写真愛好家の間で「35mmフィルム」として親しまれている135フィルムは、幅35ミリメートルのフィルムを標準的なマガジン(カセット)に収めた写真フォーマットです。1934年にコダック社が静止画用として導入して以来、120フィルムなどの他規格を追い抜き、世界で最も普及したフィルムサイズとなりました。現在でも、デジタル時代の波を越えて根強い人気を誇っています。
この規格はISO 1007によって厳格に定義されており、その汎用性の高さから、プロの報道写真からアマチュアのスナップ写真まで幅広く利用されてきました。
Key Facts
- 標準サイズ:フィルム幅は35mmで、一般的な1コマのサイズは24×36mm。
- 起源:映画用35mmフィルムを転用したことから発展した。
- 普及の立役者:ライカ(Leica)が小型カメラとしての実用性を証明し、コダックが使いやすいカセット形式を導入した。
- デジタルへの継承:現在のデジタル一眼レフの「フルサイズ」センサーは、この135フィルムの1コマサイズに基づいている。
- 現代のトレンド:2020年代に入り、アナログ回帰の流れから再び需要が高まっている。
135フィルムの誕生と進化の歴史
映画フィルムからの転用
135フィルムのルーツは、トーマス・エジソンの研究所でウィリアム・ケネディ・ローリー・ディクソンが確立した映画用35mmフィルムにあります。もともとは70mm幅のフィルムを縦に2分割して作成されたものでした。初期の静止画利用では18×24mmのサイズが主流でしたが、次第に現在の標準となる24×36mmへと移行していきました。

ライカによる革命と普及
オスカー・バルナックが設計したライカは、24×36mmという小型フォーマットでもプロレベルの撮影が可能であることを証明しました。1920年代に本格的な生産が始まると、その携帯性と性能から世界的な成功を収め、35mmフォーマットを写真界のスタンダードへと押し上げました。


利便性を高めたコダックのカセット
初期の35mmカメラは、暗室でフィルムを再利用可能なカセットに詰め替える必要がありました。しかし1934年、コダック社が日光の下で簡単にロードできる使い捨てのカセット(135規格)を導入したことで、利便性が飛躍的に向上しました。これにより、コダック・レティナなどのカメラが普及し、一般ユーザーにとってフィルム写真がより身近なものとなりました。


カメラシステムの発展:レンジファインダーからSLRまで
一眼レフ(SLR)の台頭
1936年に登場したKine Exaktaを皮切りに、35mm一眼レフカメラが発展しました。特に1959年に発売されたニコンFは、堅牢なシステムカメラとしてプロのフォトジャーナリストに支持され、中判カメラからの移行を加速させました。その後、ミラーの即時復帰機構などの技術革新により、SLRは写真撮影の主流となりました。


多様なカメラ形態の登場
35mmフィルムは、高級なレンジファインダーから、安価なコンパクトカメラ、さらには使い捨てカメラに至るまで、あらゆる形態のデバイスに採用されました。また、フィルムを半分に区切って使用する「ハーフフレーム」形式(18×24mm)は、撮影枚数を増やせるため、オリンパス・ペンシリーズなどで人気を博しました。



技術的特性と仕様
フィルムの構造とDXコード
135フィルムは遮光された金属製カセットに収納されており、端には送り用のパーフォレーション(送り穴)が配置されています。1980年代には、フィルムの感度情報をカメラに自動的に伝える「DXコード」が導入され、設定の自動化が進みました。


感度とエマルジョン
ISO規格に基づき、低感度から高感度まで多様なフィルムが製造されています。カラーネガ、リバーサル(ポジ)、モノクロームなど種類は豊富で、特にモノクロフィルムではパンクロマチック(全色感光性)が一般的です。また、赤外線に反応する特殊なエマルジョンも存在します。
撮影枚数と長さ
標準的なロールは36枚撮りですが、用途に応じて24枚や12枚などの短いロールも提供されてきました。フィルムの長さには、カメラに装填する際に光にさらされる「リーダー」部分の余裕分が含まれています。

デジタル時代における135フィルムの遺産
「フルフレーム」の定義
現代のデジタルカメラにおける「フルフレーム」センサーとは、まさに135フィルムの1コマ(24×36mm)と同等の面積を持つセンサーを指します。一方、APS-Cなどの小型センサーは、このサイズからクロップ(切り出し)されたものであるため、焦点距離の換算が必要になります。

レンズの焦点距離と画角
35mmフォーマットにおいて、対角線長は約43mmであるため、理論上の標準レンズはこの数値になりますが、一般的には50mmが標準レンズとして定着しています。50mmより短ければ広角、長ければ望遠と分類されます。
現代におけるリバイバル
デジタル化が進んだ後も、アナログ特有の質感や体験を求める層により、35mmフィルムは再評価されています。2020年代に入り、ペンタックス17のような新型フィルムカメラの発売や、コダック社のフィルム需要増大など、アナログ写真のルネサンスが起きています。
135フィルム規格まとめ
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| フィルム幅 | 35mm (1.4インチ) |
| 標準フレームサイズ | 24mm × 36mm |
| ハーフフレームサイズ | 18mm × 24mm |
| 標準的な撮影枚数 | 36枚(他、24枚、12枚など) |
| 国際規格 | ISO 1007 |
| デジタル相当 | フルフレームセンサー |
Frequently Asked Questions
135フィルムと35mmフィルムは違うものですか?
いいえ、同じものです。「35mm」はフィルムの物理的な幅を指し、「135」はコダック社が静止画用として定めた規格名称です。
「フルフレーム」とは具体的に何を指しますか?
デジタルカメラのセンサーサイズが、135フィルムの標準的な1コマのサイズ(24×36mm)とほぼ同じであることを指します。
ハーフフレームカメラを使うメリットは何ですか?
1コマのサイズを半分(18×24mm)にするため、標準的な36枚撮りのフィルムで72枚の撮影が可能になり、フィルムを節約できる点です。
DXコードとはどのような機能ですか?
フィルムカセットの外側に印字されたバーコードのようなパターンで、カメラがフィルムのISO感度を自動的に読み取るための仕組みです。
現代でも35mmフィルムは購入できますか?
はい、現在もコダックや富士フイルムなどのメーカーから販売されており、世界中で入手可能です。
References
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