世界ロマニ語の日:文化の継承と言語の権利を守る11月5日

毎年11月5日は、世界ロマニ語の日として制定されています。この日は、世界中に散らばって暮らすロマの人々のアイデンティティの核である「ロマニ語」の重要性を再認識し、その文化や教育を促進することを目的とした国際的な意識向上日です。

言語は単なるコミュニケーション手段ではなく、その民族の歴史や価値観を保存する器です。世界ロマニ語の日は、少数言語としてのロマニ語が直面している課題に光を当て、言語的な権利を保障することの重要性を世界に訴えかけています。

Key Facts

  • 制定日:毎年11月5日
  • 目的:ロマニ語の普及、文化の保存、および教育の促進
  • ユネスコ認定:2015年に正式に宣言
  • 先駆的な動き:クロアチアが世界で初めて議会としてこの日を支持
  • 現状:欧州評議会の加盟国のうち16カ国が、ロマニ語を少数言語として認定している(2018年時点)

世界ロマニ語の日の成り立ちと歴史

この記念日の起源は、クロアチアのザグレブにあります。2008年11月5日、ロマニ語学者であり政治家でもあるヴェリョコ・カジタジ氏が、初の「ロマ・クロアチア語/クロアチア・ロマ語辞典」を刊行しました。この出来事を機に、カジタジ氏とロマ教育協会「カリ・サラ(現在のクロアチア・ロマ連合)」の主導により、約150名の人々が11月5日を「クロアチア共和国におけるロマ言語の日」とする憲章に署名しました。

Charter pronouncing 5 November the Day of the Roma Language in the Republic of Croatia (5 November 2008, Zagreb, Croatia)

翌2009年には、ザグレブで開催されたロマニ語の標準化と体系化に関する世界シンポジウムにおいて、国際ロマ連合と「カリ・サラ」が共同宣言を発表しました。これにより、ロマの人々が居住するすべての国で11月5日を「世界ロマニ語の日」として認めるよう求める国際的な動きが始まり、同年が初の公式な祝典の年となりました。

国際的な承認への道のり

この取り組みは、国家レベルでの承認へと発展します。2012年5月25日、クロアチア議会は全会一致(賛成122票)でこの国際的なイニシアチブを支持することを決定しました。これは、国家の議会が世界ロマニ語の日を正式に支持した世界初の事例となりました。

その後、クロアチアの働きかけにより、2015年にはユネスコ(UNESCO)が11月5日を「世界ロマニ語の日」として正式に宣言し、世界的な認知を得るに至りました。

ロマニ語の多様性と現状

ロマニ語は単一の言語ではなく、地域ごとに多様な変種が存在します。バルカン、ルムエリア、ヴラフなどの主要な方言から、英語やギリシャ語などの他言語と混ざり合った混合形態まで、その形態は多岐にわたります。

現在、欧州評議会の「地域言語または少数言語の欧州憲章」に基づき、多くの国がロマニ語を保護すべき少数言語として認めています。これにより、教育現場での導入や公的な権利の保障が進められています。

世界ロマニ語の日の概要まとめ
項目 詳細
正式名称 世界ロマニ語の日 (World Day of Romani Language)
開催日 毎年11月5日
発祥の地 クロアチア(ザグレブ)
主要な推進組織 国際ロマ連合、クロアチア・ロマ連合「KALI SARA」
国際的な認定 ユネスコ (2015年宣言)

Frequently Asked Questions

世界ロマニ語の日はいつ始まりましたか?

2008年にクロアチアで「ロマ言語の日」として始まった取り組みがベースとなっており、2009年に世界的な宣言が出され、初めて公式に祝われました。

なぜ11月5日なのですか?

2008年11月5日に、ヴェリョコ・カジタジ氏による初のロマ・クロアチア語辞典が発表され、同時に記念日の制定を求める憲章に署名が行われたためです。

ユネスコはどのような役割を果たしましたか?

クロアチアの要請を受け、2015年に11月5日を「世界ロマニ語の日」として正式に宣言し、この日の意義を国際的に広める役割を担いました。

ロマニ語は現在どのように保護されていますか?

欧州評議会の加盟国のうち16カ国が、地域言語または少数言語の欧州憲章に基づき、ロマニ語を少数言語として正式に認めて保護しています。

この日の主な目的は何ですか?

ロマニ語の普及と教育を促進し、ロマの人々の文化的なアイデンティティを尊重し、言語的な権利を守るという市民意識を高めることです。