサイズと判型の歴史伝統的な形式から現代の規格まで

🗓 2026年8月13日

私たちが日常的に手に取る本には、さまざまな大きさが存在します。単に「大きい」「小さい」という感覚的な違いだけでなく、書籍の世界には判型(フォーマット)という厳格な定義が存在します。かつての本のサイズは、印刷に使う大きな紙をどのように折ったかという製造工程によって決まっていました。

現代では、デジタル印刷や製本技術の進化により、見た目の寸法だけでサイズを呼ぶことが一般的ですが、その背景には数百年にわたる印刷の歴史が隠されています。

Key Facts

  • 伝統的な判型は、原紙を折った回数(2回、4回など)によって定義されていた。
  • フォリオ(2度折り)が最大で、次いでクォート(4度折り)オクタボ(8度折り)と小さくなる。
  • 現代の書籍では、製造工程よりも最終的なカバーの寸法でサイズを分類することが多い。
  • 日本ではISO規格(A判・B判)と、伝統的な菊判や四六判などが混在して利用されている。
  • 世界最大の書籍は数メートルに及び、最小のものは顕微鏡でしか見えないマイクロサイズまで存在する。

伝統的な判型の仕組みと定義

1820年頃までの手動印刷機時代、本は大きな1枚の紙の両面に文字を印刷し、それを数回折ることで複数の「葉(leaf)」からなる束( gathering / signature)を作っていました。この折る回数によって、1枚の原紙から何枚の葉が生まれるかが決まり、それがそのまま本のサイズ(判型)となりました。

例えば、原紙を1回折って2枚の葉(4ページ)を作る形式をフォリオ(Folio)と呼びます。さらに2回折って4枚の葉(8ページ)にするのがクォート(Quarto)、3回折って8枚の葉(16ページ)にするのがオクタボ(Octavo)です。このように、折る回数が増えるほど、1ページあたりの面積は小さくなります。

Traditional book sizes/formats used in English-speaking countries. Based on the 19-by-24-inch or 482.5-by-609.5-millimetre printing paper size, which equals two folio leaves, four quarto leaves, eight octavo leaves, etc. For comparison, common American letter size is shown in green.

これらの形式は、書誌学の世界で「4to(クォート)」や「8vo(オクタボ)」といった略称で表記されます。さらに小さいサイズとして、12枚の葉を作るデュオデシモ(12mo)や、16枚の葉を作るセクストデシモ(16mo)なども存在しました。当時の読者は、製本後に切り揃えられていないページの端を、ナイフで切り開いて読んでいたこともあります。

現代におけるサイズ表記の変化

印刷技術が飛躍的に向上した現代では、非常に巨大な紙やロール紙に一度に大量のページを印刷することが可能です。そのため、物理的に本を調べても、元の紙がどう折られていたかを判別することは困難になりました。特に、ページを個別に切り出して背表紙に糊付けする無線綴じ(perfect bound)などの手法では、伝統的な「折りの概念」は消失しています。

そのため、現代の出版業界では、製造工程ではなく単純に外装の寸法に基づいて「フォリオ」や「オクタボ」という言葉を使い分けています。また、さらに巨大なサイズとして、エレファント・フォリオ(高さ約580mm)やダブル・エレファント・フォリオ(高さ約1,300mm)といった名称も使われています。

Comparison of some book sizes based on American Library Association[1]

地域別の主要な書籍サイズ

国や地域によって、標準とされる本のサイズは異なります。英語圏では伝統的な判型に基づいた分類が残っていますが、日本では独自の規格と国際規格が組み合わさっています。

日本における判型

日本では、ISO A判やJIS B判といった国際・国内規格に加え、「菊判」や「四六判」といった伝統的なサイズが広く使われています。例えば、コンパクトな文庫本にはA6判が採用されており、実用書や学術書にはA5判やB5判が一般的です。また、新書判(B40判)のように、特定の用途に合わせて最適化された独自のサイズも定着しています。

欧米における判型

アメリカでは、ハードカバーに多い「US Trade size」がオクタボに相当し、ペーパーバックの多くはデュオデシモに近いサイズです。イギリスでは、ペンギン・クラシックスなどで見られる「Bフォーマット」などの独自の規格が普及しています。

主要な判型とサイズの比較(概算)
名称 略称 葉の数 ページ数 概算サイズ (mm)
フォリオ fo / 2º 2 4 305 × 483
クォート 4to / 4º 4 8 241 × 305
オクタボ 8vo / 8º 8 16 152 × 229
デュオデシモ 12mo / 12º 12 24 127 × 187
セクストデシモ 16mo / 16º 16 32 102 × 171

極端なサイズの記録

書籍のサイズには、実用的な範囲を遥かに超えた極端な例が存在します。世界最大の書籍としては、ドバイで作られた「This the Prophet Mohamed」が5m × 8.06mという驚異的な大きさを誇ります。また、出版された本としての記録では、ブラジルで印刷された『星の王子さま』が2.01m × 3.08mに達しています。

An extremely large book rests on a table, with its front cover and a small portion of its pages flipped open to the left. A man facing away from the camera stands in front of the flipped part. On the wall above the book is a sign saying "LARGEST BOOK IN THE WORLD - VISITORS' REGISTER FOR CALIFORNIA BUILDING - Alaska–Yukon–Pacific Exposition […]". On a table in the background and to the right of the large book is another table on which many small stacks of normal-sized books are visible.

一方で、世界最小の本はカナダのサイモンフレーザー大学で制作された「Teeny Ted from Turnip Town」です。これは純結晶シリコンのページにイオンビームで刻まれたマイクロタブレット形式の本で、サイズはわずか0.07mm × 0.10mmしかありません。

Frequently Asked Questions

「葉(leaf)」と「ページ(page)」の違いは何ですか?

「葉」とは物理的な紙1枚のことを指します。一方、「ページ」はその紙の片面を指します。したがって、1枚の葉は常に2ページで構成されています。

なぜ現代の本で伝統的な判型を特定するのが難しいのですか?

現代の印刷では、非常に大きな原紙に一度に多くのページを印刷し、それを複雑に折ったり、あるいは個別に切り出して糊付け(無線綴じ)したりするため、外見から元の折り方(フォーマット)を判別することができないからです。

「菊判」や「四六判」という名前の由来は何ですか?

これらは日本の伝統的な紙のサイズに基づいています。「四六判」という名称は、元の原紙の寸法が約4寸×6寸であったことに由来しています。

世界で最も大きな中世の写本は何ですか?

現存する最大の中世写本は「コーデックス・ギガス(悪魔の聖書)」であり、寸法は920mm × 500mmに及びます。

オクタボとクォートではどちらが大きいですか?

クォートの方が大きいです。クォートは原紙を2回折ったもの(4枚の葉)であるのに対し、オクタボは3回折ったもの(8枚の葉)であるため、1ページあたりのサイズはクォートの方が広くなります。

References

  1. Cf. Bowers,: 429–430  suggesting that a book with eight leaves per gathering where the format cannot be determined should be referred to as in 8s and not octavo.

📸 フォトギャラリー

Comparison of some book sizes based on American Library Association[1]
Traditional book sizes/formats used in English-speaking countries. Based on the 19-by-24-inch or 482.5-by-609.5-millimetre printing paper size, which equals two folio leaves, four quarto leaves, eight octavo leaves, etc. For comparison, common American letter size is shown in green.
An extremely large book rests on a table, with its front cover and a small portion of its pages flipped open to the left. A man facing away from the camera stands in front of the flipped part. On the wall above the book is a sign saying "LARGEST BOOK IN THE WORLD - VISITORS' REGISTER FOR CALIFORNIA BUILDING - Alaska–Yukon–Pacific Exposition […]". On a table in the background and to the right of the large book is another table on which many small stacks of normal-sized books are visible.