Billy Bitzer (behind Pathé camera) with Griffith on location
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Way Down EastD.W.グリフィスが描いたサイレント映画の金字塔

🗓 2026年8月14日

1920年に公開されたWay Down Eastは、映画界の巨匠D.W.グリフィスが監督し、名女優リリアン・ギッシュが主演を務めたアメリカのサイレント・メロドラマです。19世紀の舞台劇を基にしたこの作品は、当時の道徳観を反映しつつも、革新的な映像技法によって観客を魅了しました。特に、凍てつく川での緊迫した救出劇は、映画史に残る名シーンとして語り継がれています。

Key Facts

  • 監督:D.W.グリフィス(映画表現の先駆者)
  • 主演:リリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス
  • 興行成績:当時のサイレント映画で歴代4位に相当する大ヒットを記録
  • 最大の見どころ:氷の塊に乗り、滝へと流されるヒロインの救出シーン
  • 製作予算:約635,000ドルから800,000ドル

物語のあらすじ:裏切りと救済のドラマ

物語の主人公アンナは、都会的な男レノックスに騙され、偽りの結婚を強いられます。妊娠した彼女でしたが、レノックスは残酷に真実を告げて彼女を捨てました。一人で子供を産み育てたものの、幼い我が子を失ったアンナは、絶望の中でバートレット地主のもとで働き始めます。

そこで彼女は、地主の息子デイヴィッドと出会い、互いに惹かれ合います。しかし、アンナは自らの過去に悩み、彼との関係を拒み続けていました。そんな折、かつての情夫レノックスが地主の友人として再登場し、彼女の秘密を暴こうと脅迫します。

ついには町の人々の噂によって過去が露呈し、激怒したバートレット地主はアンナを猛吹雪の中へと追い出しました。意識を失い、氷の塊に乗って滝へと流される絶体絶命の状況に陥ったアンナでしたが、最後にはデイヴィッドによって救い出され、二人は結ばれることになります。

Scene with Barthelmess and Gish

過酷な撮影現場と革新的な映像技法

本作で最も有名な「氷上のチェイスシーン」は、バーモント州のホワイトリバージャンクションで撮影されました。実際の滝が使用されましたが、高さが不十分だったため、ダイナミックな落下シーンはナイアガラの滝で撮影するという工夫が凝らされています。

Billy Bitzer (behind Pathé camera) with Griffith on location

撮影環境は極めて過酷でした。カメラのオイルが凍結するのを防ぐために火を焚き続けなければならず、監督のグリフィス自身も顔の一部に凍傷を負ったといいます。また、スタントダブルを使わず、リリアン・ギッシュとリチャード・バーセルメスが自ら危険な演技に挑みました。ギッシュは髪や手が凍りつくほどの寒さに耐え、その結果、右手の機能に生涯影響が残るほどのダメージを負いました。

Gish in famous ice-floe scene

技術面では、複数の場面を交互に映し出すパラレル・アクション(並行編集)の初期の成功例とされており、物語の緊張感を高める演出が取り入れられました。

作品の評価と社会的影響

公開当時、本作は商業的に大成功を収め、100万ドルの利益を上げました。一方で、当時の厳格な検閲制度の影響も受けています。ペンシルベニア州では、偽装結婚や妊娠の暗示など、物語の根幹に関わるシーンが60箇所以上カットされるという事態が起きました。

後世の批評家たちは、19世紀的な古風なメロドラマの枠組みにありながら、リリアン・ギッシュの直感的で力強い演技や、グリフィスの芸術的なロケーション撮影、大胆なクローズアップなどの「映画的スタイル」が高く評価しています。

作品概要まとめ

『Way Down East』基本データ
項目 詳細
公開日 1920年9月3日
上映時間 148分
配給 ユナイテッド・アーティスツ
興行収入 約750万ドル
原作 ロッティ・ブレア・パーカーの舞台劇

メディア展開:ラジオドラマへの移行

映画の成功後、物語はラジオの世界へも広がりました。1935年にはCBSの「ラックス・ラジオ・シアター」で放送され、映画版の主演二人が再演しました。その後、ミューチュアル放送などで195エピソードに及ぶ長大な連続ドラマとして放送され、当時の聴衆を虜にしました。このラジオ版を巡っては、権利関係による法廷争いも起きましたが、最終的に放送局側の正当性が認められました。

Frequently Asked Questions

この映画の最大の見どころは何ですか?

クライマックスの氷上の救出シーンです。リリアン・ギッシュが氷の塊に乗って滝へ流される緊迫した場面は、当時の観客に衝撃を与え、現在でもサイレント映画の傑作シーンとして知られています。

撮影における困難はありましたか?

極寒の中での撮影となり、監督が凍傷を負ったり、主演のギッシュが手に深刻な凍傷を負ったりするなど、非常に過酷な環境でした。また、氷を切り出したりダイナマイトで破壊したりして撮影場所を確保していました。

検閲によって内容は変わりましたか?

はい。一部の州では厳しい検閲があり、妊娠や偽装結婚などの重要なシーンが削除されました。その結果、物語の文脈が断片化し、唐突に子供が登場するといった不自然な展開になった地域もありました。

この作品は商業的に成功しましたか?

非常に成功しました。当時のサイレント映画の中で歴代4位の興行収入を記録し、グリフィス監督にとって『国民の誕生』に次ぐ最大のヒット作となりました。

原作は映画オリジナルですか?

いいえ。ロッティ・ブレア・パーカーによる19世紀の舞台劇が原作です。この物語は非常に人気があり、グリフィス版以外にも複数の映画化が行われています。

References

  1. "Big Picture Costs and Road Show Profits". Variety. March 18, 1925. p. 27. Retrieved March 20, 2022.
  2. "Griffith's 20 Year Record". Variety. September 5, 1928. p. 12. Retrieved March 21, 2023.
  3. "Way Down East". IMDb.
  4. O'Dell, Paul (1970). Griffith and the Rise of Hollywood. New York: A. S. Barnes & Co. pp. 132–133.  .
  5. Brenner, Paul (2007). "Way Down East Movie Review". FilmCritic. Archived from the original on November 23, 2008. Retrieved April 16, 2020.
  6. "Way Down East". SilentEra.com.
  7. "Way Down East". eMoviePoster.com.
  8. O'Dell, Paul (1970). Griffith and the Rise of Hollywood. New York: A. S. Barnes & Co. p. 133.  .
  9. James L. Neibaur (2012). "Way Down East (Web Exclusive)". Cineaste.com. . Archived from the original on December 15, 2014. Retrieved June 4, 2014.
  10. "Making Movies, 1920". www.eyewitnesstohistory.com. EyeWitness to History. 2002. Retrieved June 4, 2014.

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Gish in famous ice-floe scene
Scene with Barthelmess and Gish