アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ・デイド郡に位置するZoo Miami(マイアミ・デイド動物園植物園)は、全米の本土で唯一の熱帯気候を活かした動物園です。広大な敷地を誇り、多様な気候帯の動物たちが自然に近い環境で暮らしています。単なる展示施設ではなく、絶滅危惧種の保護や教育にも力を入れており、世界中から多くの観光客が訪れるフロリダ州最大の動物園として知られています。
Key Facts
- 規模: 総面積約750エーカー(開発エリアは約324エーカー)
- 収容数: 約500種、3,000頭以上の動物を飼育
- 認定: 動物園水族館協会(AZA)の認定を受けている
- 特徴: 北米本土で唯一の熱帯動物園であり、100以上の展示がある
- 来園者数: 年間100万人以上が訪問
歴史と変遷:小さな始まりから巨大施設へ
この動物園の起源は1948年にまで遡ります。もともとはキービスケイン島のクランドンパークに設立された「クランドンパーク動物園」でした。始まりは、故障したトラックの修理代として譲り受けた3頭のサル、1頭のヤギ、2頭のクマというわずか6頭の動物たちでした。その後、倒産したサーカス団からライオンやゾウ、サイなどが加わり、1967年までには全米トップ25に入る規模へと成長しました。

しかし、1965年のハリケーン・ベッツィにより250頭の動物を失うという悲劇に見舞われます。これを機に、より安全で広大な施設への移転計画が始動しました。1975年に建設が始まり、1980年7月4日に「マイアミ・メトロズー(Miami MetroZoo)」として現在の場所(旧リッチモンド海軍航空基地跡地)にオープンしました。
その後も拡張を続け、1984年にはニューオーリンズ万博で使用されていたモノレールを導入し、園内の移動をサポートしました。2010年には、ブランディングの一環として現在の「Zoo Miami」へと名称が変更されました。

多彩な展示エリアと注目動物
園内は広大で、徒歩で一周すると約6kmに及びます。世界各地の生態系を再現したエリア構成が特徴です。
アジアエリアと「Wings of Asia」
アジアエリアでは、ボルネオオランウータンやインドサイ、スマトラトラなど、希少な動物たちが展示されています。特に注目は、西半球最大の屋外アジア鳥類園であるWings of Asiaです。約54,000平方フィートの広さを持ち、70種300羽以上の鳥たちが自由に飛び交う様子を観察でき、鳥類と恐竜の進化的なつながりを学ぶことができます。

かつてはこのエリアに、20年以上園のアイコンとして愛されたホワイトベンガルトラのカルリタや、世界最高齢と言われたオランウータンのノンジャなどが暮らしていました。

Amazon and Beyond(アマゾンとその先へ)
2008年にオープンしたこのエリアは、南米の動植物に特化した27エーカーの空間です。「雲霧林」「アマゾン浸水林」「大西洋岸森林」など、4つの異なる環境に分かれており、ジャガーやオオカワウソ、ハープイグアナ、毒矢蛙などが生息しています。

オーストラリアおよびその他のエリア
オーストラリアエリアでは、コアラやカモノハシ、南方カソワリなどが展示されています。また、近隣にある「サミ・ファミリー・アンフィシアター」では、動物たちのプレゼンテーションや文化イベントが日々開催されています。

さらに、2016年にはフロリダ州の固有生態系を学ぶ「Mission Everglades」展示がオープンし、地域の自然保護への意識を高める取り組みが行われています。

施設利用と体験コンテンツ
広大な敷地を効率よく回るため、かつてはモノレールが運行していましたが、維持費の高騰により2022年に廃止されました。現在は、ナレーション付きのトラムツアーやガイド付きツアーが提供されています。

また、子供向けの「PAWS(ペット動物園)」や、移動展示施設である「Dr. Wilde's World」など、インタラクティブな体験ができる施設が充実しています。

動物とのふれあい体験も人気で、サンブルキリンの餌付けステーションなど、間近で動物を感じられるスポットが点在しています。

一方で、動物福祉への配慮は常に課題となっており、2023年にはキウイ鳥のパオラへの接し方を巡り、ニュージーランドの専門家から指摘を受けた際、園側は速やかに謝罪し、改善を約束しました。

自然保護への取り組み
Zoo Miamiは、単なる展示施設ではなく、世界的な保全活動に寄与しています。「Zoo Miami Conservation Fund」を通じて、タイの動物園におけるクラウドレパード(雲豹)やフィッシングキャットなどの絶滅危惧種の繁殖施設アップグレードを財政的に支援しています。
施設概要まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開園年 | 1948年(クランドンパーク)、1980年(現所在地) |
| 総面積 | 約750エーカー(開発済エリア 324エーカー) |
| 飼育数 | 約500種 / 3,000頭以上 |
| 主要展示 | Wings of Asia, Amazon and Beyond, Mission Evergladesなど |
| 認定機関 | Association of Zoos and Aquariums (AZA) |
Frequently Asked Questions
Zoo Miamiの最大の特徴は何ですか?
アメリカ本土で唯一の「熱帯動物園」であることです。フロリダの温暖な気候を活かし、熱帯地方の動物たちが自然に近い環境で飼育されています。
園内を回るための移動手段はありますか?
かつてはモノレールが運行していましたが、現在は廃止されています。代わりに、ナレーション付きのトラムやガイド付きツアーを利用して効率的に回ることができます。
子供向けの施設はありますか?
はい。「PAWS」という子供向けペット動物園や、小型の爬虫類・両生類・昆虫を観察できる展示、蝶の庭園、動物をモチーフにしたメリーゴーラウンドなどが用意されています。
どのような保全活動を行っていますか?
専用の基金を通じて、タイの絶滅危惧種(クラウドレパードやフィッシングキャットなど)の繁殖施設を支援するなど、国際的な野生動物保護に貢献しています。
Wings of Asiaとはどのような場所ですか?
西半球最大の屋外アジア鳥類園で、約70種300羽以上の希少な鳥たちが自由に飛び交うウォークスルー形式の展示エリアです。
References
- "Renaming of Miami MetroZoo". miamidade.gov. Miami-Dade County. Retrieved June 23, 2010.
- "About Zoo Miami: Keepin' it wild since 1948". Zoo Miami. Archived from the original on November 13, 2017. Retrieved May 20, 2015.
- Castelblanco, Cindy. "Zoo Miami breaks attendance mark, welcomes over 1M guests in 2021". Miami's Community Newspapers. Kendall Gazette.
- Destroyed Richmond Naval Air Station
- "2020 CENSUS – CENSUS BLOCK MAP: Miami-Dade County, FL" (PDF). . p. 62 (PDF p. 63/154). Retrieved August 13, 2022.
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- "Zoo Miami". . 12 (4): 15. April–May 2017.
- Blank, Joan Gill. 1996. HIKey Biscayne. Sarasota, Florida: Pineapple Press, Inc. . pp. 158–160, 163–164.
- Abraham, Kristin (January 28, 2010). "Visiting Zoo Miami". miamibeachadvisor.com. Miami Beach Advisor. Retrieved June 28, 2010.
- Cotter, Bill, The 1984 New Orleans World's Fair, Arcadia Publishing, Charleston, South Carolina, 2008, p.120.
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