Amphibolite from Cape Cod, Massachusetts
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アンフィボライト角閃岩変成岩角閃石ホルンブレンド

アンフィボライト(角閃岩)の特性と成因:変成岩の科学的視点から

🗓 2026年8月10日

地球の深部で激しい熱と圧力にさらされた岩石は、元の姿を失い、全く異なる性質を持つ変成岩へと生まれ変わります。その代表例の一つが「アンフィボライト(角閃岩)」です。暗い色調と緻密な構造を持つこの岩石は、地質学的な履歴を解き明かす重要な鍵を握っています。

アンフィボライトの正体と物理的特徴

アンフィボライトは、主に角閃石(ホルンブレンドやアクチノライトなど)と斜長石から構成される変成岩です。石英をほとんど含まないか、全く含まないのが特徴です。外観は一般的に暗色で密度が高く、薄く剥がれるような片理(しきり)や片岩状の構造が見られます。黒と白の微細な結晶が混ざり合っているため、しばしば「ソルト&ペッパー(塩胡椒)」のような見た目になります。

Amphibolite from Cape Cod, Massachusetts

主要な事実(Key Facts)

  • 主成分:角閃石(ホルンブレンド、アクチノライト)および斜長石。
  • 外観:暗色で緻密、弱く葉理(foliation)を持つ。
  • 原岩:玄武岩などの苦鉄質火成岩、または特定の堆積岩。
  • 形成条件:一般に500°C以上の高温と1.2 GPa未満の圧力下で形成される。
  • 用途:建築用の外装材、舗装材、および新石器時代の石器(手斧など)。

成因による分類:オルソとパラ

アンフィボライトは、その元の岩石(原岩)が何であったかによって、大きく2つのタイプに分けられます。

オルソアンフィボライト(正角閃岩)

火成岩(特に玄武岩などの苦鉄質岩)が変成してできたものです。主成分の角閃石と斜長石のほか、少量の緑簾石、ゾイサイト、緑泥石などが含まれます。野外調査において、他の堆積岩を貫く岩脈(ダイク)のような形態を示している場合、それはオルソアンフィボライトである可能性が高くなります。

Garnet bearing amphibolite from Val di Fleres, Italy

パラアンフィボライト(副角閃岩)

泥質岩や火山性堆積物、あるいはドロマイトやシデライトを含む堆積岩が変成してできたものです。鉱物組成はオルソタイプと似ていますが、黒雲母や石英、また原岩によっては方解石やウォラストナイトをより多く含む傾向があります。堆積岩特有の層理面と密接に関わっていることが識別点となります。

Garnet amphibolite, sold as "Nordic Sunset Granite", reportedly from Murmansk area

変成相としてのアンフィボライト相

地質学では、この岩石が形成される特定の温度・圧力条件を「アンフィボライト相」と呼びます。これは通常、緑色片岩相(グリーンスチスト相)よりもさらに深い埋没と加熱が進んだ段階で現れます。さらに圧力がかかればエクロジャイト相へ、水のない状態でさらに加熱されればグラニュライト相へと移行します。

ただし、岩石の中に角閃石があるからといって、必ずしもピーク時の変成条件がアンフィボライト相だったとは限りません。例えば、より高温の状態から温度が下がった際に生じる「逆行変成作用」によってアクチノライトが形成される場合があるため、結晶のサイズや微細構造を慎重に分析する必要があります。

Erratic boulder of dark-colored amphibolite mingled with light-colored granitic bands, near the Trift Glacier, Switzerland

関連する特殊な岩石

  • ウラライト:輝石岩が熱水変質を受けたもので、輝石が放射状のアクチノライトに置き換わった独特の組織を持ちます。
  • エピディオライト:ダイオライトやガブロなどの苦鉄質貫入岩が変成した古い呼称で、輝石がウラライトに置き換わったものを指します。
  • ホルンブレンド岩:主にホルンブレンドからなる火成岩であり、変成岩であるアンフィボライトとは区別されます。

アンフィボライトの特性まとめ

アンフィボライトの分類と特徴
分類 原岩(プロトリス) 主な特徴・鉱物 識別ポイント
オルソアンフィボライト 玄武岩などの火成岩 角閃石、斜長石、少量の緑簾石 岩脈状の形態を示すことが多い
パラアンフィボライト 泥質岩・火山性堆積岩 角閃石、斜長石、黒雲母、石英 堆積岩の層理と共存している
ウラライト(変質岩) 輝石岩 放射状アクチノライト、ソーシュライト 熱水変質による独特な組織

Frequently Asked Questions

アンフィボライトと花崗岩は何が違いますか?

花崗岩はマグマがゆっくり冷えて固まった火成岩であり、主に石英と長石で構成されています。一方、アンフィボライトは既存の岩石が熱と圧力で変化した変成岩であり、主成分が角閃石であるため、色もより暗いのが一般的です。

「ソルト&ペッパー」の外見とはどのようなものですか?

黒色の角閃石と白色の斜長石が微細に混ざり合っているため、まるで塩と黒胡椒を混ぜ合わせたように見えることを指します。

なぜ建築材料として利用されるのですか?

非常に硬く、耐久性に優れているためです。また、研磨すると美しい光沢が出るため、建物の外装や舗装材として装飾的な価値も高く評価されています。

オルソとパラの区別はなぜ難しいのですか?

変成作用が進むと、元の岩石が持っていた化学組成が再編され、最終的に似たような鉱物組み合わせ(平衡鉱物組合せ)になるためです。そのため、岩石単体ではなく、周囲の地層との関係や化学分析が必要になります。

アンフィボライト相になる温度はどのくらいですか?

一般的に500°Cを超える温度条件で形成されます。この温度域では岩石が塑性変形しやすくなり、延性的な構造(ミロナイトやフォリエーション)が発達します。

References

  1. Robertson, S. (1999). "BGS Rock Classification Scheme, Volume 2: Classification of metamorphic rocks" (PDF). British Geological Survey Research Report. RR 99-02. Retrieved 27 February 2021.

📸 フォトギャラリー

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Garnet amphibolite, sold as "Nordic Sunset Granite", reportedly from Murmansk area
Erratic boulder of dark-colored amphibolite mingled with light-colored granitic bands, near the Trift Glacier, Switzerland